腕時計に液晶画面があって、いろいろなアプリが扱えるのがスマートウオッチ。では、アナログ時計なのにスマホにつなげられる時計はなんと言うでしょう? これを腕時計業界では「コネクテッドウオッチ」と言っています。さて、このアナログ時計がスマホと繋がるコネクテッドウオッチは、一体何が便利なのか、昨年末に限定発売して即完売となったシチズンのエコ・ドライブ Bluetooth(非限定版)をお借りして試してみました。
コネクテッドウオッチはOSを気にせず使える
まずスマートウオッチに対する筆者の個人的な意見ですが、いろいろなメーカー/ブランドから出されている製品って、結局のところOSが同じ。見た目のデザインなどが違っていても、できることってそんなに大差ありません。
さらに言えば、スマホがiPhoneで、スマートウオッチがAndroid Wearという組み合わせのときに、もしOSの違いで使えない機能があったりしたら、それだけで損した気分になります(筆者個人の見解です)。
その点、コネクテッドウオッチはそもそも備わっている機能が限られているので、よほど特殊なスマホでない限りOSを気にすることなく使える点で魅力があると思っています。
さて、前置きが長くなりましたが、シチズンのエコ・ドライブ Bluetooth(製品詳細はコチラ)について。実は、シチズンは2006年にはBluetooth搭載の腕時計「アイバート」を世界で初めて開発していました。それから約10年のときを経て、光発電「エコ・ドライブ」によって、スマホとのリンクを実現したわけです。
腕時計を作り続けてきたからこそできる実用デザイン
エコ・ドライブ Bluetoothは、一見すると個性的な腕時計のデザイン。ただ、いかにも「何かやりますよ」という含みを醸し出しており、この時計がスマホの通知などを受信して震えたり、音を出したりしても、まず驚かれることはないでしょう。
実際の着け心地は、腕時計そのもの。ケースはステンレス製で、直径48mm、厚さも15.5mmある大型設計ですが、重量バランスが良く快適に着けられます。このあたりは、さすが腕時計メーカーだと言えます。
ワンプッシュですぐに機能をフル活用できる
スマホとの接続は、専用アプリを立ち上げたのちに時計の2時側のボタンを長押しするだけ。右上のサブダイアルの針がONの位置を指せば接続完了。
接続時するとスマホの画面も切り替わる点にご注目。
スマホ側では、アラームやワールドタイムの設定、通知機能の報知方法(音と振動のオンオフ)などが行え、それを腕時計に反映することができます。
一方、腕時計からスマホへの通信としては、スマホサーチ機能のほか、「ライトレベル インディケーター」も備えています。この機能では、光発電「エコ・ドライブ」を重要機能に据えているシチズンらしく、時計の発電量をスマホに映し出されるぼんやりとした光の玉で知ることができます。
実際に直射日光を浴びる前後の画面表示を違いをご覧ください(虫が写り込んでしまいました。すみません)。
しかもログまで取れるというオマケ付き。この時計と共に過ごした時間が、発電量によって記録されるのです。
メール、LINE、メッセンジャーといった主要なスマホアプリの通知に対応。どれを腕時計に反映させるかはユーザーで設定できます。
振動や音は、鳴りっぱなしではなく、「ピッ」「ブルッ」と短く控えめで、「あっなんか来たかな」とわかる程度。電話の着信も知らせ方は控えめですが、秒針がCALLを指すので各種通知との違いはすぐにわかります。
結論:コネクテッドウオッチは腕時計の進化型で、
スマートウオッチにあらず
何日か試すうちに改めて実感しましたが、エコ・ドライブ Bluetoothは面倒なケーブル充電をしなくても使えて、必要なときにはスマホの受信状況を伝えてくれる、すごく便利な「腕時計」です。
確かにスマートウオッチのように多機能ではありません。けれど、折り返しの連絡を待ったりしているときでも、いちいちスマホを確認しなくて済むのは時短になります。
そもそも腕時計だって、懐中時計をポケットから出すひと手間を省略するために生まれたもの。コネクテッドウオッチは、ポケットからスマホを出す手間を省略してくれる、極めて現代的な腕時計の姿なのかもしれませんね。
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