歯車フェチにはたまらない!コルム「ゴールデンブリッジ」最新作は前からも後ろからも横から斜めからも精緻な動きが鑑賞できる
腕時計の上下に伸びた2本の橋の間に歯車を組み込んで時刻表示のメカニズムを成立させたコルムの一大発明が、「ゴールデンブリッジ」だ。ブランドのオリジナリティを示すこの重要なコレクションは、現代のスイス人独立時計師の先駆者であるヴィンセント・カラブレーゼ氏とのコラボレーションによって誕生した。それから約30年後、コルムはアイコニックな「ゴールデンブリッジ」の自動巻き化に成功。最新作となる「ゴールデンブリッジ オートマティック」は、その自動巻きモデルの誕生10周年を記念して製作されたアニバーサリーエディションである。
パノラマサファイアクリスタルで輪列の動きをよりクリアに鑑賞
ゴールデンブリッジは、ラウンド、トノー、レクタングルと複数のケース形状で作られてきた。変わらないのはその設計で、一直線に伸びる地板と受け板の2枚の間に輪列を組んだ2針仕様となっている。ここに革新が起こったのは2011年。コルムは、ゴールデンブリッジの基本構造を崩すことなく、自動巻きメカニズムを加えたのである。
「ゴールデンブリッジ オートマティック」に組み込まれている自動巻き機構の要となるのが、ムーブメントを挟み込むようにセットされた1対のプラチナ製の錘。これらは連結されており、片方の内側に切られた歯が自動巻き用の歯車を回すことで主ゼンマイを巻き上げるリニア・ワインディング方式となっている。ちなみにこの機構は、テンプに向かうときにのみ巻き上げを行う「片巻き上げ式」だ。
最新作となるアニーバーサリーエディションも、初代モデルと同じキャリバーCO313を搭載しており構造に大きな変化はない。最も異なるのはケースで、その大半がサファイアクリスタルで覆われているのだ。これまでもケースサイドにサファイアクリスタルをはめたモデルはあったものの、正面から見たときの視界が完全にクリアなデザインは本機が初となる。
「パノラミックサファイアクリスタル」と名付けられた風防は、トップからミドルケースの部分を塊から削り出したサファイアクリスタル製。大ぶりなトノーシェイプを保ち、かつチタンや18K素材とのコンビネーションを成立させ、さらに防水性能も持たせるという離れ業は、40年以上もの長きにわたって培ってきたノウハウの結晶である。
これだけ視界良好なデザインを成立させている要素として、もう一つ「フローティングハーネスシステム」によってセットされたインデックスがある。錘のさらに外側に設けられた左右4本のハーネスにインデックスを固定することで文字盤をなくし、時計内部の空間を開放的にしているのだ。
アニバーサリーエディションは、合計4型での展開。チタンが50本、チタンにダイヤセッティングを施したタイプが25本、チタン+18Kゴールドのコンビ仕様が150本、コンビ仕様にダイヤセッティングを施したタイプが100本となる。機能自体は2針表示のシンプルなものだが、メカニズムの見応えにおいては数ある高級時計の中でも屈指。今回のアニバーサリーエディションでなくとも、「ゴールデンブリッジ」は時計好きならば一度は見ておいた方が良い逸品である。
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