文字盤内に月の満ち欠けが楽しめるムーンフェイズは、人気複雑機構の1つだ。本記事では、ウオッチナビ編集部がセレクトしたロマン溢れるムーンフェイズを搭載した時計を3つ紹介する。
「フラッグシップ ヘリテージ」にムーンフェイズ搭載
ロンジンは1950年代後半に誕生したブランド初のコレクション「フラッグシップ」のヘリテージラインとなる「フラッグシップ ヘリテージ」にムーンフェイズモデルを発表した。38.5mmのステンレススチール製ケースに、ムーンフェイズの複雑機構を備える自動巻きムーブメント、キャリバー L899.5を搭載しており、「フラッグシップ ヘリテージ」のシンプルかつエレガントなルックスはそのままに、新たに追加された文字盤6時位置のスモールダイアルで月の満ち欠けを表現する。
「フラッグシップ ヘリテージ」は2モデルが用意され、基本スペックは共通となるが、文字盤、インデックス、アリゲーターストラップの仕様が異なる。オパーリンシルバー文字盤を採用したモデルは11個のアプライドインデックス、時・分・秒針、スモールダイアルの針と月と星をゴールドでデザインし、深いブラウンのアリゲーターストラップと組み合わせることで、クラシカルな雰囲気を際立たせた印象。サンレイシルバー文字盤を採用するモデルでは、アプライドインデックスをはじめとする文字盤上のディテールの多くにシルバーを用いて、統一感をもたらしている。また、グレーのアリゲーターストラップとの相性も良く、スタイリッシュな魅力が強調されている。
1957年のオリジナルモデルのディテールを再現
緩やかな膨らみを見せるドーム型の文字盤が採用されているが、これは1957年のオリジナルモデルに着想を得たディテールとなる。立体的なドーフィン型の時針と分針には、スーパールミノバ®が塗布され、暗所において優れた視認性を確保している。ねじ込み式ケースバックには、「フラッグシップ ヘリテージ」のエンブレムとなる3本のマストを持つキャラベル船のゴールドメダリオンと「Flagship」の文字が刻印されている。また、装着感にもこだわりが反映されており、短めに設計されたラグは腕元にスマートにフィットし、新開発のピンバックルを装着したアリゲーターストラップストラップと組み合わせ、装着感を高めている。
ロンジン「フラッグシップ ヘリテージ」 Ref.L4.815.4.78.2 44万330円/自動巻き(Cal.L899.5)、毎時2万5200振動、約72時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース、アリゲーターストラップ。サファイアクリスタル風防(両面多層反射防止加工)。直径38.5mm、厚さ12.4mm。3気圧防水。
問い合わせ先:ロンジン/スウォッチ グループ ジャパン TEL.03-6254-7350 https://www.longines.com/jp/ ※価格は記事公開時点の税込価格です。
アナログ式光発電腕時計として世界初の月齢自動計算機能「ルナプログラム」を備える
2023年、シチズンが1993年に世界初となる多局受信型電波時計を発売してから30年を迎えた。この節目に、ムーンフェイズ機能を備える新ムーブメント「キャリバーH874」を開発。アナログ式として世界で初めて月齢自動計算機能「ルナプログラム」を実現した。この先進機能とエコ・ドライブ電波時計を同時搭載するモデルとして、「シチズン アテッサ エコ・ドライブ電波時計 ダイレクトフライト ムーンフェイズ」が誕生することとなった。
本機が備える「ルナプログラム」とは、電波受信した日付情報からその日の正確な月齢を算出してムーンフェイズに自動表示するもの。ムーンフェイズの演出にも注力しており、特殊な印刷と金属電着の技術を使い、星が煌く夜空にシルバームーンを描き、月に被さる部分はグラデーション状に一部を透けさせることでもうひとつの隠れた月の動きも表現している。また、北・南半球月齢表示を切り替えるNSシフトも搭載している。
ケースは軽量かつ堅牢なシチズン独自のスーパーチタニウム製
