正規時計店oomiyaグループの店長4名が正直座談会【前編】 “今年の新作ならコレに注目!!”

和歌山本店を拠点に大阪、京都、鹿児島へと出店を果たし、日本を代表する正規時計販売店のひとつになったoomiyaグループ。取り扱う時計ブランド数は合計40社を超えます。店舗ごとに独自のコンセプトを掲げて揃えるブランドも異なりますが、どの店舗もあらゆる時計に精通しているリーダーが率いています。そんな店長4名に、2019年これまでに発表されているニューモデルについて、ざっくばらんにディスカッションしていただきました。

左から、和歌山本店の出水伸幸店長、鹿児島店の浅山美宏店長、京都店の岡本尚平店長、大阪心斎橋店の上村 剛店長。普段は各店の牽引役として活躍されているが、定期的に会合を開いて情報の共有や勉強会などを開いている

 

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——まず、各店ごとで販売が好調だったり、問い合わせや予約の数が多い新作を挙げていただけますか?

「ロジェ・デュブイは新コレクションのエクスカリバー ウラカンが好評」

大阪心斎橋店 上村店長:意外かもしれませんが、高価格帯のブランドが好調です。とくにロジェ・デュブイの「エクスカリバー ウラカン」は、ひっきりなしにお問い合わせをいただいていますね。ランボルギーニとの提携によって、時計界とスーパーカー界の唯一無二のコラボレーションが生まれました。特別感はもちろんのこと、デザインや機能でも価格以上のクオリティを備えています。ご購入を検討されるお客様のなかには、タグ・ホイヤーのカレラやウブロのビッグ・バンを通ってきて、そのステップアップとして選ばれるケースもあります。

大阪心斎橋店 上村店長が例に挙げた時計
ロジェ・デュブイ エクスカリバー ウラカン Ref.RDDBEX0748 567万円
チタンケース。直径45mm。5気圧防水。自動巻き

 

「つねにデザインの最先端を走るウブロはオーリンスキーが早くも定着」

和歌山本店 出水店長:いま話に挙がったウブロは、スケルトンウオッチを流行らせた第一人者です。そんなトレンドを引っ張るウブロが新たに提案するのが、フランス人現代アーティストのリチャード・オーリンスキーとのコラボレーション。昨年からスタートしましたが、その人気ぶりは驚くほどです。オーリンスキー作品に通じるエッジの効いたファセットデザインとスケルトンダイアルで、トレンドを凝縮したようなモデルといえるでしょう。今年は日本限定の「アエロ・フュージョン クロノグラフ オーリンスキー チタニウム ホワイト」が登場し、フェラーリやベルルッティのコラボと同じように定着しそうです。

和歌山本店 出水店長が例に挙げた時計
ウブロ アエロ・フュージョン クロノグラフ オーリンスキー チタニウム ホワイト Ref.525.NX.0127.LR.JORL19 209万5200円
チタンケース。直径45mm。5気圧防水。自動巻き。日本限定100本

 

——意外にも、コレクターズアイテムといえる趣味性の高いモデルが好まれているのですね。毎日着用するような、実用時計ではいかがでしょうか?

「大幅なパワーリザーブの向上がスピットファイア人気に火をつけた」

京都店 岡本店長:その分野では、IWCの「パイロット・ウォッチ・オートマティック・スピットファイア」がリアリティのある価格と高機能でお薦めです。既存の3針式マークXVIIIはパワーリザーブが42時間ですが、新作スピットファイアは自社キャリバーを採用して72時間まで伸びました。お客様にこの差を解説すると、やはり長い方を選ばれますね。デザインはクラシックというよりもミリタリー感を強めて、ケースは程良いサイズにしています。スーツの袖口にも収まりが良いので、ビジネス利用の方にはストラップはNATOではなくレザーをご紹介しています。IWCというのは、つくづく気の利くブランドだなと実感させてくれる時計ですね。

京都店 岡本店長が例に挙げた時計
IWC パイロット・ウォッチ・オートマティック・スピットファイア Ref.IW326801 57万2400円
ステンレススチールケース。直径39mm。6気圧防水。自動巻き

 

「多様化するビジネスファッションにも適応する新生ダイバーズ」

鹿児島店 浅山店長:パネライは、その個性的なフォルムやビッグケースからビジネスウオッチとしては候補になりにくかったのですが、新作「サブマーシブル 42mm」はそのイメージから脱却する1本です。近年、“ビジカジ(=ビジネスカジュアル)”というキーワードが出てきたように、スーツまたはジャケットにノーネクタイ、リュック、スニーカーといった、柔軟性のあるスマートなビジネススタイルが浸透しました。この時計はそんな時代にこそ相応しいデザインで、パネライらしさも受け継いでいます。ブラックカラーが人気ですが、ベゼルとラバーストラップがブルーのグレーバリエーションも売れています。

鹿児島店 浅山店長が例に挙げた時計
パネライ サブマーシブル 42MM Ref.PAM00959 116万6400円
ステンレススチールケース。直径42mm。30気圧防水。自動巻き

 

——それぞれ店舗ごとで異なる新作が挙がりましたが、出店エリアの特性などは関係あるのでしょうか?

