フランスのエマニュエル・マクロン大統領が日本に公式訪問した際、日本の天皇陛下に腕時計が献上されたという。その時計が、フランス時計製造技術の最高峰に位置するマニュファクチュール・ペキニエのユニークピース「アティテュード・インペリアル」であることが、同社によって明かされた。果たしてどのような時計なのか、詳しく見ていきたい。
フランスの強さを象徴する樫の木と日本の優雅さを象徴する桜を文字盤に描く
「フランス無形文化財企業」でもある高級時計ブランドのペキニエ・マニュファクチュールは、独自性に富んだ自社製ムーブメントの開発でも知られ、かつて時計産業の中心地がフランスであった時代の栄光の復権を一手に引き受けている存在だ。天皇陛下に献上された腕時計も、自社製ムーブメント「カリブル イニシャル」を搭載。この自動巻きムーブメントは、すべての部品がモルトーにある製造拠点半径80km圏内で生産されており、そのうち72%がフランス産である。

大統領からオーダーを受けたペキニエ・マニュファクチュールは、複数のユネスコ世界遺産でも知られる時計製造の中心地、スイス国境沿いにあるフランシュ=コンテ地方の職人技を結集。「ラ・プラティーク」の工房で製作されたブルースチール製の針、「ジャン・ルソー」が仕上げたアリゲーターストラップ、そしてエトゥイ社による専用プレゼンテーションボックスなど、すべてにおいて最上級の仕様を詰め込んだ。

なお、両国を表す樫の木と桜の木が描かれた文字盤は、アーティストのフィリップ・ジャカン=ラヴォのミニアチュールペインティングによるもの。6時側にある「Chronomètre Certifié」の文字は、この時計が世界最高水準の時計精度を示す、ブザンソン天文台にてクロノメーター認定を取得したことを示している。

こうしたフランス高級時計製造の粋が凝縮した由緒正しき「メイドインフランス」の腕時計を作り出せるのは、確かにペキニエ・マニュファクチュールをおいて他にはないだろう。1973年に時計師エミール・ペキニエが設立してから、その歴史は50年以上に及ぶ。さらに2010年にはマニュファクチュール(自社一貫製造)体制を構築。いまや最上位の複雑機構とされる「トゥールビヨン」まで作り出す技術力を有したブランドだからこそ大統領も特別オーダーをしたに違いない。

普段はブランドのシンボルである「フルール・ド・リス」が入るリューズやバックル、ムーブメントのローターに置き換えられた、フランス共和国のイニシャル「RF(République Française)」は、疑う余地のない大統領からの信任の証だ。

ちなみに4月2日より、この限定モデルのレプリカがパリのフォーブール・サン・オノレ通り88番地、エリゼ宮の向かいに位置するメゾン・エリゼ美術館に展示されているとのこと。もし、渡仏されることがあれば足を運んでいただきたい。

Text/Daisuke Suito (WATCHNAVI)
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