【オメガ】知名度も実力も二分する大定番「スピードマスター」＆「シーマスター」を比較

人気のウオッチブランドには、必ず“定番”と称されるロングセラーモデルがラインナップされている。つねに注目を集めるこの“定番”について、WATCHNAVIの視点から評価し、その歴史から最新作の魅力まで解説する。本記事では、宇宙から深海まで人類の開拓に寄与してきた【オメガ（OMEGA）】の2大コレクションをピックアップ。

（左）「シーマスター ダイバー 300M」、（右）「スピードマスター ムーンウォッチ マスター クロノメーター」

 

遂に「マスター クロノメーター」化を達成＝スピードマスター

時計に詳しくなくても一度は耳にしたことがあるだろう「スピードマスター」は、2021年にモデルチェンジを実施し、時計界を大いに盛り上げた。月面で着用された第4世代のデザインからインスピレーションを得た最新の「スピードマスター ムーンウォッチ マスター クロノメーター」は、非対称ケースやオメガのアプライドロゴ付きの段差を付けたブラックダイアルを採用。陽極酸化処理を施したベゼルのアルミ製タキメーターリングは、90の数字の上にドットが入ったレアポイント“ドットオーバー90”を採用している。

 

NASA（アメリカ航空宇宙局）が宇宙空間で唯一着用を認めている公式装備品というどんな時計も見劣りしてしまうであろう歴史、1957年の誕生時からタキメーターベゼルや横3つ目ブラックダイアルなど受け継いできた不変の意匠、そしてマスター クロノメーター化も果たした高機能と、現行モデルはそれらすべてが完璧で、スピードマスターファンにはたまらない隙のない一本となっている。

 

四半世紀の時を超えて進化を続けるダイバーズ＝シーマスター

マスター クロノメーターにアップデートされたといえば、シーマスターの定番モデルも第4世代（2018年登場）より認定を受けている。スペックアップの一方で、「シーマスター ダイバー 300M」はウェーブ模様入りのダイアルが復活し、経年変化に耐えるセラミック製となった。同じくセラミック製のベゼルは目盛りと数字をエナメルでくっきりと際立たせるなど、外装のレベルも美しく機能的に向上している。スケルトン針やインデックスが大型化して視認性も高められており、10時位置のヘリウムガス排出バルブを円錐形に変更して操作性を上げるなど、細部を徹底的に熟成。これだけの完成度で70万円台半ばの設定は、かなりお値打ちプライスといえよう。

 

もちろんストーリー性においても一流のものを持っている。1955年に300m防水の本格ダイバーズウオッチに生まれ変わったシーマスターは、様々な防水モデルを展開。海底探査や冒険の分野で活用され、そこで培った技術的ノウハウをフィードバックさせてきた。そのほか、もっとも有名なスパイムービー『007』シリーズで歴代ジェームズ・ボンドに着用され、スーツやタキシードに合わせるスタイリッシュなスタイルに魅せられた人も多い。

 

＜スピードマスター＞月面で時を刻んだ唯一無二のレジェンダリークロノグラフ

オメガ「スピードマスター ムーンウォッチ マスター クロノメーター」　Ref.310.30.42.50.01.002　99万円

1957年以来、基本デザインを継承する永久定番が2021年に大進化。ムーブメントの振動数に合わせて秒目盛りの刻みを1/5秒から1/3秒に改め、着け心地と剛性が向上させた新ブレスレットがセットされている。

スペック：手巻き（Cal.3861）、毎時2万1600振動、50時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース（シースルーバック）＆ブレスレット。直径42mm、厚さ13.18mm。50m防水。

 

 

＜シーマスター＞オメガの防水テクノロジーの粋を注ぎ込んだダイバーズ

オメガ「シーマスター ダイバー 300M」　Ref.210.30.42.20.03.001　74万8000円

1993年の誕生以来、進化を続ける定番ダイバーズが25年の節目、2018年にリニューアルを迎えた。およそ10年ぶりに復活したウェーブ模様はセラミック文字盤にレーザー加工で施し、セラミックベゼルの目盛りはエナメルで記されている。

スペック：自動巻き（自社製Cal.8800）、毎時2万5200振動、55時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース（シースルーバック）＆ブレスレット。直径42mm、厚さ13.56mm。300m防水。

 

 

問い合わせ先：オメガお客様センター　TEL：03-5952-4400　https://www.omegawatches.jp/ja/　※価格はすべて記事公開時点の税込価格です。

Photo／山口雅則