<取材協力>
トミヤ(TOMIYA)
スイスの高級時計ブランド【IWCシャフハウゼン(IWC SCHAFFHAUSEN)】の魅力を堪能できる「IWC 神戸ブティック」がオープン3周年を迎え、先日、スペシャルゲストにオリックス・バファローズ所属の平野佳寿投手を迎えてのトークショーが開催された。平野投手の野球に対する想いや時間に対する考え方、そしてIWC愛などが語られ、ファンとの交流がなされたイベントは終始和やかな雰囲気に包まれていた。
IWCの魅力を発信して3年。西日本におけるIWCの拠点として地元から支持される存在に
日本国内の主要都市へのブティック展開を積極的に実施しているIWCが、交通のアクセスが良く、ショッピング、グルメ、観光の拠点でもある神戸・三宮にブティックをオープンしたのが2021年11月のことだった。以来、兵庫県内はもちろん県外からもIWC好きや時計に興味を持つ人、さらには観光客も訪れる人気店となっている。IWCが世界的に好調な理由もあるが、歴史的に独自の文化を育んできた神戸と伝統を重んじるIWCの親和性が高いことも、IWC 神戸ブティック固有の魅力といえるだろう。一流ブランドのブティックや洗練されたセレクトショップなどが軒を連ねる一角にあるこのブティックで、平野投手を招き、WATCHNAVI編集長水藤大輔が司会・聞き手役を務めたトークショーが行われた。
「IWC」という響きと波長が合い、以来その虜に
普段はVIP応接スペースとして使われているIWC 神戸ブティックの2Fにて行われた今回のイベントは、平野投手が同店を度々利用される顧客とのことで実現。来季に向けた自主トレーニングの合間を縫って駆けつけてくれた。京都産業大学を卒業後、オリックス・バファローズ(2006-2017)で先発・中継ぎ・クローザーとして10シーズン以上にわたって活躍。選出された2017 ワールド・ベースボール・クラシックでの好投も評価され、2017年のシーズン終了を持ってメジャーリーグ挑戦を表明し、アリゾナ・ダイヤモンドバックス(2018-2019)とシアトル・マリナーズ(2020)でプレー。2021年にオリックス・バファローズに復帰し、現在はチーム最年長選手として牽引している。「日米通算250セーブ&200ホールド」という、史上初の記録をさらに更新し続ける名投手は、IWCとの出会いを次のように語ってくれた。
(平野投手)「IWCに興味を持ったのは、まずその特徴のあるブランド名でした。IWC、何かのチャンピオンのようなその響きに惹かれ、実際に時計を手に取ってみると自分にしっくりとくる感触がありました。またIWCが創業した年(1868年)は、日本では明治維新がなされた年という歴史の観点から見ても魅力を感じましたね。そして最初に選んだのがアクアタイマーのクストーダイバーズで、サイズの大きさや個性的なフォルム、頑丈な作りが気に入ったことを今でも鮮明に覚えています」
これをきっかけに、今ではアクアタイマーのガラパゴス限定やポートフィノの8日間パワーリザーブモデル、直近では最新インヂュニアのアクア文字盤まで、IWCだけでも複数本コレクションされているという。中でもとくにお気に入りなのが、この日も着用されていた超レアな「アクアタイマー・パーペチュアル・カレンダー・デジタル・デイト/マンス」とのこと。
「良い成績を残したシーズンの自分へのご褒美として、気に入った時計を手に入れるということを楽しみとしていました。今では、成績に関係なく買っているんですけどね(会場からも笑み)。そうした中でも思い入れが強いのが、この永久カレンダーを備えたアクアタイマーです。アクアタイマーの力強いデザインが好きなことと、IWCの象徴的な機能で、夢のある永久カレンダーも気に入っています。さらに好きな映画『アクアマン』にも登場しているとのことで購入に至りました。しかもわずか50本の限定モデルというところ、“16”のシリアルナンバーを入手することができたことが嬉しくて(補足:オリックス・バファローズ所属時は、一貫して背番号16を着用)。この映画を観たときは、時計の登場シーンを夢中で探しましたね(笑)」
あくまでも、ご自身の感覚に合った時計をコレクションされているという平野投手。同じチームの選手たちとも、度々時計の話題で盛り上がるそうだ。
「チームメイトなら宮城大弥や山本由伸(現・MLBロサンゼルス・ドジャース所属)とも、時計について話すことがありますね。彼らも時計好きなので。自慢し合うのではなく、時計についての情報共有や“あの時計、どう思う?”といったコミュニケーションツールのひとつとなっています。気持ちを切り替えることが必要とされるプロ野球選手にとって、身に着けることができる時計はモチベーションツールとして役立っていますね。あらゆるシーンで登板できるように僕はあえてルーティンを設けていないのですが、それでもバッターを上手く抑えた日に着けていた時計には良いイメージがあるため、大事な試合の日にはその時計を着けて球場へ向かうことがあります(笑)」
“地味”で上り詰めた球界のレジェンドと「IWC」の親和性
試合の勝敗を左右するリリーフ投手は、プロ野球の中でも特段にプレッシャーがかかる。常に平常心と闘争心を持って試合に臨み、抑えれば評価は当然、打たれてしまったら責任を負う立場にある。その極限の境地の中、平野投手にとってIWCは特別なポジションにあるようだ。
