本格MIL-SPECウオッチシリーズを輩出する「ルミノックス」の世界初の旗艦店で感じたミリタリー×モダンの指針。高機能カーボンケースや機械式ムーブメントで“大人な”スイスメイドブランドへと進化中

<取材・撮影協力>
ルミノックス(Luminox)

アメリカ軍採用のミリタリーややアウトドアに最適な時計を多数展開している【ルミノックス(Luminox)】は、1989年にアメリカ合衆国ニュージャージー州で創業され、現在ではスイスに拠点を移し、スイスメイドの高品質なコレクションを生産している。そのルミノックスが今回、東京・南青山に新たなフラッグシップショップを8月にオープンした。従来とは一線を画す新しいコンセプトを取り入れたこの「ルミノックス ラウンジ」から、ブランドの新たな魅力を発信していくこととなる。

本記事では、日本においてルミノックスの普及に尽力されているキーパーソン、椎名さんに話を伺いながら同店と最新コレクションの魅力について紹介する。

新たな旗艦店に「ラウンジ」と名付けた理由

 

ルミノックスは2001年に日本に上陸し、ミリタリー愛好者、ファッション関係者、さらにはバイカーなどを中心に、機能的かつファッショナブルな時計として高い評価を得てきた。当初は、「ネイビーシールズ」というコレクション名から想像できる通り、海軍や軍用といったイメージが先行するブランドだったが、元イギリス陸軍特殊部隊SASの隊員で、現在はディスカバリーチャンネルでサバイバル術を教授する冒険家として知られるベア・グリルスと公式パートナーシップを締結するなど、最強のサバイバルウオッチブランドとしての地位も築いている。そのような背景もあり、アドベンチャー好きやアウトドアライフを満喫する人々から絶大な信頼を得ている。

さらに、スイスの時計ブランド「モンディーン」をパートナーとしたことで、本格的なスイスメイドブランドとしてスタートを切った。これにより、高水準のマテリアル、ヨーロッパの雰囲気を感じさせる洗練のデザイン、そしてスイスメイドのムーブメントが広く採用されるようになり、ブランドとしてもステータスがアップ。実用性、耐久性、コストパフォーマンスを重視したアメリカブランドらしい設計思想を継承しつつ、スイスのトレンドや環境に配慮したコレクションを次々と発表している。


↑日本におけるルミノックスのナビゲーターとして活躍する、ルミノックス日本総輸入元である株式会社リベルタの時計営業部の椎名部長。

 

(椎名さん)「ルミノックスの強みといえば、やはり『ルミノックス・ライトテクノロジー』や『カーボンケース』、『200m防水以上』といったタフな作りとなります。そのようなタクティカルなコンセプトの中で、多様な価値観のもとに時代に合わせてコレクションを進化させてきました。それでも厳しい環境の中でプロフェッショナルに選ばれる時計であるという本質は、現在も変わらず持ち続けています。

今回オープンした『ルミノックス ラウンジ』は、日頃からルミノックスを愛用してくださっているファンの皆様に、さらに親しみを持ってもらえるような空間を提供するべく、オープンすることとなりました。もちろん、ルミノックスをご存知ない方にも、気軽に立ち寄ってもらえるようなショップとしていく方針です。南青山というファッショントレンドの発祥地から、“ちょっと気になるな”と思ってもらえる店舗となっています」

店舗に入ってまず目を引くのが、ミリタリーテイストとは対極ともいえるモダンなインテリアだ。コンクリート打ちっぱなしの無機質な内壁をあえて残し、目に入る情報を時計に集中させるような洗練された空間が広がる。ここに常時100モデル以上が展示されているが、展示数の多さを誇示する雑多な設えではなく、各展示スペースは余裕が保たれ、訪問者にゆったり、そしてじっくりと時計選びに集中できる環境が整えられている。

「ルミノックスユーザーにとっての“大人の空間”を意識した内装作りとしました。昨年、ルミノックスは35周年を迎え、日本でも多くの方々に愛されるブランドにまで成長しました。この店舗は、これまで支えてくださったファンの皆様への感謝の気持ちを形にするとともに、ともに年齢を重ね、“大人”へと成長してきた“仲間”が集う場所とすることを目的としています。だからこそ、仲間同士であられたり、スタッフともゆっくり会話を楽しんでいただきやすいコミュニケーションの場、すなわち『ラウンジ』としているわけです」


