ヴィンテージ1945は、1940年代に自社で発表したスクエアウオッチに着想を得て1996年に開発された、ジラール・ペルゴの人気シリーズだ。このモデルの最大の特徴は、ほぼ正方形のスクエアケースが腕に沿うような形に湾曲していること。それに合わせてサファイアクリスタルガラスと文字盤もダイナミックにカーブしており、見るほどに味わい深まる立体感を作り出している。搭載するのは、自社製キャリバーGP03300。最新作「ヴィンテージ1945 グレー 日本限定モデル」も、これらの特徴を備えたカレンダー付きの3針ウオッチである。
日本とゆかりの深いジラール・ペルゴ
ジラール・ペルゴは1791年からの長い歴史を持つスイスの高級時計ブランドである。このような老舗がなぜ日本限定を作るのか。それには、同社の創業者一族と深い関係がある。ブランドを創業したのはスイスの時計職人フランソワ・ボットだが、現社名は彼の工房を継承したコンスタン・ジラールと、その妻マリー・ペルゴが由来となっている。この夫妻から数えて3世代目にあたるジャン-フランソワ・ペルゴは市場の新規開拓を目指して日本の港町である横浜に居住。スイス時計を正式に日本へ広める役割を担った。彼は日本でその生涯を終え、今も横浜外国人墓地に眠っている。このような背景もあってジラール・ペルゴは日本を大切にしており、日本限定モデルも毎年のように発表され続けている。
“Every cloud has a silver lining”
このたび発表された最新モデルは、グレーのインデックスにブルーの針、グレーのストラップにシルバーのステッチという組み合わせを採用。公式発表によれば、英語のことわざ“Every cloud has a silver lining”(=どんな雲も裏側は銀色に輝いている)をテーマにしたという。この配色は、グレーが雲、シルバーが輝く銀色、ブルーは雲の切れ間に見える青空、というわけだ。文字盤センターのミニッツサークル内とスモールセコンドの盤面に施された放射状のギヨシェもまた雲の柔らかさを想起させ、世界観の構築に重要なひと役を担っている。
ちなみに、ブルーのドーフィン針は主に日本限定モデルに使われる特別仕様。これだけでも特別感を十分に堪能できる。裏を返せばシースルーバック越しにマニュファクチュールキャリバーGP03300の美麗仕上げが楽しめる。ここにも「Japan Edition」や200本限定を示す「One of 200」の刻印といった特別仕様が施されている点も見逃せない。
ジラール・ペルゴが本機に込めたのは、「困難や悲しい状況にも希望や喜びは必ずある」というメッセージ。230年以上もの長い歴史の中で幾多の困難を乗り越えてきたブランドが伝える言葉の重みを、時計の持つ品格とともに感じ取ってほしい。
問い合わせ先:ソーウインド ジャパン TEL:03-5211-1791 https://www.girard-perregaux.com/jp_jp/ ※価格はすべて記事公開時点の税込価格です。
Text/Daisuke Suito (WN)
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