「誠実なる芸術」をフィロソフィーに掲げる「レイモンド・ウェイル」が手がけたブロンズベゼル採用の新作スケルトンウオッチ
時計職人レイモンド・ウェイルが1976年にスイス・ジュネーブで創業し、いまも同地に本拠を構える独立系時計ブランド【レイモンド・ウェイル】から、人類最古の金属素材の一つであるブロンズをベゼルに採用した最新のフリーランサースケルトン「2785-SBC-60000」が、2021年11月下旬より全国の販売代理店にて発売となる。価格は39万6000円。
ラグジュアリー感漂う、モダンなスケルトンウオッチとヴィンテージライクなブロンズベゼルの融合
モードとクラシックを融合した、ブロンズベゼル採用のスケルトンウオッチ 「フリーランサー」は、創業者レイモンド・ウェイルの高い創造意欲や挑戦への姿勢をはじめとしたアントレプレナーシップへのオマージュとして、2007年に誕生したウオッチコレクションである。
最新作「2785-SBC-60000」は、「既成概念に囚われず自ら運命を切り開く男性をモードとクラシックを融合した個性的なデザインで表現する」というコレクションの特徴に加えて、近代的なフルスケルトンのデザインと最古の金属素材と言われるブロンズの組み合わせを取り入れることで、極めて個性的に仕上がっている。
ベースデザインは、2020年に発表したフリーランサーのフルスケルトンシリーズ。新作では深みのある洗練された印象が魅力のブラックに近いダークグレーのような色合い「アントラシート」カラーのスケルトンムーブメントを搭載する。
「アントラシート」の色味を実現するには繊細な色付けの作業を要するという。NAC仕上げというプラチナ合金を用いた特殊なコーティング技術によって独特のカラーとなるそうだ。しかも高い可鍛性と密着力で色むらなく均一に塗装できるこの最先端テクノロジーを、ムーブメントの地板と受け、ローターに施すことで新作は深く艶のある漆塗りに通じる美しい雰囲気を全体にまとわせることに成功した。
それぞれのパーツをスケルトン化。地板と受けにペルラージュ装飾を、ローターにヘアライン加工を施し、スイス時計製造の伝統と革新を表現。文字盤を完全にスケルトン化することで、6時位置のテンプに透明感と奥行きが生まれ、自社開発のムーブメントの高い技術力とその美しさを表からも裏からも堪能できる。
まるでユニークピース。自分仕様に育てるブロンズ素材の経年変化という醍醐味
先述したように、今回の新作ではブロンズ素材をベゼルに採用している。独特な輝きを放つブロンズベゼルが長い歳月をかけ少しずつ酸化し色合いを変えていく様子は見飽きることがないだろう。
過ごす環境によってどのように経年変化するかが異なるため、その度合いやスピードは一定ではなく、身に着ける人によってそれぞれ。いずれは自分が作り上げた1点もののユニークピースになるのがこの時計の醍醐味である。
ねじ込み式のブロンズリューズにはレイモンド・ウェイルのイニシャルである「RW」のモノグラム装飾が見られる。こういった細部へのこだわりが時計全体のクオリティを底上げしている。
エイジング加工を施したブラウンレザーストラップも見逃せないポイントだ。程よくカジュアルに抜け感を生み出し、上質な大人の男性らしさを演出するダブルプッシュ式のステンレススティール製フォールディングバックルを採用して着脱性を向上させている。
スケルトン構造でありながら高い視認性を保持
一般的に機械式におけるスケルトン構造では、機械構造をエレガントなデザインへと昇華させる一方で視認性が損なわれることも多い。しかし本作では本来の腕時計としての見やすさにもこだわり、時針と分針には夜光塗料を塗布。たとえ暗闇での中あっても時刻が把握できる。
さらに風防には、両面無反射コーティング加工のサファイアクリスタルを採用。文字盤に光が当たった際の反射を抑え、視認性の向上させている。
ムーブメントは【レイモンド・ウェイル】専用キャリバー「RW1212」
本モデルに搭載しているインハウスムーブメントは、レイモンド・ウェイルの開発チームがムーブメント・メーカーのセリタ社の協力を得て、18 月の歳月を費やし2017年に完成したものとなる。
このムーブメントの大きな特徴の一つとして、通常12時位置にあるバランスホイールを真逆の6時位置に配していることが挙げられる。今回のスケルトンモデルは機械式時計の精密で美しい動きが文字盤側から眺められるよう、パーツ設計や重さを繰り返し調整することでスケルトン化させた。
ちなみにキャリバー名の「RW1212」は、レイモンド・ウェイル本社所在地ジュネーブ州グラン・ランシーの郵便番号に由来。まさしくレイモンド・ウェイルのフラッグシップコレクションにふさわしいムーブメントと言えよう。
ブランドの根底にある信念は「誠実なる芸術」である
この度、野心的な新作を発売することとなったレイモンド・ウェイル。同ブランドがフィロソフィーとして掲げ、ものづくりの根底となっている価値観は「誠実なる芸術」である。
特に創業者であるレイモンド一族が深い愛情の対象となっている音楽。それが持つ「時代や国境を超える普遍性」は、同ブランドが理想とする時計像ともリンクする。そのためレイモンド・ウェイルの時計は世界中の人々の良きパートナーでありたいという願いから、パーツにこだわり高品質ながら価格を極力抑えていることも特徴。新作フリーランサー(Ref.2785-SBC-60000)の価格は39万6000円というのだから驚きだ。
近年、高騰し続けるブランドウォッチ市場において、いたずらに販売価格を上げないということは確かな理念の元でなければ実現しえない。そんな理念の原点を知るには、同ブランドの発足に目を向ける必要があるだろう。レイモンド・ウェイルがブランドのスタートを切ったのは、1976年のスイスのジュネーブ。この時代は1969年以降、急速にシェアを伸ばしてきたクオーツ式腕時計の登場により、スイス機械式時計の製造業が壊滅的な状況になっていった、いわば「クオーツショック」の真っ只中である。
そんな逆境とも言える中で立ち上がることとなったレイモンド・ウェイルは、「スイスの時計製造がどうあるべきか」を再考する好機と捉え、そこから明確なビジョンを得た。つまりそれは、高い技術、品質、そして優雅さを兼ね備えた時計を作ることと、決して利益を優先せず、伝統的な機械式時計産業を守ることである。そんなブランド発足当時より培われてきた誇り高き誠実性は、今でも実直にものづくりに向き合う同ブランドのアイデンティティとして根付いている。
問い合わせ先:GMインターナショナル Tel.03-5828-9080
https://raymond-weil.jp