比類ない技術から作り出される【オーデマ ピゲ】の腕時計の魅力と新たな製造拠点とともに提案する次なる時代の顧客体験

1875年、二人の優秀な時計師によって【オーデマ ピゲ(AUDEMARS PIGUET)】はル・ブラッシュ(スイス)にて創業された。それから約1世紀半にわたり、世界中のあらゆる時計好きを魅了し続けている。なぜ人はオーデマ ピゲに惹かれるのか。その理由を最新事情から読み解く。


コンプリケーション開発の新たな拠点となるマニュファクチュール・デ・セニョル。周囲の自然と調和する1階建てのデザインを採用

時代の先を行く取り組みは時計製造だけにあらず

オーデマ ピゲは、創業時のアトリエをいまだに残している。その隣には建設コンペから足掛け6年の歳月を経て2020年に完成した、ミュゼ アトリエ オーデマ ピゲがある。また同じル・ブラッシュ内には、2009年より操業開始した製造拠点マニュファクチュール・デ・フォルジュも構える。さらにこれに隣接する拡張工場「アルク」も建設中。一方、オーデマ ピゲ・ルノー・エ・パピのアトリエがあったル・ロックルにも新たな工房「マニュファクチュール・デ・セニョル」が2021年に完成した。これら2つの新たな工場はモジュール式で、将来の進化を見据えた拡張性を有するほか、環境、景観、働きやすさに配慮した設計がなされている。

 

数々の設備投資もあり、現CEOのフランソワ-アンリ・べナミアス氏が就任した2011年と2021年の比較で従業員数は1200人から3000人に増え、売上高は4倍に成長。品質を落とすことなく製造本数も年間で3万本未満から5万本に増えたという。一方で取り扱い店舗数は世界に550店舗あったところをおよそ100店舗にまで絞り込み、ブランドのレアリティを担保。こうした選択と集中を徹底し、しっかりと環境を整えることがさらなるスタッフの意欲向上に結びつき、企業の成長につながることをオーデマ ピゲは理解していたのだ。

2021年に行われた着工式には、CEO(写真)や創業家一族らが参加した

 

スタッフへの配慮は、オーナーに向けられるとよりいっそう高められる。後述するカスタマーサービスでのホスピタリティはもとより、オーデマ ピゲの世界が堪能できる「AP ハウス」を世界各地に展開。ル・ブラッシュにあるミュゼ アトリエは事前に予約すれば誰でも貴重なタイムピースを鑑賞できるばかりか、グランドコンプリケーションなどの製作現場まで見学できる。同地にてオーデマ ピゲが所有するオテル デ オルロジェ(=時計師のホテル)に宿泊すれば、たっぷり時間をかけてブランドの歴史を知ることだって可能。このように、興味を持つすべての人に体験を提供するオーデマ ピゲのようなブランドは極めて稀有である。

誰でも宿泊できるHotel des Horlogers


2003年よりオーデマ ピゲが所有するオテル デ オルロジェ(Route de France 8, 1348Le Brassus)は、一時の閉館を経て2022年にグランドオープンした。ジグザグの屋根で連なる5フロアの設計は、すぐ近くにあるミュゼ アトリエ オーデマ ピゲも手がけたBIG(ビャルケ・インゲルスグループ)によるもの。客室は全50室で、宿泊専用サイトは日本語も対応している。1泊1室351スイスフラン~(朝食付き)。 https://www.hoteldeshorlogers.com

 

いくつもの歴史に残るアヴァンギャルドなタイムピースを作り出してきたブランドは、一方でどこよりも歴史と人を重んじてきた。まさしく「ル・ブラッシュの自然が生み出し、人とともに生きていく」の理念の通りに進化を続けるオーデマ ピゲが、世界中で愛されるのはいわば当然のことなのだ。

 


右から「ロイヤル オーク オートマティック」、「ロイヤル オーク オフショア ミュージックエディション」、「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ クロノグラフ」

