ルーローブレスを含めて完全一体型デザインへと進化【ブライトリング】新生クロノマットが再びカルチャーを牽引するクロノグラフとなる

スイスの高級時計ブランド【ブライトリング(BREITLING)】が本日(2026年5月19日)、全世界同時で「クロノマット」のニューモデルを発表した。「ナビタイマー」と並ぶ同社のフラッグシップコレクションのリニューアルとあって、世界的な注目を集めることは間違いない。本稿では、その輝かしい歴史を振り返りながら、最新作の魅力について解説する。


偉大なる機械式クロノグラフの軌跡

クロノマットのルーツは1983年、イタリア空軍のアクロバット飛行チーム「フレッチェ・トリコローリ」に向けて開発された“プロフェッショナルのための計器”に遡る。7G以上におよぶコックピット内の過酷な環境に耐えうる堅牢性を備えつつ、オフタイムにもスマートに着用できる洗練された意匠は、実用計器とラグジュアリーを見事に融合させていた。

翌1984年、ブライトリングの創業100周年という節目に「クロノグラフ」と「オートマチック」を掛け合わせた、すなわち「クロノマット」の名を冠して、一般市場へデビューを果たす。本機のポテンシャルをいち早く見抜いたのが、当時のイタリア代理店代表であり、元プロラリードライバーの経歴を持つルイジ・マカルーゾであった(彼は後にジラール・ペルゴの経営権を取得し、ブランドを飛躍させた人物でもある)。彼の力強いバックアップにより、クロノマットはまずミラノやローマの伊達男たちの間で確固たる地位を築いていった。

その熱狂は、バカンスに訪れたアメリカ人観光客を通じて大西洋を渡り、1990年代にはポップカルチャーの象徴として席巻することとなる。アメリカでは『フレンズ』や『となりのサインフェルド』といった国民的ドラマで登場人物の腕を飾り、日本での機械式時計ブームを牽引した。さらには人気漫画『賭博黙示録カイジ』の作中で物語を動かすキーアイテムとして描かれたこともある。また、複数のミシュラン星を獲得した世界的シェフのゴードン・ラムゼイ、実業家にして政治家、プロサッカークラブ「オリンピック・マルセイユ」のオーナーも務めたベルナール・タピ、フランスを代表する名優ジャン=ポール・ベルモンドら、各界の寵児たちがこぞって愛用。US版『ヴォーグ』誌から「90年代を代表する時計」と絶賛されるなど、時計史のみならずカルチャー史にもその名を深く刻み込んだ。

現代のニーズに応えつつ、オリジナルのコンセプトを失わない

この伝説的「クロノマット」が再び大きな転換点を迎えたのが、インハウス・デザインチームによる2020年の再解釈である。1980年代の意匠をルーツとしながら、よりスリムで現代的なケースプロポーションを獲得し、象徴的な「ルーローブレスレット」を復活させた。

そして今回、その強固な基盤の上にさらなる刷新が図られた。サファイアクリスタル風防を保護し優れた操作性を発揮する4箇所の「ライダータブ」や、独特の筒状コマがシームレスな装着感を生み出すルーローブレスレットといったアイコニックな意匠を継承しつつ、現代のニーズや審美眼にかなう緻密なアップデートが施されている。最大のトピックは、従来のセミインテグレーテッド仕様から「インテグレーテッドデザイン(完全一体型デザイン)」への進化だ。一般的にケースとブレスレットの一体化はストラップの交換を制限するが、本作はラグをケース内部へと格納する独自の設計を採用。ラグジュアリースポーツウオッチならではの流麗で美しい連続性を保ちながら、ストラップの換装を可能にしている。外から見えるピンが廃止されたことも、視覚的に大きな効果をもたらしている。

また、外装の構造的な進化も目覚ましい。ステンレススチールおよびツートンモデルのルーローブレスレットには、隠しバタフライクラスプ(ブライトリングロゴを刻印)の両側でそれぞれ2mmずつ延長できる特許取得の微調整(マイクロアジャスト)機構を追加。時計を着用したまま、気温や気圧の変化による手首のサイズ変動にスマートに対応できる。さらにクロノグラフのベゼルは、従来の18パーツの構成から、リング、インサート、ライダータブ、ビスを一体化させた単一構造へと変更され、堅牢性の向上とともに読み取りやすく、スタイリッシュになった。

ラインナップは、自社製キャリバー搭載のクロノグラフ「クロノマット B01 42」、最新の自社製ムーブメントを積む3針モデル「クロノマット B31 40 オートマティック」、そしてレディス向けの「クロノマット 36 オートマティック」の3型で展開される。それぞれに多彩なダイアルカラーや外装マテリアル、ダイヤモンドセッティングのバリエーションが用意されており、ユーザーのライフスタイルに合わせた選択が可能だ。

ブランドのレガシーと現代の高度な時計製造技術を融合し、さらなる高みへと到達した新生クロノマット。再び世界的なセンセーションを巻き起こすのか、その反響が楽しみでならない。

 

ブライトリング「クロノマット B01 42」 Ref.AB0158101A1A1 138万500円

力強いデザインと洗練されたエレガンスが融合した万能なクロノグラフがリニューアル。一見すると従来モデルからの変更点は少ないように見受けられるが、ライダータブがベゼル一体型に変更されたほか、ルーローブレスレットのアップデートなど、アイコニックなディテールにも手が加えられている。

スペック:自動巻き(Cal.ブライトリング01)、毎時2万8800振動、約70時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース(シースルーバック)&ブレスレット。直径42mm、厚さ13.77mm。20気圧防水。

 

ブライトリング「クロノマット B31 40 オートマティック」 Ref.AB3114101C1A1 94万6000円

これまで40mm径のクロノマットはGMT機能を備える4針式だったが、今作では同社初のマニュファクチュール3針ムーブメント「キャリバーB31」を搭載するモデルとして刷新。強力なパワーリザーブを誇りながら、薄型設計と新ブレスレットが相まって心地良い装着感を実現。

スペック:自動巻き(Cal.B31)、毎時2万8800振動、約78時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース(シースルーバック)&ブレスレット。直径40mm、厚さ10.99mm。20気圧防水。

 

ブライトリング「クロノマット 36 オートマティック」 Ref.U10320591Q1U1 177万1000円

アクセサリー感覚で楽しめるルーローブレスを備え、男女問わず人気の自動巻き36mmモデルも進化。ケースからブレスへの流麗な一体感が増し、より洗練されたフォルムに。ブラウン文字盤のコンビモデルは、ベゼルに36石のダイヤが輝くラグジュアリーな一本だ。

スペック:自動巻き(Cal.B10)、毎時2万8800振動、約42時間パワーリザーブ。ステンレススチール+18Kローズゴールドケース(シースルーバック)&ブレスレット。直径36mm、厚さ9.68mm。10気圧防水。

 

問い合わせ先:House of Brands Japan TEL.0120-105-707 https://www.breitling.com/jp-ja/ ※価格は記事公開時点の税込価格です。

Text/山口祐也(WATCHNAVI編集部)

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