時計専門誌ウオッチナビが「モーリス・ラクロア」の新作から厳選3本解説――注目は、ひとつボタンのクロノグラフ
歴史あるスイス時計界ではまだ若い、1975年創業の「モーリス・ラクロア(MAURICE LACROIX)」だが、多くの特許技術を有し、ユニークな機構や意匠で瞬く間に名声を得た。近年では2016年発表の「アイコン」で話題を振りまいているが、最新作として発表されたのは同社の実力が遺憾なく発揮されている「ポントス」より、次の3モデルである。
流行のグラデーションダイアルとワンプッシュクロノグラフを融合
1本目は、世界にたった500本しか製造されないレアなブラッククロノグラフ。PVDコーティングで美しいツヤのある漆黒の色合いと硬度が高められたケースに、通常はスタート兼ストップとリセットが分けられているプッシュボタンをひとつにまとめたクロノグラフムーブメント、キャリバーML166を搭載。中央にタキメーター(ブルーのライン)とテレメーター(レッドのライン)、スネイル仕上げとサンドブラスト加工を施した2カウンターを備える文字盤は、トレンドを取り入れてグラデーションカラーのサンブラッシュ仕上げとしている。ケースバックにはガラスがセットされており、ここから伝統的なペルラージュやコート・ド・ジュネーブなどで丁寧にフィニッシングされたメカを鑑賞できる。
裏蓋にポントス20周年を記念する特別なエングレービングを施す
ポントスコレクション誕生20周年を祝うべく開発された、気品あるブルーを使ったモダンデザインの新しいクロノグラフも登場。あくまでも時計としてのコードを踏襲し、スーツにもマッチする洗練されたスタイルを確立しているのは、“時の流れを超えた困難な探求”というポントスのテーマに沿ったもの。リューズをガードするように配置されたプッシャーは長方形を成しており、ベゼルにはわずかな傾斜をつけて表面をポリッシュ、エッジ部分をサテンで仕上げて細部の美しさにこだわった。同じく加工ではラグにも注目!! ワシの嘴をイメージさせる形状で、サテンとポリッシュを巧みに使い分けて高級感を演出している。ホワイトラッカーダイアルに植字によるアラビア数字インデックスをあしらったのは、ポントスではこの新作が初めてということだ。
モダンクラシックの名機を実用的なデイデイトモデルとして
固有のスタイル、装飾、コントラスト、力強いラインにより、ビジネススーツにも似合うドレスウオッチとして完成の域にあるポントスの新しいデイデイトモデル。サンブラッシュ仕上げのシルバーダイアルに、ローズゴールドカラーに加工された針とインデックスをセット。文字盤の上部に曜日を、下部に日付の表示窓を設け、バランスの取れたシンメトリーデザインとすることで“才色兼備”な表情を作り出した。理にかなった41mmサイズ、安心感のある防水スペック、剛性の高い3連ブレスレッ トなど、日本人好みのオーソドックスな仕様に加え、20万円台前半というコストパフォーマンスの良さも魅力といえる。
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