創業120周年を迎えた【オリス(ORIS)】が、世界限定2000本の特別モデル「グレートバリアリーフ リミテッドエディション Ⅳ」を発表した。価格は66万円(税込)で、売上の一部はオーストラリアの非営利団体「サンゴ礁復元財団」に寄付される。
特別なダイバーズウオッチで警鐘を鳴らす重大なサンゴ白化の危機
長らく海洋保全活動を続けているオリスが、グレートバリアリーフをテーマにした限定新作ウオッチを発表した。このモデルを通じてオリスが訴えかけるのは、グレートバリアリーフが陥っている危機的な状況である。オリスのリリースによれば、オーストラリア海洋科学研究所の報告でグレートバリアリーフ海洋公園のサンゴ礁の実に73%に白化現象が起きているとのこと。今年の3月には、水温の上昇によって発生した小さな藻に起因する大規模白化にも見舞われたというのだという。同じくリリース内には、「海洋全体の1%にも満たない面積のサンゴ礁が、海洋生物の4分の1の命を育んでいる」という、アメリカ海洋大気庁の発表も記載されている。近年の研究によれば、地球の酸素の70%は海洋の自然から供給されていることがわかっており、その一端を担うサンゴ礁の危機が地球の存続を左右することは想像に難くない。
こうしたサンゴの白化に対抗するべく2016年にオーストラリアで設立されたのが、「サンゴ礁復元財団」である。この団体は、グレートバリアリーフのサンゴの育成に注力しており、サンゴの復元や幼虫の拡散、育成などを行っている。この団体とオリスは2018年よりパートナーシップを組んでおり、2019年に最初のコラボレーションモデル(オリスとしてはグレートバリアリーフモデルの第3弾)を発表した経緯がある。
そして2024年は、新世代になったダイバーズウオッチ「アクイス」の自社製キャリバー400搭載モデルをベースに再び特別なタイムピースを製作。世界限定2000本で製作された300m防水ダイバーズは、ベゼルにタングステンインサートを用いたシルバー系の外装が特徴的。垂直方向に変化するブルーグラデーションの文字盤は、12時方向に中心を持つ放射状のサンレイ仕上げを施すことで、あたかも海に降り注ぐ太陽光を海中から眺めているような“サンゴ視点”の世界観を構築した。
もちろん、120時間パワーリザーブに高耐磁性能、日差-3〜+5秒の高精度など、300m防水性能のほかにも優れたスペックを持ち実用性は十分。キャリバー400なので、オーバーホール推奨期間が10年なのも嬉しい限り(防水テストは推奨期間5年)だ。製品自体も“マイオリス”に登録すれば保証期間は10年に延長されるなど、アフターサービスも申し分ない。決して安い時計ではないのは確かだが、海を愛する人であれば一度は実機に触れて海洋保全にかけるオリスの本気度を体感していただきたい。
問い合わせ先:オリスジャパン TEL.03-6260-6876 https://www.oris.ch/jp/ ※価格は記事公開時点の税込価格です。限定モデルは完売の可能性があります。
Text/WATCHNAVI編集部
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