【タグ・ホイヤー】の2大定番を比較してみた「モナコ」&「カレラ」

人気のウオッチブランドには、必ず“定番”と称されるロングセラーモデルがラインナップされている。つねに注目を集めるこの“定番”について、WATCHNAVIの視点から評価し、その歴史から最新作の魅力まで解説する。本記事では、モーターレースと強い繋がりを持つ【タグ・ホイヤー(TAG HEUER)】の2大コレクションをピックアップ。

(左)「タグ・ホイヤー モナコ キャリバー ホイヤー02 クロノグラフ」、(右)「タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー02 スポーツクロノグラフ」

 

2つの”世界初”を成し遂げて1969年に誕生=モナコ

スクエアやトノー型で防水性を確保するのが技術的に難しかった時代に、世界で初めて角型防水ケースを実現した腕時計こそ、ホイヤー時代に発表した初代モナコだった。さらにこのモナコは、他社(ブライトリング、ハミルトン・ビューレン、デゥボア・デプラ)との共同開発によって完成した、こちらも世界初の自動巻きクロノグラフムーブメント「クロノマチック」こと「キャリバー11」を搭載。2つの“世界初”を成し遂げ、現在のタグ・ホイヤーコレクションの中でも特別なポジションにある。

映画『栄光のル・マン』で主演を務めたスティーブ・マックイーン。右腕にホイヤー モナコが確認できる

 

さらには、モータースポーツ好きを熱くした映画『栄光のル・マン』(1971年公開)において、主役のスティーブ・マックイーンが着用したことによっていちやく人気時計に。マックイーンがリスペクトするジョー・シフェール(1960年代~1970年代初頭にF1で活躍したスイス人レーサー)と同じドライビングスーツ一式を要求し、初代モナコを自ら希望して着用したという。このような伝説的エピソードを持つことも、傑作時計として称えられる条件のひとつだ。その後継機にあたる「タグ・ホイヤー モナコ」はオリジナルのデザインを再現しつつ、現代的なアップデートを遂げたクロノグラフとなっている。

 

レースのために生まれ、愛されたクロノグラフ=カレラ

モナコと双璧をなすのが、「タグ・ホイヤー カレラ」といえる。こちらもモータースポーツとの関係から発展してきたコレクションで、ホイヤー4代目のジャック・ホイヤー指揮のもと開発された。1950年代にメキシコで行われていたエキサイティングなレース「カレラ パン アメリカーナ メキシコ」に魅了された彼は、これをヒントにレーシングクロノグラフを発案。フランジに1/5秒目盛りを配するなど、レース中でも瞬時に読み取れるデザインが多くのレーシングドライバーから絶賛された。ちなみに「カレラ」はスペイン語で、“レース”という意味を持つ。

1950~54年に開催されていた「カレラ パン アメリカーナ メキシコ」

 

現行の「タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー02 スポーツクロノグラフ」は、以前よりもケースがスリム化されており、機能的なH型ブレスレットが組み合わされている。これにより腕馴染みがよく、見た目も手首がすっきりする。このモダンなケースに自社製造のキャリバー ホイヤー02を搭載。最大で約80時間のパワーリザーブを確保しているほか、優れた精度、メンテナンスのしやすさ、さらにはシースルーバックからの“見栄え”についてもこだわりが貫かれている。なお、「タグ・ホイヤー モナコ キャリバー ホイヤー02 クロノグラフ」も同型ムーブメントを搭載しており、ムーブメントのスペックは同等となる。

 

<タグ・ホイヤー モナコ>約20年ぶりにブレスレット仕様のブルーモナコが復活


「タグ・ホイヤー モナコ キャリバー ホイヤー02 クロノグラフ」 Ref.CBL2111.BA0644 89万6500円

1970年代製のモナコに備え付けられていたスチールブレスレットを、H型コマまで忠実に再現。アイコニックな角型ケースを継承しながら、自社製のキャリバー ホイヤー02を搭載することで約80時間駆動を可能にしている。初代モデル譲りのブルーダイアルにレッド針が映える。

スペック:自動巻き(自社製Cal.ホイヤー02)、毎時2万8800振動、約80時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース(シースルーバック)&ブレスレット。縦横39mm。100m防水。

 

<タグ・ホイヤー モナコ>の魅力まとめ

●2つの“世界初”を持って生まれたサラブレッド
●レース映画の金字塔『栄光のル・マン』でマックイーンが着けて伝説に
●高感度な人々に愛されるアヴァンギャルドな意匠

 

<タグ・ホイヤー カレラ>歴代カレラのエッセンスを現代的に再解釈


「タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー02 スポーツクロノグラフ」 Ref.CBN2A1B.BA0643 74万8000円

歴代カレラからスポーツ&エレガンスのDNAを受け継ぎ、2020年にデビュー。新ケースは短いラグで装着感を高め、ブラックPVDを施したリューズ&プッシュボタン、セラミック製タキメーターベゼルで都会的な雰囲気を演出した。

スペック:自動巻き(自社製Cal.ホイヤー02)、毎時2万8800振動、約80時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース(シースルーバック)&ブレスレット、セラミックベゼル。直径44mm。100m防水。

 

<タグ・ホイヤー カレラ>の魅力まとめ

●古き良き時代の趣ある名門レースの世界観を継承
●世界に認知されるタグ・ホイヤーの頂上モデル
●トゥールビヨンまで揃う機構的&デザイン的魅力

 

問い合わせ先:LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー TEL:03-5635-7054 https://www.tagheuer.com/jp/ja/ ※価格はすべて記事公開時点の税込価格です。

Photo/山口雅則