「時計には歌舞伎と共通の伝統を継承する魅力がある」歌舞伎役者・中村獅童 in タグ・ホイヤー 銀座 ブティック――MY TIME〜私の時間術〜 Vol.26
時間は誰にでも平等。だからこそ1日24時間、その限られた時間をどう使うかが「人生を楽しむ」ための鍵となります。様々な業界で活躍する人物から「時間術」を聞く本連載。第26回は歌舞伎役者の中村獅童さんにお話を聞きました。
構成/ウォッチナビ編集部 文/赤坂匡介 撮影/高橋敬大
紅は歌舞伎の伝統色。時計を通じて、多くの人に歌舞伎を知ってほしい
――「タグ・ホイヤー 銀座 ブティック」がオープンしました。同ブランドに対してどんなイメージをお持ちですか?
「おしゃれで優れた時計が多い印象があります。高校生の頃は、好きだったミュージシャンの方が着けていたこともあり、憧れのブランドでした」
――着用しているタグ・ホイヤーの時計は、歌舞伎がモチーフになっています。どんな思いですか?
「歌舞伎をテーマにした時計が海外ブランドから発売されることに、ひとりの歌舞伎役者として、大変うれしく思っています。白を基調に、赤が配されたデザインもいいですね。やはり紅は、歌舞伎の伝統色ですから。海外の方はもちろん、日本人でもまだ歌舞伎をご覧になったことのない方が大勢います。この時計を通して、少しでも歌舞伎に興味を持ってもらえたらありがたいですね」
時計は一生ものだからこそ、そこに男のロマンがある
――時計は時間とともに、思いも刻んでくれます。時計を買ったときの思い出はありますか?
「自分の名前が知られるようになったのがちょうど30歳のとき。その頃に少しいい時計を買いました。40歳の節目にも時計を買っているのですが、『そのときの思いを忘れないように』という気持ちで購入するようにしています。時計は一生ものですから、決して安くはありません。それでも欲しくなるのは、そこに男のロマンがあるからだと思います。男として、時計はこだわりたいです」
――最後に。歌舞伎と時計に共通点はあると感じますか?
「はい。歌舞伎は伝統の芸を受け継いでいくものです。時計も世代を超えて受け継ぐことができる点で似ていると思います。自分自身の役者のテーマは〝伝統と革新〞。タグ・ホイヤーにも今回、同じイズムを感じました。今年は9月にフランス公演(9月13日(木)〜9月19日(水)まで、パリの国立シャイヨー劇場で「松竹大歌舞伎」を上演した)もありますし、夢や希望もまだまだあります。時計がときを刻み続けるように、私も未来に向かっていつまでも走り続けたいですね」
中村獅童(なかむら・しどう)
歌舞伎役者
1972年生まれ。1981年に歌舞伎座で初舞台。2002年には映画『ピンポン』で数々の賞を受賞。以降、歌舞伎以外の分野でも幅広く活躍中。