スイスの独立系ウオッチブランドである【オリス(ORIS)】が、20世紀を代表するアメリカの野球選手、ルー・ゲーリッグの生き方と精神、そして彼が向き合ったALS(筋萎縮性側索硬化症)への理解と支援を継承するためのチャリティーウオッチ「ルー・ゲーリッグ リミテッドエディション」を発表。価格は48万4000円。2130本の限定生産となる。
“アイアンホース”として知られたルー・ゲーリッグ
ルー・ゲーリッグは、MLB(メジャーリーグベースボール)のニューヨーク・ヤンキースで活躍し、2130試合連続出場という不滅の記録を打ち立てた“アイアンホース(鉄人)”として知られる存在だ。1939年、ALSを患っていることを公表し、同年7月4日の引退スピーチでは、自身の境遇を受け入れながらも前向きな言葉を残した。その姿勢は、競技成績以上に多くの人々の記憶に刻まれている。彼の死後、妻エレノアとともに設立された「ルー・ゲーリッグ&エレノア・ゲーリッグ家族財団」は、公衆衛生や社会的課題への支援を軸に非営利活動を継続しており、「ルー・ゲーリッグ リミテッドエディション」はその活動を可視化する象徴的なプロダクトとして企画された。
本機のベースとなったのは、オリスを代表するパイロットウオッチ「ビッグクラウン ポインターデイト」だ。クラシカルな航空時計由来のDNAを持つこのモデルに、ゲーリッグの物語を丁寧に重ね合わせている。シルバーカラーのダイアルは落ち着いた表情を見せ、視認性に優れたアラビア数字インデックスを採用。文字盤外周に配されたデイトリングはカレンダーの「4」の数字だけが鮮やかなブルーで彩られているが、これは彼が着け、現在はニューヨーク・ヤンキースの永久欠番となっている背番号へのオマージュだ。ケースは直径40mm、厚さ12.2mmという絶妙なバランスにより、クラシックな佇まいと日常使いの実用性を両立。マルチピース構造のステンレススチールケースに、両面ドーム型サファイアクリスタルを組み合わせ、内面には無反射コーティングを施すことで文字盤の視認性を高めた。防水性能は5気圧を確保し、ヴィンテージ感のある意匠に反して実用時計としての基本性能も十分に備える。
ゲーリッグの連続試合出場記録にちなんだ限定生産数
時計の心臓部には、自動巻きムーブメント「キャリバー 754」を搭載。センター時分秒針に加え、ブランドを象徴するポインターデイト表示を備え、約41時間のパワーリザーブを有するムーブメントだ。また、ケースバックには本機が2130本限定であることを示す刻印が施されるが、この本数自体がゲーリッグの連続試合出場記録への直接的なオマージュとなっている。ストラップはブラウンレザーに加え、ブルー、ホワイト、グレーを基調としたNATOストラップも付属。付け替え用ツールも同梱され、スポーティな装いからクラシックなスタイルまで幅広く対応することでき、こうした実用面への配慮も本機の隠れた魅力のひとつといえるだろう。
オリスはこれまでも、牡蠣の再生を目的とした「ビリオン・オイスター・プロジェクト」を支援する「ニューヨークハーバー・リミテッドエディション II」や、世界最大級の干潟を擁するワッデン海の保護・保全を啓発するために開発された「ダットワット リミテッドエディション」など、社会的課題への関与を具体的なプロダクトとして提示してきた。本機もまた、そうした系譜に連なるモデルだが、社会的メッセージを前面に押し出すだけの存在には留まらない。機能性や造形の完成度においても、長年ブランドを支持してきたファンが納得できる水準を確保している点は特筆すべきだ。思想と実用、理念とプロダクトの質を高次元で融合させたタイムピースとして、多くの時計ファンの琴線に触れることは間違いないだろう。
オリス「ルー・ゲーリッグ リミテッドエディション」 Ref.754 7785 4091-Set 48万4000円/自動巻き(Cal.754)、41時間パワーリザーブ。ステンレススチール製ケース、ブラウンレザーストラップ(NATOストラップ付属)。直径40mm、厚さ12.2mm。5気圧防水。世界限定2130本。
問い合わせ先:オリスジャパン TEL.03-6260-6876 https://www.oris.ch/jp/ ※価格は記事公開時点の税込価格です。限定モデルは完売の可能性があります。
Text/三宅裕丈
- TAG