「僕は“一所懸命”を座右の銘としていて、集中するときには集中する、休むときには休むということを徹底し、コツコツと積み重ねることを大切にしてきました。『地味を笑うな』(ワニブックス刊)というタイトルの書籍を出版させてもらったのですが、その“地味”とは、派手の裏返しの性格を意味しているとともに、“地道に”をかけているのです。自分のキャリアを振り返ると、地味ではあるかもしれませんが地道にやってきたことで、今がある。華やかな選手も多いプロという舞台で投げ続けることができているのは、地味を自覚して通してきたからでしょう。野球をやっている子たちにも、僕のような選手が居ることを知ってもらえたら嬉しいですね」
MLBでもブルペンを支えた平野投手は、渡米後も応援してくれたファンや気にかけてくれたチームへの恩返しとして、古巣オリックス・バファローズへの帰還を選択した。まさにその人柄や哲学が感じられるエピソードである。最後に、当日ブティックに用意されていた時計の中で気になったモデルを紹介してくれた。
「そうですね、迷うなぁ。インヂュニアなら、最新のブルーも気になりますがアクアを持っているためチタン製モデルが気になりますね。ジェラルド・ジェンタさんがデザインした時計が大好きなんです。とても軽いですし、グレーの色味も凄く合っていると思います。すでに所有していますが永久カレンダーも好きなので、落ち着いたカラーのモハーヴェ・デザートのビッグ・パイロット・ウォッチや、カラーが魅力的なポルトギーゼの新作にも惹かれています。こうしてデザインや色使いが様々で、素材のバリエーションもあるIWCのコレクションを見ていると、本当に時間を忘れて集中してしまいますね。来シーズンに向けて、どれか購入したいなぁ(笑)」
オリックス・バファローズ在籍中のプレイヤーで、名球会への入会資格(日米通算で2000安打、200勝、250セーブのいずれかに該当)を得たのは平野投手が初であり、快挙といえる。ご自身は、これからも変わらず自分のできることをコツコツと積み重ねていくだけ、と“地味”を貫くが、そこには並々ならぬストイックな姿勢と物事の本質を究めた背景がある。そしてレジェンドから選ばれるIWCもまた、控えめながら本質をついた偉大な時計ブランドと表現できるだろう。
平野投手が気になったモデル①「インヂュニア・オートマティック 40」
文字盤にユニークなグリッドラインやアプライドインデックスを配し、立体感を際立たせた新世代のインヂュニア。ブレスレット一体型ケースの革新的デザインに、ベゼルを固定する5本の多角ネジやリューズガードを新たに設けた。ポリッシュとサンドブラストで入念に仕上げ分けされたグレード5チタン外装の本機のほか、平野選手も所有するステンレススチールモデルのバリエーションもラインナップ。
スペック:自動巻き(自社製Cal.32111)、毎時2万8800振動、120時間パワーリザーブ。グレード5チタンケース&ブレスレット。直径40mm、厚さ10.8mm。10気圧防水。
平野投手が気になったモデル②「ビッグ・パイロット・ウォッチ・パーペチュアル・カレンダー・トップガン “モハーヴェ・デザート”」
IWCが開発したカラーセラミックケースを使った永久カレンダーモデル。アメリカ海軍戦闘機兵器学校、通称「TOPGUN」をイメージして開発された本機は、チャイナレイク海軍航空兵器基地があるモハーヴェ砂漠に着想を得たサンドカラーを纏う。ケース裏側からは、18Kゴールド製メダルを配したローターやペラトン自動巻き機構が特徴の繊細なマニュファクチュールムーブメントを鑑賞できる。
スペック:自動巻き(自社製Cal.52616)、毎時2万8800振動、168時間パワーリザーブ。セラミックケース(シースルーバック)、布製インレイ付きラバーストラップ。直径46.5mm、厚さ15.5mm。6気圧防水。
平野投手が気になったモデル③「ポルトギーゼ・パーペチュアル・カレンダー 44」
夜空をサンバースト仕上げのブラック文字盤で、黄金の光を放つシャフハウゼンの夜景を18 ct Armor Gold®のケースで表現したエレガントな「オブシディアン」に、永久カレンダー機能を備えるIWC自社製造のキャリバー52616を組み込んだラグジュアリーピース。西暦・月・日・曜日の各カレンダーに加えて、南北両半球に対応したダブル・ムーンフェイズ、7日間パワーリザーブの表示を配する。
スペック:自動巻き(自社製Cal.52616)、毎時2万8800振動、168時間パワーリザーブ。18 ct Armor Gold®ケース(シースルーバック)、サントーニ社製アリゲーターストラップ 。直径44.4mm、厚さ14.9mm。5気圧防水。
〈IWC 神戸ブティック〉
住所:兵庫県神戸市中央区三宮町3丁目1-4
TEL:078-333-1038
営業時間:11:00~19:30
定休日:水曜
IWCシャフハウゼン公式サイト https://www.iwc.com/jp/ja/home.html
※価格は記事公開時点の税込価格です。
Text/山口祐也(WATCHNAVI) Photo/鈴木謙介
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