41.5mm径のケースは、ステンレスに比べて40%軽く、5倍以上の表面硬度を実現したスーパーチタニウムを採用。スポーティなケース形状でありながらラグに緩やかなカーブを持たせることで、アクティブかつエレガントなスタイルを確立。装着感に優れる。また、多針式でありながらすっきりとした印象の黒文字盤をセレクトしており、視認性も高い。
その他の機能も充実しており、太陽や室内照明の光で発電する独自のエコ・ドライブを搭載。定期的な電池交換を不要としている。そして10万年に1秒の誤差とされる原子時計をもとに送信される標準電波の受信装置を備えており、日本、中国、アメリカ、ヨーロッパの4エリアにおいて時刻やカレンダーを自動的に修正する。これら以外にもJIS規格(日本産業規格)によって定められている第1種耐磁、衝撃検知機能、針自動補正機能の3つを一体化させた「パーフェックス」、2ステップの操作で世界各地のタイムゾーンへと切り替えられる「ダイレクトフライト」も装備。世界を旅するトラベラーや海外とのやり取りが多いビジネスマンにとって、利便性の高いモデルといえる。
「シチズン アテッサ エコ・ドライブ電波時計 ダイレクトフライト ムーンフェイズ」 Ref.BY1001-66E 13万7500円/クオーツ(Cal.H874/光発電エコ・ドライブ)。スーパーチタニウムケース&ブレスレット(デュラテクトチタンカーバイト)、サファイアクリスタル風防(無反射加工)。直径41.5mm、厚さ10.8mm。10気圧防水。
問い合わせ先:シチズンお客様時計相談室 TEL.0120-78-4807 https://citizen.jp/ ※価格は記事公開時点の税込価格です。
ブルーグラデーションで神秘的な星団を表現
クラシックコレクションの最新作「メカニカルムーンフェイズ M45」は、初代オリエントスターから続く不変的な機能美を備えながら、夜空を彩る神秘的な星団「M45(すばる)」をブルーグラデーションのダイアルに表現した、ブランド渾身の一本である。「すばる」は初冬の東の空に⾒られるおうし座の散開星団のことで、⻘を帯びた⽩い光を放ち、時や季節の⽬印とされてきた。
印象的なブルーグラデーションダイアルは、無数の星々を表現するために表⾯に型打ちを施したもので、その模様は光の当たる⾓度によって表情が異なり、星がきらめく情景を巧みに再現している。絶妙な色合いは、独⾃調合の塗料をグラデーション専⽤機で⾊の濃さや幅を調整しながら塗布してつくり上げた色彩で、中央のブルーから徐々にブラックへと変わる特異なカラーを実現した。さらにこの塗装⾯を通常のクリア塗装より厚く透明なラッピング塗装で覆うことにより、夜空の奥深さをも見事に表現している。
このブルーグラデーションダイアルは、12時位置のパワーリザーブ表⽰、6時位置の指針式の⽇付カレンダーを併せ持つムーンフェイズ表⽰の部分を別体とした二枚構造となっている。また、ダークトーンのローマ数字インデックスは複数回重ねて印刷を行って、⽴体感と陰影を形成。蒸着めっきでブルーに仕上げられた時分針は、夜空を描いたダイアルに溶け込みながらも鏡⾯と筋⽬の仕上げ分けで判読性を保っている。
⾼品質なSUS316Lステンレススチールに⿊めっき加工をしたケースは暗闇を、インデックスやパワーリザーブに配された⾦⾊のドットで「M45(すばる)」でひときわ輝く星を表現するなど、ブルーグラデーションダイアルの表面以外にも多数のこだわりが施されている「メカニカルムーンフェイズ M45」。わずかな生産本数のため、購入には予約を含めた検討が必要となりそうだ。
オリエントスター「メカニカルムーンフェイズ M45」 Ref.RK-AY0117L 30万8000円/自動巻き(自社製Cal.F7M65)、50時間以上パワーリザーブ。ステンレススチール(黒色めっき、シースルーバック)、レザーストラップ、両球面サファイアクリスタル風防(SARコーティング)。直径41mm、厚さ13.8mm。5気圧防水。公式オンラインストア「with ORIENT STAR」限定45本。
問い合わせ先:オリエントお客様相談室 TEL.042-847-3380 https://www.orient-watch.jp/product/ ※価格は記事公開時点の税込価格です。限定モデルは完売の可能性があります。
Text/平野翔太(WN編集部)