↑ルミノックスに必ず搭載されている「ルミノックス・ライト・テクノロジー」の機能を体感できる、ブラックライトのインタラクティブな展示も用意。こうしたユニークなインテリアのほか、ミリタリーの歴史を語るオブジェ、貴重な書物などをさり気なく設置し、ブランドの世界観を演出しているのもルミノックス ラウンジの特徴のひとつ。

 

では、2003年にアジア初となる直営店として生まれ、これまでブランドを牽引してきたルミノックス東京(東京都渋谷区渋谷1丁目22-1 CHビル 1F)との違いとは?

渋谷のキャットストリートにあるルミノックス東京ももちろん継続ですので、引き続きご愛顧いただきたく存じます。ルミノックス東京は、ブランドのルーツであるミリタリーやタクティカルの趣向を凝らしたこれまで通りの店舗として、ラインナップもこれに準じたものとなりますし、ルミノックス ラウンジとともに新作や限定モデルがいち早く入荷する直営店となります。また、ルミノックス東京はミュージアム的な機能も持たせてブランドの魅力を発信していきます。ですので、こちらのルミノックス ラウンジとは差別化されております。たとえば、ローテーブルとローソファーは、くつろぎの空間を店舗とするルミノックス ラウンジだからこその設えですし、時計を収めている什器も気を使った優しい印象を与えるものとしています。そして今後は、ルミノックスオーナーズクラブの皆様をお招きする特別な イベントも計画中です」


↑こだわりのインテリアもルミノックス ラウンジの見どころ。これらの中にはオフィシャルの小物もあるが、ルミノックスを知り尽くす椎名さんがこの店舗のために直々に収集したアイテムもある。だからこそ、ミリタリーとモダンが程よくミックスされたルミノックス ラウンジが成立している。

 

タクティカルとラグジュアリー。相反する要素をあえてミックスし、独自の世界観を築き上げつつあるルミノックス。ルミノックス ラウンジでは新鮮なそのスタイルを味わえるわけだが、当然、最新のコレクションもこれにあてはまる。椎名さんが今、とくに推したいというモデルを3つセレクトしてくれた。

ルミノックスの原点回帰モデル「MIL-SPEC 3350シリーズ」の新色

 

Luminox ブランドといえば、やはりミリタリーテイストは外せない大きな要素です。その中で、オリジナル ネイビーシールズ 3000シリーズのDNAを受け継ぐのが、原点回帰モデル『MIL-SPEC 3350シリーズ』です。

最新作は、北極圏の冒険をイメージしたホワイトの新カラーが登場しました。アメリカ国防総省の厳しい基準“MILスペック(MIL-PRF-46374G TYPE III CLASS 1)”に準拠しており、軍用レベルの耐久性・防水性・信頼性を備えた本格派となります。

とはいえそれだけではなく、ラバーストラップのホワイトはトレンドのひとつともいえますし、これまで培ってきたカーボン素材技術から生み出された独自のCARBONOX™+ケースを採用することで、強度と軽量化を計っています。これら複合的な要素から洗練されたデザインが生まれ、ルミノックスの王道を最新仕様で楽しんでいただける一本となっています」


「Luminox MIL-SPEC 3350 シリーズ」 Ref.3359.SET 15万7410円

スペック:クオーツ(Cal.ETA F06.412)、ヘビードライブ(衝撃耐性)、プレシドドライブ(年差±10秒の高精度)、秒針ハック機能付き、バッテリー寿命約7年。 CARBONOX™+ケース、ラバーストラップ(交換用ウェビングストラップが付属)、チタンベゼル(逆回転防止機能付き)、サファイアクリスタルガラス風防(無反射コーティング)。直径46mm、厚さ14mm。30気圧/300m防水。2025年8月1日リリース。

 

「Luminox MIL-SPEC 3350 シリーズ」の詳細はコチラ>>>

 

ラグジュアリー化を進めた機械式ダイバーズに注目

 