今後も大きな節目が続くブランドの動向に要注目

現在のオーデマ ピゲは、ここに取り上げた3本柱でコレクションを構成している。フラッグシップ機はもちろん誕生50周年を迎えたラグジュアリースポーツウオッチの金字塔「ロイヤル オーク」だ。基本デザインを変えることなく、時代の要望に合わせた絶妙な変化の過程は、最新世代でよりエルゴノミカルな設計へと結実。2023年に誕生30周年を迎える「ロイヤル オーク オフショア」もまた、インターチェンジャブルストラップを取り入れた最新設計に。どちらも文字盤の作り込みの洗練さが増し、誕生時から完成されたデザインはさらなる高みへと到達した。

現時点で最も新しいコレクションとなる「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」は、その存在自体が現代最新の技術を象徴しているが、2019年の誕生から毎年のように文字盤表現や機能で目覚ましい進化を遂げている。このままのペースで開発が進むとしたら、誕生5周年のときにはとんでもないサプライズまで期待してしまう。そしてその先にある創業150周年という節目での新工場の落成と、ますます オーデマ ピゲの動向から目が離せない。

ROYAL OAK<ロイヤル オーク> ラグジュアリースポーツウオッチの規範であり続ける不変の名作

1972年に誕生し、50周年の節目に新世代へと生まれ変わったフラッグシップウオッチ。ビス留めされた八角形ベゼルにタペストリーダイアル、ケース統合型ブレスレットなど、ジェラルド・ジェンタが描いた基本デザインは今なお継承する。カレンダー付きの3針自動巻きや、2針のエクストラ シンほか、クロノグラフ、永久カレンダー、トゥールビヨンなど複数のバリエーションが揃う。


「ロイヤル オーク オートマティック」 Ref.15510ST.OO.1320ST.02 319万円

初代機と同じ、「ナイトブルー、クラウド50」他5色がラインナップする。インデックスと針のサイズ感を統合し、外装設計も微調整された。自動巻きステンレススチールケース。直径41mm、厚さ10.5mm。50m防水。

 

ROYAL OAK OFFSHORE<ロイヤル オーク オフショア> あらゆるデザインを受け入れる懐の深さも魅力

ロイヤル オークをよりパワフルにしたオフショアは、1993年に登場。初代モデルは、当時の腕時計では異例の直径42㎜のサイズ感から“ビースト”のニックネームで呼ばれた。厚みのあるケースに肉厚のリューズガードを備えた堅牢設計は、クロノグラフを筆頭に、300m防水のダイバーからグランドコンプリケーションまで機能もデザインも多彩なバリエーションが展開されている。


「ロイヤル オーク オフショア ミュージックエディション」 Ref.77600TI.OO.A343CA.01 368万5000円

音楽をテーマにした500本限定モデル。VUメーターモチーフの文字盤や、ミキサーフェーダーをかたどったリューズガードなど、随所に音楽が感じられる一本だ。自動巻き。チタンケース。直径37mm、厚さ12.1mm。

 

CODE 11.59 BY AUDEMARS PIGUET<CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ> 多彩な素材の組み合わせで時計表現の可能性を広げる

コンテンポラリーなドレスウオッチとして2019年に誕生。ベゼルとラグを一体設計とし、ビス留めの裏ブタで八角形のミドルケースを挟み込むテクニカルなケース構造をはじめ、外装の多くに独創的なデザインを採用。ダブルカーブサファイアクリスタルの視覚効果により圧倒的な奥行き感を文字盤に作り出すなど、見るほどに驚きと発見が楽しめる最新コレクションとなっている。


「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ クロノグラフ」 Ref.26393BC.OO.A002KB.02 990万円

ホワイトゴールドのケースにオニキスダイアルを合わせたクロノグラフ仕様の日本先行モデル。バータイプのダイヤインデックスが、時計の持つ気品を際立たせている。ストラップはファブリック調のラバー加工。自動巻き。直径41mm、厚さ12.6mm。3気圧防水。

 

問い合わせ先:オーデマ ピゲ ジャパン TEL:03-6830-0000

「日本特別サイト」

「公式サイト」

Text:水藤大輔/Daisuke Suito(WATCHNAVI) Photo:高橋敬大/Keita Takahashi(TableRock)

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