〈インタビュー〉タグ・ホイヤーが宣言する「クロノグラフイヤー」。先駆者としての誇りを体現すべく、まずは潮汐計を備えた名作「シーファーラー」を蘇らせる

スイスの高級時計ブランド【タグ・ホイヤー(TAG HEUER)】は2026年を「クロノグラフイヤー」と位置づけている。昨年のF1公式計時への復帰を機に、クロノグラフの先駆者としての歴史を世界へ再発信する構えだ。その先陣を切るのが、1968年の名作クロノグラフに着想を得た潮汐計搭載の「タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ シーファーラー」である。時計愛好家の心を強く惹きつける注目のニューモデルについて、プロジェクトのキーマンへのインタビューが実現した。

2026年のLVMH ウォッチ ウィークの開催に伴い、タグ・ホイヤーから筆者へインタビュー機会をいただいた。相手はヘリテージ・ディレクターのニコラス・ビーブイック氏である。

「この新作のことは何時間だって話せますよ(笑)」


↑タグ・ホイヤー ヘリテージ・ディレクター ニコラス・ビーブイック(NICHOLAS BIEBUYCK)氏/英国出身で、過去にはボナムズやクリスティーズのシニアスペシャリストを経験。ビンテージ時計業界のエキスパートとして知られていた。2021年にタグ・ホイヤー入社。現職に就任した。

 

さっそくニコラス・ビーブイック氏に2026年の狙いを聞くと「2026年はクロノグラフイヤーにする」のだという。その計画はいつ頃決めたのだろうか。

(ニコラス・ビーブイック氏)「9か月ぐらい前からスタートしました。悲願だったF1公式計時の復帰も叶いましたし、タグ・ホイヤーがクロノグラフの先駆者であることを伝える、このうえないタイミングだと考えたんです。そもそもタグ・ホイヤーの歴史を遡ると、1880年の文献でエドワード・ホイヤーがクロノグラフのスペシャリストである旨の記載が確認できました。読者の皆さんならご存知の振動ピニオンの開発もそうですし、それ以降も幾度となく重要な発明で機構の発展に貢献してきました。何より、ホイヤー時代の1958年から1978年までの20年間は、クロノグラフしか作ってこなかったんですよ。そうした歴史を改めて世界に発信していく予定です」


↑9時位置の潮汐計は側面のTIDEボタンで設定すれば、次の満干潮の予想時刻が把握できる

 

まさに新作「タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ シーファーラー」は、クロノグラフに注力していた20年の間に誕生したオリジナルがベースとなっている。だが、潮汐計は当時としてもかなり意外性がある。

「当時、ホイヤー社と繋がりのあったアバクロンビー&フィッチからの要請でした。はじめは海のないスイスには関係ない機能と考えたようですが、当時のセレブの間で流行していたマッシュルームハンティングにも活用できることがわかり、開発を始めたようです。これがのちにマレオグラフとして結実するのですが、詳細に話していくと何時間でも話すことができてしまいます。どうしますか?(笑)」


↑伝統的なグラスボックスの風防デザインとも好相性。

 

今回は時間がなく、しぶしぶ話をクロノグラフイヤーに戻す。これからどのようなプランを描いているのだろうか。

「残念ながら詳細はお伝えできません。ただ、4月にビッグローンチを控えていますし、その後も1年を通じてクロノグラフの新作ばかり発表する予定があります。きっと読者の方にも楽しんでいただけると思いますよ」


タグ・ホイヤー「タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ シーファーラー」 Ref.CBS2016.EB0430 127万500円

1968年に発表したRef.2446C“ シーファーラー”に着想を得たタイドグラフ搭載のクロノグラフ。ティールとイエローを組み合わせたレトロ感のある文字盤と、ベゼルレスの外装デザインが個性を主張する。ビーズオブライスブレスも印象的。

スペック:自動巻き(Cal.TH20-04)、毎時2万8800振動、80時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース(シースルーバック)&ブレスレット(交換用スポーツストラップが付属)。直径42mm、厚さ14.4mm。100m防水。

 

問い合わせ先:LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー TEL.03-5635-7054 https://www.tagheuer.com/jp/ja/

◎本記事は『ウオッチナビ 2026 Spring Vol.101』より抜粋・編集しています。価格は記事公開時点の税込価格です。限定モデルは完売の可能性があります。

Text/Daisuke Suito (WATCHNAVI)

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