「現在のラインナップにおいて、機械式のニーズが年々高まっています。それはルミノックスが時計好きの方にクオリティを認めていただいている証でもありますし、著しい時計の値上げ中で適正な価格帯の維持に努めている点も評価されてのことと認識しています。そのような理由から、初めて所有する機械式時計の候補として、ルミノックスが選ばれています。

中でも『パシフィック ダイバー』に登場した自動巻きモデルは、海でも街でもご使用いただける万能タイプのコレクションとして人気です。316Lステンレススチールのケースは外装仕上げにもこだわっており、高級感があるためスーツやジャケットとも相性が良く、さり気ない波模様のテクスチャーダイアルで、海を感じさせるデザインとなっています。ウィークデイはオフィスで、週末は趣味のダイビングやマリンスポーツにアクティブな方にも最適ですし、タフな機械式時計をお探しの方にも打ってつけのモデルといえます」


「Luminox パシフィック ダイバー オートマティック 3100 シリーズ」 Ref.3101.HERITAGE.SET 24万6510円

スペック:自動巻き(Cal.SELLITA SW200-1)、毎時2万8800振動、約38時間パワーリザーブ。316Lステンレススチールケース(シースルーバック)、ラバーストラップ、セラミックトップベゼル(逆回転防止機能付き)、サファイアクリスタルガラス風防(無反射コーティング)。直径42mm、厚さ13mm。20気圧/200m防水。

 

「Luminox パシフィック ダイバー オートマティック 3100 シリーズ」の詳細はコチラ>>>

 

また、ルミノックスの特色であるカーボンケースを用いた機械式時計も存在している。

「機械式ムーブメントを搭載するモデルとしては、『マスターカーボンシール』も度々ご案内するコレクションです。ネイビーシールズとの長きにわたるパートナーシップを象徴するCARBONOX™+ケースに、スイス製の自動巻きムーブメントを搭載しています。ルミノックスのフィロソフィーを感じていただきながら、道具を愛でるような感覚を楽しんでいただける機械式の醍醐味を味わっていただけるコレクションとなっています。CARBONOX™+によるブラックケースと、ボーダーデザインのダイアルデザインで、新しいファンを獲得するきっかけを作るコレクションとなっています」


「Luminox マスターカーボンシール オートマティック 3860 シリーズ」 Ref.3862 19万1290円

スペック:自動巻き(Cal.SELLITA SW220-1)、毎時2万8800振動、約38時間パワーリザーブ。CARBONOX™+ケース(シースルーバック)、ラバーストラップ、CARBONOX™+ベゼル(逆回転防止機能付き)、サファイアクリスタルガラス風防(無反射コーティング)。直径45mm、厚さ14mm。20気圧/200m防水。

 

「Luminox マスターカーボンシール オートマティック 3860 シリーズ」の詳細はコチラ>>>

 

ルミノックス ラウンジを訪れ、最新コレクションを体感すべし

機能においてもデザインにおいても大きく飛躍してきたルミノックスは現在、機械式コレクションのシェアを拡大させたこともあり、ラグジュアリーウオッチの愛好家からも広く求められるブランドとなった。もちろん熱狂的なルミノックスコレクターも健在だが、2本目や3本目の趣味の時計として選ばれるといったケースも増えてきたわけだ。そこで重要となるのが、アフターサービス。これがブランドの信頼性を左右することとなるが、ルミノックス ラウンジでは購入時に上質な体験を提供するだけではなく、電池やストラップの交換から修理、オーバーホールまで、メンテナンスに関する受け付けの拠点としての役割も担うこととなる。

ブランドの新たな方向性を示し、特別な設えで迎え入れてくれるルミノックス ラウンジ。このコンセプトや高級感と落ち着きのあるブースは、これから全国のルミノックス正規取り扱い店へと順次展開されるとのこと。すなわち、その最先端のいち早く体感できるのがルミノックス ラウンジであり、訪問する価値がある。

 

〈ルミノックス ラウンジ〉

TEL:03-6427-3212
住所:東京都港区南青山5丁目9番10号 1F(表参道駅B1出口より徒歩2分)
営業時間:11:00~20:00
定休日:不定休

https://luminox.jp

※価格は記事公開時点の税込価格です。限定モデルは完売の可能性があります。

Text/山口祐也(WATCHNAVI編集部) Photo/吉江正倫(時計)、鈴木謙介(店舗インタビュー)

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