モンブランのSIHH2017先出し新作はブロンズケース採用のヒストリカルウオッチ
2017年のSIHH会場発表を前に、モンブランが最新作を世界のメディアに向けて発信しました。名門ミネルバの伝統を継承する1858コレクションから先行発表された、個性的なブロンズケースのモデルを取り上げます。
初の試みとなるブロンズケースの採用
SIHH2017開催を前に、A.ランゲ&ゾーネ、ボーム&メルシエ、ヴァシュロン・コンスタンタンなど、複数のブランドが新作を発信しています。どれも、かなり注目度の高い製品ですが、モンブランの先行発表モデルも負けていません。
1858年は、スイスのヴィルレにミネルバの工房が建設された年です。2007年からモンブランはミネルバの伝統を掘り起こし、当時の機能、機構、デザイン仕様にヒントを得る取り組みをしていますが、その集大成として2015年に発表されたのが1858コレクションでした。
このコレクションは、1930年代にリリースされたミネルバのミリタリークロノグラフをアレンジしたもので、独特のクラシックデザインが大きな魅力となっています。これにブランドとして初めてブロンズケースを使用した3つのモデルが、最新作として登場します。
最もミネルバの歴史が反映されたモノプッシャークロノグラフ
2カウンターインダイアルの距離をかなり離した設計はミネルバのクロノグラフの個性。これを現代に甦らせ、かつブロンズケースの採用でヴィンテージスタイルを強調したのが、1858クロノグラフ タキメーター リミテッドエディションです。
直径44mmのブロンズケースは総サテン仕上げで、ケースバックにはアレルギー対策としてブロンズカラー仕上げのチタンをセット。アリゲーターストラップは、フィレンツェにあるモンブラン プレテリアで製作されたコニャックカラーのものを備えています。
ムーブメントは、コラムホイールで制御される水平カップリング構造のモノプッシャークロノグラフ、ミネルバMB M16.29を搭載しています。
この機械は、1930年代に懐中時計および腕時計用に設計されたCal.17.29に着想を得て作られており、仕上げは異なるモノのほぼ同じシェイプのパーツを使用。Vシェイプのクロノグラフブリッジや毎時1万8000振動する大きなチラネジ式テンプなど、見た目でもミネルバの歴史が楽しめます。
完全自社開発・組み立てのデュアルタイムウオッチ
1858オートマティック デュアルタイムは、SS製ケースにブロンズ製のベゼルとリューズを結合。伝統的なブラックダイアルにホームタイム表示とデイ/ナイト表示を備えた実用モデルです。
搭載するのはCal.MB29.19。完全自社開発・組み立ての自動巻きムーブメントとなっており、ホームタイムの時針を動かさず、時計も停止させることなく、ローカルタイムの時針を新たな目的地のタイムゾーンに合わせることができます。
デイ/ナイトは中央のホームタイム針と連動して12時位置の小窓で表示。6時位置にはスモールセコンドとともにローカルタイムと連動するデイト表示もあります。
ヴィンテージスタイルがシンプルに堪能できる自動巻きモデル
1858オートマティックは、1930年代のミネルバのミリタリーウオッチや懐中時計に通じるデザインが魅力的な一本。他の2本と同じくベージュのスーパールミノヴァが塗布されたカセドラル針とアラビア数字インデックスを備え、フィレンチェのモンブラン プレテリアで製作されたコニャックカラーのストラップが採用(素材はカーフ)されています。
ケースバックには、ジュラ山脈を背景にヴィルレのミネルバ マニュファクチュールと共に、昔のミネルバのロゴ、Roberts Frères Villeretのロゴ、モンブランの名、そして女神ミネルバの槍の先端のイメージも刻まれています。
ブロンズは、持ち主がこれから歩む歳月と共に独特な古艶を成長させていきます。この個性豊かな素材を使い、1930年代のミリタリースピリットを描き出した3つの最新作は、ヴィンテージスタイルを愛する人々にとって待望の製品と言えるでしょう。