世界の高級時計ブランドが今年の最新作を披露するイベント【WATCHES AND WONDERS GENEVA 2022(ウォッチ & ワンダー ジュネーブ 2022)(以下W&W)】にて発表された新作をブランド別に取り上げていく。本記事ではタグ・ホイヤーの新作を紹介する。
アクアレーサーからソーラー駆動や1000m防水モデルが登場!
昨年からダイバーズウオッチコレクション「アクアレーサー」の再編に取り組むタグ・ホイヤーは、本格スペックを持つ300m防水モデルのリニューアル、広くアウトドアでのツールウオッチとして新たな活路を拓いた200m防水モデルの新開発を経て、今回のW&Wにて新境地に到達。1979年のレッドオレンジダイバーへのトリビュートとして登場した「アクアレーサー プロフェッショナル300 キャリバー5 オレンジダイバー」は、海中の暗闇でも表示が読み取れると言われている文字盤色が特徴だ。ブラックの縁取りがついた蓄光インデックスと針に、逆回転防止式のブラックセラミックベゼルで、ダイバースペックを満たしている。
さらにこのセラミックベゼルをブラックとオレンジにした一本は、「アクアレーサー プロフェッショナル 1000 スーパーダイバー」の名の通り圧巻の1000m防水を誇る。実はタグ・ホイヤーは1982年にすでに同じ程度の防水性能を持つモデルを発表し、その2年後には進化系を手がけた背景がある。いわば最新作は同社が最初に深海に挑んでから40周年という節目に発表されたわけだが、まずこのようなハイスペックに対して直径45mm、厚さ15.75mmという実用サイズに収めた点が評価に値する。搭載するのはムーブメント専門メーカーの「ケニッシ」がタグ・ホイヤーのために開発した最新型キャリバーTH30-00。70時間パワーリザーブを有するクロノメーター仕様になっており、5年間の保証付きだ。ケースにはヘリウムガス エスケープバルブを有しており、国際標準化機構が定める潜水時計の規格ISO 6425に準拠。とはいえサイズは大ぶり。これをタグ・ホイヤーは、ステンレススチール製の裏蓋を除く部位をチタンにすることで一定の重量感に留めている。
そして、アクアレーサーのさらなる隠し球がラ・ジュー・ペレ社製TH50-00キャリバーを搭載した「アクアレーサープロフェッショナル200」。200m防水のツールウオッチに光発電駆動を与えた新規軸は、タグ・ホイヤーの長い歴史を見渡しても初の試みだろう。時計好きの人ならばご存知の通り、ラ・ジュー・ペレ社はシチズン傘下であり、日本の技術が使われているとみて間違いない。太陽光に2分当てれば1日分、フル充電にすれば6か月、パワーセーブ機能を使えば3年半というパワーリザーブ期間が、ソーラーウオッチ先進国である日本の技術が使われている何よりの証拠。もちろんそれ以外の仕様はタグ・ホイヤーが長年培ってきたもので、実用レベルでの信頼性は折り紙付きだ。
マルチフィールドで活躍が期待できるダイバーズウオッチのほかにもタグ・ホイヤー モナコやタグ・ホイヤー カレラ×ポルシェなどの新作もあり、話題性は十分。ブランドの信条であるアヴァンギャルドな新作が出揃った。
問い合わせ先:LVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー Tel.03-5635-7054
Text/Daisuke Suito (WN)
- TAG