“質実剛健”という四字熟語がしっくりするドイツのウオッチブランド「ジン(SINN)」は、プロフェッショナルユースの時計作りにおいてドイツの名手とされている。とくに創業者のヘルムート・ジンが飛行士だったことから、航空時計の名作が多い。そんな同社の最新作「103.SA.G」は、象徴的なパイロットクロノグラフを鮮やかなグリーンで彩ったユニークな一本である。
レトロチックで美しいメタリックグリーンに魅了される
ジンの代表作103シリーズは、時刻表示、計時表示ともに優れた精度と視認性を発揮するクロノグラフである。縦3つのカウンターや両方向に回るスケール付きのベゼルを特徴とするこのパイロットウオッチをベースに、近年のトレンドである“グリーン”で個性を与えたのが、500本のみ生産される希少な「103.SA.G」だ。
文字盤、ベゼル、日付&曜日表示のディスクまでグリーンにこだわった本機だが、やはり注目はフェイス。メタリックグリーンに仕上げられたダイアルは光の加減や角度によって、光沢を放つ明るいグロッシーグリーンから落ち着いたトーンのダークグリーンまで、多彩な表情を見せる。両方向回転式ベゼルはアルマイト加工を施したアルミニウム製となっており、103シリーズらしいクラシックスタイルを体現。こちらは使い込むことでの経年変化も楽しみのひとつとなるだろう。
伝統的な103を踏襲する一方で、風防はアクリル製ではなく、特別な研削工具でその緩やかなドームフォルムを再現したサファイアクリスタル製にアップデート。5mmのソリッドガラスから5種類の異なる曲率半径で切り出し、研磨をかけているというこだわりのディテールだ。もちろん光の反射を抑える両面無反射コーティングされており、抜群の視認性をキープしている。
シースルーバックから眺められる自動巻きムーブメントは、コンセプト社製のキャリバーC99001をジン仕様にしたもの。バルジュー7750と遜色ない機能であることをジンが認め、今回搭載となった。仕上げも丁寧で美しく、オリジナルローターを備えている。また ケースリングには「Eine von 500(ドイツ語で、500本のうちの1本という意味)」が刻印されている。
問い合わせ先:ホッタ TEL.03-6226-4715
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