スケルトンウオッチ全盛期でわかった腕時計の「引き算の美学」

今、時計界では文字盤側からもムーブメントの動きが確認できるスケルトンウオッチが多くのブランドから登場しています。このデザインがなぜ盛り上がっているのか。その謎をエントリーウオッチから読み解いていきます。

 

機械式時計のダイナミズムが愉しめる

スケルトンウオッチの魅力は、何と言っても歯車の動きまで鑑賞できる点にあります。

 

その反面、普段は隠れている箇所まで見せることになるので、スケルトンウオッチの仕上げはこだわりはじめるとキリがありません。

 

ハイブランドのスケルトンウオッチが高額になるのは、繊細にデザインされたプレートをきっちり面取りまで行い、ときには緻密なエングレービングに至るまで職人が手作業で仕上げているから。たとえ文字盤がなくとも、それに匹敵するか、それ以上の手間がかかっているわけです。

 

言い換えれば、仕上げにそこまでこだわらなければ、意外と手頃な価格帯からスケルトンウオッチは手にいれることができます。

 

細部まで装飾が施されたアールデコ調のスケルトン

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↑クエルボ・イ・ソブリノス「ヒストリアドール スケレッテ」37万8000円/Ref.3191.1SQS

1940年代製モデルに着想を得たケースに、アールデコ調のスケルトンダイアルを採用。外周の黒とシルバーの模様は、ブラックラッカーで塗ってから形を仕上げていくという手の込んだ作り。プレートにもさりげなくエングレーブを施すなど、かなり手頃感のある一本です。

 

【SPEC】

ムーブメント:自動巻き(Cal.CYS5084)、毎時2万8800振動、約38時間パワーリザーブ

素材:SSケース(シースルーバック)、レザーストラップ

サイズ:直径40mm、厚さ11.15mm

防水性:3気圧

 

スケルトン文字盤の要注目モデル2本

↑オリス「アーティックス スケルトン」35万1000円/Ref.734 7714 4054
↑オリス「アーティックス スケルトン」35万1000円/Ref.734 7714 4054

シリーズ初のスケルトンモデルとして登場。ブラックメッキ加工を施したパーツを丁寧に組み上げ、3時側のブリッジにはロゴを配置。モダンなデザインに仕上がっています。

 

↑ブローバ「ブローバ オートマチック」6万6960円/Ref.98A166
↑ブローバ「ブローバ オートマチック」6万6960円/Ref.98A166

ローズゴールドトーンとシルバーのコンビネーションが上品さを盛り上げる一本。リューズの巻き上げや振動するテンプの動きが文字盤側から存分に楽しめます。

 

スケルトンウオッチは、審美性の高さに加えて機械式時計の所有欲も満たしてくれる一石二鳥のアイテム。その幅の広さが人気の由縁といえるでしょう。時計の繊細さを難しく捉えず、あえて軽快な服装と合わせても面白いかもしれませんね。

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