世界で日本だけ!? オンライン販売限定のはずの「コロキウム」腕時計が東京・大阪の実店舗にて展示販売を開始

ラテン語の「談話」を語源とするColloquiumを、あえて異なる綴りでブランド名にしている点からもわかる通り、kollokium(=コロキウム)はひとクセもふたクセもある腕時計を展開している。わざわざブランドなどと本稿で記さないのも、彼らの意思を尊重してのこと。彼ら、とは立ち上げメンバーである3名のクリエイターである。

これまで実店舗を置かず、オンライン販売のみで展開してきたコロキウムが日本でも時計の展示販売を行うことを記念して、改めて彼らの取り組みを詳しく取り上げていく。

コロキウムとは実験的な時計のプロジェクトである

「Projekt 01 Variant G “Powder Blue”」の文字盤クローズアップ。

コロキウムは、スイス時計を愛する3名のクリエイターによって創設された。数々の高級時計ブランドのCEOを歴任してきたマニュエル・エムシュ、多くの有名ブランドでアイコニックな時計を手掛けてきたデザイナーのバート・ヌスバウマー、スイス独立時計界を代表するコンセプター/インフルエンサーのアムール・シンディの3名が集結し、2020年よりプロジェクトを始動。コロナ禍での立ち上げということもあり、これまでに手掛けてきたプロダクトは、すべてオンラインECのみで販売。いずれも完売を記録してきた。

右からマニュエル・エムシュ、バート・ヌスバウマー、アムール・シンディ

そうした背景もあり、購入前に実機を見るには海外の主要時計フェアに限定されていたのである。それが、2025年12月より東京のISHIDA表参道(東京都渋谷区神宮前4-25-15 B1F)、大阪のNEXT BRIDGE by Fortune Time(大阪府大阪市中央区南船場4-10-3)の2店舗にて展示販売することになったのだ。日本にいる身としては実感が薄いかもしれないが、世界の時計愛好家からすればこれはとても大きなニュースである。

なお、今回の日本上陸に合わせてコロキウムは株式会社ドラゴンアーツとともに「kollokium Tokyo Outpost(コロキウム トウキョウ アウトポスト)」を設立。アフターサービス体制を含む国内でのサポート体制も構築した。オンラインECのみで展開する海外の独立系マイクロブランド自体はもはや珍しい存在ではない。ただ、購入した時計に万が一のトラブルが発生した際に日本にいながら正規のカスタマーサポートが受けられることは、このうえない安心感があるだろう。

「ブルータリズム建築」を強く想起させるデザイン

肝心のコロキウムの腕時計について見ていこう。まず、これらはコレクション名ではなく、すべてプロジェクトナンバーで区分けされている。日本で見ることができるモデルは2型あり、ひとつは「Projekt 01 Variant F “Violet”」、もうひとつが「Projekt 01 Variant G “Powder Blue”」である。どちらも「プロジェクト 01」と呼び、ピンが突き刺さったような文字盤が特徴。高さのあるサファイアボックスクリスタル風防のおかげで、文字盤の立体造形をサイドビューからも楽しめる。

秒針の色違いで2タイプ展開される「Projekt 01 Variant G “Powder Blue”」。三角形のバルブ型リューズも個性的

ムーブメントを格納するコンテナとラグ&ケースバック一体型の2パーツ構造のケースは素材に316Lステンレススチールを採用。これらは通常の高級時計ではまず使われない鋳造方法の一種、ダイキャストによって成型されている。どこか粗さも残る唯一無二のデザインは、コンクリートやガラスなど素材そのままの特徴を全面に打ち出した「ブルータリズム建築」にも通じるところがある。

暗所での「Projekt 01 Variant F “Violet”」イメージ。無骨なケースの造形がよくわかる。左側面にエンボス加工で記された「K.P-N°01」の文字は、コロキウムのプロジェクト 01を示す

そのような造形から「腕時計は工業製品である」というメッセージが込められているのかと思えば、先述の文字盤に突き刺さる488本、ないしは468本のピン(いずれも6種類の高さのピンの組み合わせで構成)は、すべて手作業によって1本1本セットするアートウオッチの如き手の込みよう。しかも、それらのピンは蓄光処理を施した特殊仕様。暗闇では全く別の表情を見せるのである。

2型を発光状態で撮影した状態。左はLichtblock™(セラミックレジン)に溶け込ませた 488 本のスーパールミノバピンを持つProjekt 01 Variant F “Violet”。右はスーパールミノバを塗布したブルーPVD 仕上げの468 本のピンを持つProjekt 01 Variant G “Powder Blue”。

直径40mm、厚さ11.0mm(風防込み)のケースは、ストレッチするファブリック製ストラップによって装着する。このストラップはバックルに変わってフック方式を採用しており、受け側のストラップに段階的に設けられた専用ループにフックをひっかけることで着用する仕組みとなっている。それゆえ手首周りの太さに関わらず、誰もがしっかり装着可能。これもまたコロキウムならではの特徴と言えるだろう。

モデルによる着用イメージ。ストラップが手首にしっかりフィットしていることがわかる。

なお、ここまで見てきて東京・大阪の各店舗に行けば確実に見られるというノリで書いているが、実際はVioletの世界限定399本、Powder Blueの499本、いずれもオンライン販売分はすべて完売済み。もし店頭で見られたら「超ラッキー!」というぐらいに希少なモデルであることに変わりはない。

なお、これ以外にもコロキウムは複数のタイムピースを発表しているので、興味のある方はぜひ公式ページをみていただきたい(完売だが)。

kollokium「Projekt 01 Variant F “Violet”」91万7400円 世界限定399本
kollokium「Projekt 01 Variant G “Powder Blue”(左G1、右G2)」79万1450円 世界限定499本(2本合計)

Projekt 01共通スペック:自動巻き(ラ・ジュー・ペレ製Cal.G101)、毎時2万8800振動、約68時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース。直径40.0mm、厚さ11.0mm(風防なし9.3mm)。ストレッチ仕様のファブリックストラップ。5気圧防水。

問い合わせ先:コロキウム トウキョウ アウトポスト Tel. 03-3562-2071
Instagram.com/kollokium_tokyo_outpost
https://kollokium.com/

Text / Daisuke Suito (WATCHNAVI)