時計のコンシェルジュがセールス抜きで語る、本気で欲しいこの逸品!! vol.2

時計が欲しくて専門店やデパートの売り場に足を運んでも、何百本あるいは千本を超えるコレクションの中から一本を選び出すのは困難ともいえる。美しくディスプレイされた数々を見ているだけでも幸せな気分になれるが、迷いに迷って、しまいには購入に至らずに疲れきってしまったという経験を持つ人もいるはず。そんなときは、時計に精通するスタッフ自身が“自腹を切っても欲しい”と思っているモデルを参考にすると良い。今回、国内有数の規模を誇るoomiyaグループ(心斎橋店、京都店、和歌山本店、鹿児島店)のスタッフ一名ずつに取材し、欲しい時計について自由に語ってもらった模様の第2弾をお送りする。

<oomiya 京都店>菊池 猛さん

「どの角度から見てもパネライとわかる個性的なフォルムが好き」

京都駅から京都御所へと向かう烏丸通り沿いに立地するoomiya 京都店は、2014年にオープン。すでに京都を代表する正規時計店として知られる店舗となり、常連客も多い。同店の販売スタッフ、菊池さんがいまもっとも欲しいと語るのがパネライで、ユニークなデザインに惹かれていると語る。「防水性や視認性が考慮されたフォルムで、非常に個性の強いデザインです。そのスタイルは好みが分かれるところかもしれませんが、腕に着けると意外と収まりがよく、試着で気に入ってくださるお客様も多いですね」

2019年はサブマーシブルのリニューアルで話題を振りまいたパネライだが、菊池さんはあえて定番の一本をセレクト。歴史的な背景にも注目する。「ルミノール 8デイズ GMTは、パネライが誇るロングセラーモデル。時計好きなら誰もが知るクッションケースに、フルにゼンマイを巻けば8日間動き続ける自社製ムーブメントを搭載しています。実用的なロングパワーリザーブは、パネライがかつてイタリア海軍向けに製造していた時代に採用していた機能で、当時は極秘でした。まるで映画に登場するスパイアイテムのようでもあり、男心をくすぐります(笑)」

「たとえば、こうやってサイドだけが見えるようにしても、“パネライ”とわかる方は多い。それだけ浸透したケースフォルムで、オリジナリティを感じさせます。デザインもヒストリーも語れる時計というのは、実はそれほど多くありません。もちろん時計として完成されているからこそ、次に購入しようと検討中なのです」

パネライ「ルミノール 8デイズ GMT」Ref.PAM00233 150万7000円/手巻き(自社製Cal.P.2002)。毎時2万8800振動。192時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース(シースルーバック)。アリゲーターストラップ。直径44mm。10気圧防水

菊池さん自身が取材時に着けていたのが、タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー01 クロノグラフ ブラックセラミック。パネライがクラシックなら、こちらはモダンのシンボルである。「初めて担当したブランドがタグ・ホイヤーでした。最初の一本目としてはチャレンジングなモデルですが、存在感のあるスケルトンダイアル、スポーティなクロノグラフ、スーツにも似合うオールブラックなど、求めていた要素を満たしていました。いま、このカレラを持っているからこそ、真逆のタイプであるルミノールが欲しいともいえますね」

[写真は菊池さんの私物] タグ・ホイヤー「タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー01 クロノグラフ ブラックセラミック」Ref.CAR2A91.FT6071 74万8000円/自動巻き(自社製ホイヤー01)。毎時2万8800振動。50時間パワーリザーブ。セラミックケース(シースルーバック)。ラバーストラップ。直径45mm。10気圧防水

 

菊池さんが求めた本格時計のポイントについて尋ねた。「一生のうち、高級時計の購入というのはごく限られた回数だと思います。ですからこのカレラはトコトンこだわった末、納得のうえで買いました。皆さまにも満足度の高いお買い物をしていただけるように、我々は全力でサポートいたします。まずは店頭で実機に触れていただくことが、時計を知っていただく機会となるはずです。パネライの優れた装着感やセラミックモデルの軽さなど、実際に体験していただきたいです」。

【連載】時計のコンシェルジュがセールス抜きで語る、本気で欲しいこの逸品!!

<取材・撮影協力>

oomiya 京都店
TEL:075-229-6689
住所:京都府京都市中京区七観音町623
営業:11:00~20:00
定休日:水曜

※取り扱いブランドは、オフィシャルサイト(https://www.jw-oomiya.co.jp/)に掲載。