和歌山本店 出水店長:直接的な関係性は定かでありませんが、和歌山では休日の着用を楽しむ、デザインに趣向を凝らした時計の販売が伸びていますね。

京都店 岡本店長:京都店では70%くらいがビジネスでの使用を想定したお客様です。そのためシンプルな、一週間を通して着用できるモデルが人気です。

大阪心斎橋店 上村店長:うちの店舗も概ねその比率。京都店と同じように周りがオフィス街ということもあり、ビジネスパーソンの方のご利用が多いです。そのため、ブレスレットよりもスーツに合わせやすいレザーストラップの時計を意識して揃えています。

鹿児島店 浅山店長:鹿児島店の場合、仕事で使う時計をお探しの方と休日を楽しむための時計をお探しの方が、ほぼ50対50です。ただし、ビジネスでの着用を想定している方は、オン・オフ両方で使えるモデルを選んでいる傾向が強いですね。

 

——以前は、あらゆるシーンに使える時計が重宝されていました。しかし現在は、それが絶対的とはいえなくなってきているのでしょうか?

「“ラグスポ”の次はハイクラスクオーツが盛り上がりを見せている」

鹿児島店 浅山店長:確かに、趣味嗜好の多様化によって時計のデザインも拡大しています。仕事には不向きですがカジュアルファッションには映える、またはその逆の時計もあります。ですがその中で、仕事にもプライベートにも適応する、いわゆる“ラグスポ(ラグジュアリースポーツ)”が確立してきたのだと考えられます。目を引く美しいデザインや安心感のある防水性能を備えるモデルは、オン・オフどちらも使ううえで理想的といえます。

——しかも、高級機しかなかった“ラグスポ”が、手の出しやすい価格帯から生まれてきた?

和歌山本店 出水店長:その通りです。ここ数年でバリエーションを増やしているモーリス・ラクロアのアイコンが、良い例でしょう。発表時、クオーツのみに絞った奇策も当たりました。そういえば、ハイクラスのクオーツという潮流もありますね。GMT付きの「グランドセイコー スポーツコレクション クオーツGMTモデル」もお薦めな1本で、クオーツ+GMTというありそうでなかったジャンルということもあって、20代から30代の若い層にも受け入れられています。グランドセイコーは新作ダイバーズを含めて、信頼性の高いクオーツで新規ユーザーの獲得に成功しています。

グランドセイコー スポーツコレクション クオーツGMTモデル Ref.SBGN005  35万6400円
ステンレススチールケース。直径39mm。10気圧防水。クオーツ

 

——これまで高級時計に興味を持たなかった人が、目を向けてくれることは大いに歓迎したいですね。そういった意味で間口を広げるブランドとしては、4店舗すべてで取り扱っているのがタグ・ホイヤーです。この人気ブランドの新作はいかがでしょう?

「マーケットを熟知するタグ・ホイヤーだからこその1本」

京都店 岡本店長:今年マイナーチェンジされた「タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー02 クロノグラフ」がイチオシです。搭載するムーブメントがホイヤー01から02に変更されて、縦目だったカウンターが横目になり、すっきりしたシンメトリーデザインが完成しました。メカニカルな構造が楽しめる好評のスケルトンダイアルも継続。サイズは43mmと45mmがあり、素材、ベゼルカラー、ストラップのバリエーションも豊富なので、お好みの1本がきっと見つかると思います。

大阪心斎橋店 上村店長:それに、ホイヤー02への変更によってパワーリザーブが80時間へと大幅に向上しましたし、高性能な垂直クラッチも採用しています。クロノグラフとして、ひとつ上のランクに格上げされました。しかもマイナーチェンジ前と価格差がない。今年もっともお得感の強い新作といえるのではないでしょうか。実際、リリース以降、順調にセールスを伸ばしており、今後のタグ・ホイヤーの中核を担うコレクションになるでしょう。

タグ・ホイヤー タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー02 クロノグラフ Ref.CBG2A10.BA0654 64万2600円
ステンレススチールケース。直径45mm。100m防水。自動巻き

 

後編では、和歌山本店、大阪心斎橋店、京都店、鹿児島店それぞれがとくに力を入れているブランドや、近年の時計界の潮流について、じっくり語っていただいた内容をレポートします。乞うご期待!!

 

<取材・撮影協力>
oomiya 大阪心斎橋店

大阪ミナミのラグジュアリーブランド街、心斎橋の御堂筋から西に1本入った南船場エリアに位置。広々とした店内は、エントランス近くにエントリークラスのブランドが並び、A.ランゲ&ゾーネやロジェ・デュブイといった至高のブランドも数多く揃える

TEL:06-6251-0077
住所:大阪府大阪市中央区南船場4-7-6
営業:11:00~20:00
定休日:水曜
https://www.jw-oomiya.co.jp

※各店の取り扱いブランドは、オフィシャルサイトで確認できます