SIHHとは異なる時期に発表されるA.ランゲ&ゾーネの特別モデル「ハンドヴェルクスクンスト」の新作が、フィレンツェのイベントにてお披露目されました。6作目のベースとなったのは、「1815ラトラパント・パーペチュアルカレンダー」。限定数は20本で、価格は29万ユーロ(参考価格)です。
複雑時計に施された浮彫りとエナメルの特別装飾
時計の美しさに定評あるA.ランゲ&ゾーネが、限定数のみの特別な意匠を施したモデルが「ハンドヴェルクスクンスト」。
職人の手作業による卓越技巧がいかんなく発揮された芸術作品は、2011年の第1弾から合計5作が発表されてきました。
<歴代モデル>
2011年/リヒャルト・ランゲ・トゥールビヨン“プール・ル・メリット”ハンドヴェルクスクンスト(限定15本)
2012年/ツァイトヴェルク“ハンドヴェルクスクンスト”(限定30本)
2013年/ランゲ1・トゥールビヨン・パーペチュアルカレンダー“ハンドヴェルクスクンスト”(限定15本)
2014年/ランゲ1・トゥールビヨン“ハンドヴェルクスクンスト”(限定20本)
2015年/1815トゥールビヨン“ハンドヴェルクスクンスト”(限定30本)
そして、これらに続く最新作が「 1815ラトラパント・パーペチュアルカレンダー“ハンドヴェルクスクンスト”」なのです。
6作目となる本機では、スプリットセコンド・クロノグラフとムーンフェイズ表示付きパーペチュアルカレンダーを同時に搭載する、2013年発表の複雑時計をベースに採用。
仕上げ装飾、エングレービング、エナメルと、それぞれを担当する職人が持てる技術を結集して作られており、ダイアル、ケース、ムーブメントのすべてで芸術的な手仕事を見ることができます。
どこを見ても明確に分かる職人の技芸
エナメル焼成とエングレービングを組み合わせた装飾は、A.ランゲ&ゾーネで初の試みだそう。無垢のホワイトゴールドに浮彫り技法で星を描き、深い青色の釉薬を焼き付けることで美しく立体的な造形美を演出しています。
1815の特徴である算用数字も、エナメル表面と同一面に揃えられています。こうした希少な作り込みも魅力的。
裏を返せば、ハンター仕様のケースバックが登場。外蓋にはレリーフ技法とトランブラージュ技法が駆使された円の中に、ローマ神話に登場する月の女神“ルーナ”が風に翻るベールをまとい、三日月形の王冠を頭上にいただき、夜を照らすたいまつを持って佇む姿を見ることができます。
このレリーフサークルを縁取るのは、浮彫りで星と雲が表現されたブルーエナメルです。
ムーブメントさえも幻想的に
内蓋はサファイアクリスタルがはまったシースルーバック。2つのコンプリケーションが組み込まれた、631個の部品からなるCal.L101.1にもこだわりが満載です。
ラトラパント受けやテンプ受けなどには、文字盤と共通する星々を浮彫りで表現。職人が緻密に仕上げていくトランブラージュ・エングレービングを周囲に施すことで、ムーブメントでも幻想世界を描き出しています。
洋銀製の輪列受け表面に見られるきめ細かな粒状感は、往年の懐中時計に見られたグレイン仕上げを彷彿とさせます。
雲上ブランドであるA.ランゲ&ゾーネが最高峰の職人技を用いて「青い夜空」を描き切った、1815ラトラパント・パーペチュアルカレンダー“ハンドヴェルクスクンスト”。
その手間を考えれば、20本という限定数でも多く感じられます。もちろん、歴代5作と同じくあっという間に完売することは、言うまでもないでしょう。
A.ランゲ&ゾーネ https://www.alange-soehne.com/
- TAG