人類の偉業や冒険の背後に名作ウオッチあり ――【ロレックス】【セイコー】【ロンジン】のダイバーズ
人類が成し遂げた偉業や冒険をサポートするアイテムとして、腕時計が果たしてきた役割りは大きい。海や空、そして宇宙まで、各ステージにおける極地で実力を発揮し、チャレンジを支えたのだ。そんな伝説的エピソードを持つ名作のDNAを受け継いだモデルにスポットをあてる。まずは、海にまつわるマスターピース3本を紹介。
時計界の王者と国産時計の雄が、海で果たした功績
フランスの潜水専門会社コメックスとロレックスが共同開発したヘリウム・エスケープ・バルブは、プロの飽和潜水に対応した画期的な技術。だが、セイコーはヘリウムガスを排出するのではなく、そもそもガスがケース内に入ってこないよう高度に気密性を高める技術で飽和潜水に対応した。特許取得のL字型パッキンや、ねじ込み式リューズのパッキンを径方向だけでなく縦方向にも圧縮する独自の防水構造を最初に搭載した、1975年のプロフェッショナルダイバー600mである。
こうした時計技術の進化や、人類の偉業に貢献した腕時計は、当時の魅力が色褪せるどころか、さらに輝きを増している。伝説の後継モデルを腕に着けることは、そのエピソードの共有を意味するのだ。
ダイバーズウオッチの基本デザインを1950年代に確立
ロレックス「オイスター パーペチュアル サブマリーナー デイト」Ref.126610LN 111万8700円
1953年の誕生以来、ダイバーズウオッチのエポックメイングモデルとして君臨。熟成を重ねて2020年に登場した現行モデルは、従来より直径が1mm大きい41mmケースに、センターコマを幅広にしてバランスを取った新型ブレスレットを採用している。搭載ムーブメントは、高精度クロノメーター(ケーシング後の精度、日差-2秒~+2秒を保証)の新世代仕様となっている。
スペック:自動巻き(自社製Cal.3235)、毎時2万8800振動、約70時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース&ブレスレット、セラミックベゼル。直径41mm。300m防水。
世界最先端の防水技術を搭載したオリジナルの革新性を現代的に再解釈
セイコー「プロスペックス マリーンマスター プロフェッショナル」Ref.SBDX038 44万円
オリジナルモデルは1975年に発売した600m飽和潜水ダイバーズで、チタン製ケースを採用した外装だけで約20件の独自技術が投入されていた。また、飽和潜水時に使われるヘリウムガス排出バルブを必要としないL字型パッキン、水中での装着性と安全性に配慮した蛇腹式ストラップも初めて備えていた。アイコニックなプロテクターデザインは“ツナ缶”の愛称で親しまれ、現在まで飽くなき進化を続けており、その最新バージョンは外装パーツに純チタンやエバーブリリアントスチール、サファイア(風防)を採用している。
スペック:自動巻き(自社製Cal.8L35)、毎時2万8800振動、約50時間パワーリザーブ。純チタンケース、シリコンストラップ。直径52.4mm(厚さ17.4mm)。1000m飽和潜水用防水。
問い合わせ先:セイコーウオッチお客様相談室 TEL.0120-061-012 https://www.seikowatches.com/jp-ja/
“レジェンド”の名にふさわしい歴史的な潜水時計
ロンジン「ロンジン レジェンドダイバー」Ref.L3.774.4.90.2 31万4600円
数多くの冒険を支え、スポーツ計時の先駆者でもあるロンジンは、1937年に防水プッシュボタンの特許を取得してダイバーズの進化にも貢献した。創業190周年を迎えたロンジンを代表するこのダイバーズの末裔は、2時位置のリューズで操作するインナーベゼルの伝統的スタイルを堅持しながら、最新のシリコン製ヒゲゼンマイを用いた高機能ムーブメントを採用している。同デザインの36mmバージョンもラインナップ。
スペック:自動巻き(Cal.L888.5)、毎時2万5200振動、72時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース、ストラクチャードレザーストラップ。直径42mm。30気圧防水。
問い合わせ先:ロンジン TEL.03-6254-7351 https://www.longines.com/jp/