腕時計に搭載される現代のトゥールビヨン
トゥールビヨンは、アブラアン-ルイ・ブレゲ以降、複数の時計師が製作に挑戦したそうですが、今も残る製品は多くありません。その事実が、機構製作の難しさを最も明確に表しているといえるでしょう。
一方、パーツの高精度加工マシンが登場し、精密な3D設計のシミュレーションも可能な現代においては、腕時計サイズでもトゥールビヨンを搭載したモデルが様々なブランドから登場しています。アブラアン-ルイ・ブレゲの伝統の正統継承者である現代のブレゲも、もちろん数多くのトゥールビヨンウオッチを製作しています。
2018年に発表したのは、文字盤にグラン・フー・エナメルを採用した「クラシック トゥールビヨン エクストラフラット オートマティック 5367」。トゥールビヨンを搭載しながらムーブメントの厚さを3mm、ケースの厚さで7.45mmにまで抑えた驚異の一本です。
かつての偉人が考案した「ブレゲ針」「ブレゲ数字」が配置されたダイアルは、艶やかな光沢を持つ純白のエナメル。その盤面の開口部からは、217年前に特許を取得した複雑機構トゥールビヨンが見てとれます。
もし、その独特の回転運動を目にする機会があれば、かつての天才時計師の功績も思い出してみてくださいね。
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