ウオッチナビ編集部が選ぶ個性派デザインのデジタルウオッチ3選

液晶画面を搭載した個性的なデザインを持つデジタルウオッチをテーマに、【オメガ(OMEGA)】、【ジラール・ペルゴ(GIRARD-PERREGAUX)】、【HAMILTON(ハミルトン)】の新作モデルをピックアップした。

本格仕様のツールウオッチ「シーマスター レガッタ」

オメガはオフィシャルタイムキーパーを担当する国際ヨットレースの最高峰、アメリカズカップの第37回大会の開催を記念して、アナログ表示とデジタル表示の両方を備えたセーラーのためのツールウオッチ「シーマスター レガッタ」を発表した。本機は直径46.75mmのグレード5チタン製ケースにレガッタレース機能をはじめ、ムーンフェイズ表示、クロノグラフ、セーリングのログブック、温度計、加速度計、3つのアラームなど洋上活動をフォローする多彩な機能を搭載。オメガ社社長兼CEOのレイナルド・アッシェリマン氏は「新作『シーマスター レガッタ』は、『スピードマスター X-33』と同じシリーズに属する“腕に装着する多機能ツール”という位置付けです。名前からも明らかなように、このモデルはセーラーにとって完璧なタイムピースです。バルセロナで開催される素晴らしいヨットレースは、世界中のセーラーに多大なインスピレーションを与えるに違いないでしょうし、この時計は彼らが必要とするものをすべて満たしているでしょう」と語っており、本機への力の入れようが伝わってくる。

デジタルとアナログが融合した実用的フェイス

本機の見どころのひとつである液晶画面は、セーリング中に多くのデジタル表示を一目で読み取れるようにホワイトグレーの背景にブラックでマーキングされたLCD表示機能を備えるシンプルなデザインを採用。デジタル表示に加え、「ダイバー300M」からインスピレーションを得た時・分・秒針も搭載しているが、バックライトモードを使用するとこれらの針が非表示となり、デジタル表示の視認性が向上。操作性も十分に考慮されており、設けられた4つのプッシャーがひとつは赤色、残りの3つは青色のラバーでデザインすることで、直観的な機能操作をフォローする。さらにブランドロゴがレーザーで刻印されたサンドブラスト仕上げのリューズは、プッシュ&ターン方式で操作可能だ。

ケースバックは本格的ならではの仕様として、“ヘルムホルツ共鳴器”の原理に基づき、アラームの音量を効果的に拡大するための特殊な空洞構造を採用。さらにこのケースバックには象徴的な波模様に加えて、エンボス加工で第37回アメリカズカップのロゴ、エングレーブで「SEAMASTER REGATTA」と「37th AMERICA’S CUP」の文字、内蔵するクオーツムーブメント「CALIBRE 5701」の名も記される。

オメガ「シーマスター レガッタ」 Ref.216.92.46.79.10.001 114万4000円/クオーツ(Cal.5701)。グレード5チタンケース、ブルーラバーストラップ。直径46.75mm、厚さ15.6mm。5気圧防水。

 

問い合わせ先:オメガ TEL.0570-000087 https://www.omegawatches.jp/

 

1976年発表の「キャスケット」を現代的に復刻

今回、リリースされた「キャスケット 2.0 チタン&ゴールド」は1970年代に発売されたLEDデジタルウオッチがルーツとなる。1971年、ジラール・ペルゴはスイス初となる量産仕様の高精度クオーツ式時計を発売し、1976年には流線型のケースに当時の最先端技術であったLEDディスプレイを組み合わせたデジタルウオッチを発売。このモデルは世界中でSFムービーがヒットを飛ばしていた時代背景もあり、ヒットを記録。コレクターのコミュニティからも熱い支持を集め、彼らがつけた「キャスケット」というニックネームがその後、公式に採用されることになる。長らくコレクションとして休止状態が続いていたが、2022年にコミュニティのリクエストを受ける形で復刻版となる「キャスケット 2.0」をリリース。現代的なアップデートと機能の追加は行われたが、ブラックセラミックとチタン製のケースにチタン製のプッシュボタンを備え、1976年発表のオリジナルを忠実に再現した同モデルは大きな注目を集め、国内入荷分も即完売となったことは熱心な時計愛好家なら記憶に新しいはずだ。

チタンケースにイエローゴールドのアクセント

本機は2022年の復刻モデルをベースとするが、グレード5チタンを用いたケースに18K 2NイエローゴールドのGPロゴとプッシュボタンをセッティングした。無機質なデザイン性が強調されるフォルムにイエローゴールドが華やかなアクセントとして効いており、前作の「キャスケット 2.0」とは全く異なる仕上がりを実現。この意匠は1970年代に製造されたゴールドプレートとスチールの先代モデルに敬意を表したものとなる。ブレスレットもラバーライニングのグレード 5チタン製となり、チタン製バックルはブレスレットのサイズを細かく調整できるため、腕元へ最適にフィットさせることが可能だ。

ジラール・ぺルゴ「キャスケット 2.0 チタン&ゴールド」 Ref.39800-21-3199-6CM 69万3000円/クオーツ(Cal.GP3980-1474)。グレード5チタンケース&ブレスレット。縦42.4mm×横33.6mm。5気圧防水。世界820本限定。

 

問い合わせ先:ソーウインド ジャパン TEL.03-5211-1791 https://www.girard-perregaux.com/jp_jp

 

1974年の「ハミルトン パルサー クッション」を忠実に再現

1970年代は、世界初のデジタル腕時計「ハミルトン パルサー」で、大きな進歩を遂げた技術革新の時代であった。1970年に発表され、1972年に発売された「ハミルトン パルサーP1」の誕生は、これまで針を使って時刻を表示していた腕時計の常識が変わった瞬間であった。世界に衝撃を与えたパルサーは、時代とともにデザインを進化させてきた。1974年に発売されたクッションケースが特徴的な「ハミルトン パルサー クッション」がインスピレーションとなって、新作「PSR 74」が誕生した。「PSR 74」は、技術エンジニアリングと個性的なデザインの両立というハミルトンの伝統を受け継いでいる。

「PSR 74」は、ヴィンテージデザインを現代的に解釈し、新機能を追加している。オリジナルモデルから取り入れたコンパクトな31mmのクッション型ケースに、バングルスタイルのブレスレットが組み合わさり、テーパー状の美しいラインを生み出している。ケース両側のプッシュボタンを使用することで、日付と時刻を同時に表示可能。さらに、24時間表示と午前・午後の12時間表示の切り替えができ、利便性も向上しています。ディスプレイには反射型LCDと発光型OLEDの両方が採用され、インジケーターのコントラストとディテールの表現がより鮮明になっている。

1970年代の「ハミルトン パルサー」に使われていたディスプレイの数字のフォントと同じフォントを再現しており、世界初のデジタル腕時計のディスプレイが「PSR 74」を通して体感できる。ステンレススチールとゴールドPVDコーティングの2モデル展開され、コンパクトでジェンダーレスなデザインの「PSR 74」は、デジタルウオッチの魅力を引き上げる存在になるだろう。

ハミルトン「PSR 74」 Ref.H52304130 12万1000円/クオーツ。ステンレススチールケース&ブレスレット。サファイアクリスタル風防(両面反射防止加工)。縦25.6×横30.9mm。厚さ12.4mm。10気圧防水。

 

問い合わせ先:ハミルトン/スウォッチ グループ ジャパン TEL.03-6254-7371 https://www.hamiltonwatch.com/ja-jp/ ※価格は記事公開時点の税込価格です。

Text/平野翔太(WN編集部)