高級時計を熟知する有名店に最新人気ウオッチのベスト3を聞いてみた vol.5 ―― “一生モノ”としても相応しいIWCの新スタンダードウオッチに注目
正規時計店【oomiya】の協力を得て、特集を組んでいる本ランキング記事。和歌山本店(vol.1)、心斎橋店(vol.2)、京都店(vol.3)、仙台店(vol.4)に続く最終回は、九州南部で随一の賑わいをみせる鹿児島市の中心街に店を構える「oomiya 鹿児島店」に協力をいただいた。同店の人気時計トップ3を尋ね、その魅力や人気の理由を詳しく教えてもらった。
oomiya 鹿児島店は2015年にオープン。「パネライ」、「ブルガリ」、「IWC」を県内で唯一取扱っているほか、「タグ・ホイヤー」はエリア最大級の品揃えを誇るなど、充実のラインナップから九州各地より客足が絶えない。今回ランクインした人気トップ3については、数々の高級時計に触れてきた店長の浅山さんも納得の様子だった。
<oomiya 鹿児島店> 浅山 店長
【人気No.3】
パネライ
ルミノール マリーナ-44mm
【浅山さんの解説】
パネライが現在のようなラグジュアリーブランドになって支持を集める以前は、イタリア海軍などのサプライヤーとして“裏方”に徹していました。要するに、軍事機密のアイテムだったわけです。人気モデルの「ルミノール マリーナ」も、1950年代に開発された由緒ある軍用ダイバーズをルーツにしています。
このルミノールコレクションには、パネライのアイコニックな装備である「リューズプロテクター」が搭載されています。見た目のインパクトが強いこのディテールが、やはりパネライを好まれる方や興味を持たれる方に好評です。ラインナップの中でもっともスタンダードなうえ、売れ筋である「ルミノール マリーナ-44mm」もリューズプロテクターが備え付けられています。
また、パネライは実用的な自社ムーブメントが搭載されていることでも評価されています。現行のルミノール マリーナは、最長3日間も続くパワーリザーブを備える「キャリバーP.9010」が採用されています。先代のキャリバーP.9000と比べて、テンプの受けがダブルブリッジに変更されたことで安定性と耐久性が高められ、さらに薄い設計になりました。これによってケースもスリムになっています。
外観面では、トレンドの“ブルー”を取り入れたバリエーションがラインナップされ、選択の幅が広がったことも人気に拍車をかけています。パネライの出自を物語るかのようなサンブラッシュ仕上げのブルーダイアルは、その下層に夜光が塗布されたダイアルがサンドイッチ構造でセットされています。この伝統的な手法は、明るい場所での判読性を高めるだけではなく、水中つまりは暗がりで夜光機能を最大限に生かすために考案されました。こうした実際に特殊潜水部隊に使われていたことを示すマニアックなディテールが、時計好きやミリタリーファンを喜ばせています。
「紺碧の海を思わせる格調高きブルーダイアルのダイバーズ」
【人気No.2】
ブルガリ
オクト オリジナーレ
【浅山さんの解説】
世界に名を轟かせる名門イタリアンジュエラーの「ブルガリ」ですが、腕時計にも高度な技術と情熱を持って取り組んでいます。とくに2010年の「ウオッチメーカー宣言」以降、ムーブメントまで自社生産できるマニュファクチュール体制を整えるまでに至っています。
中心的なコレクションのひとつに、個性的な「オクト」があります。ルーツは2004年にジェラルド・ジェンタ氏がデザインしたモデルで、現在では超絶スリムな「オクト フィニッシモ」やコンプリケーションモデルを輩出するなど、多彩かつ劇的な進化を遂げています。
人気の「オクト オリジナーレ」はオクトの原点に立ち返った一本で、エレガントながらスポーティな雰囲気も併せ持つ3針モデルです。110もの面から構成された緻密な8角形デザインは、西暦310年前後に建設されたマクセンティウスのバシリカがイメージソース。ユニークピースながら、ビジネスからプライベートまで着用できることが人気の理由です。
「110面で構成される立体デザインを軽量なチタンで実現」
【人気No.1】
IWC
ポルトギーゼ・オートマティック 40
【浅山さんの解説】
IWCはスイスブランドでありながら、どことなくドイツ時計に通じる機能重視のミニマリズムを感じることができます。それはIWCの本拠地がスイス北東部、ドイツとの国境に接するシャフハウゼンに根付いたブランドであるためです。
当店で随一の人気を誇る「ポルトギーゼ・オートマティック 40」は、装飾を極力省いたクラシックデザインが特徴です。これは1930年代に発表されたRef.325の意匠にインスピレーションを得たもので、飽きずに長く使える逸品となっています。まさしく正統派ドレスウオッチですが、ゴールド色の針やアラビア数字インデックスを使っていることで、カジュアルな装いにも馴染みやすく、デイリーユースの一本としても十分機能する汎用性も持ち併せています。
サイズはフィット感に優れる40mm径で、ベゼルがスリムなためダイアルの面積が広く確保できており、時刻の読み取りもスムーズです。これらも“一生モノ”の要素になります。もちろん内部にもこだわっており、自社製造の「キャリバー82200」を搭載しています。独自のペラトン自動巻き機構には、セラミック製のパーツ(巻き上げ爪、ローターを支えるベアリング、カム)が使われており、摩耗しにくい仕組みになっています。そうした先進技術によって、国際保証が通常2年間であるところを、My IWCの登録で8年間に延長するサービスが可能になりました。総合的に見て、この時計が人気を集めているのも納得できます。
「新世代のスタンダードモデルにも自社ムーブメントを搭載」
<取材協力>
oomiya 鹿児島店
TEL:099-219-9255
住所:鹿児島県鹿児島市金生町2-11
営業:11:00~19:30
定休日:水曜
取扱いブランドは、オフィシャルサイト(https://www.jw-oomiya.co.jp/)に掲載。
※新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、休業日や営業時間の変更、一時休業などを行っている可能性があります。
※スタッフは接客時、感染症予防のためマスクを着用しています。
Text/WATCHNAVI編集部