1884年、スイスのサンティミエで創業されたラグジュアリーウオッチブランド【ブライトリング(BREITLING)】が、パワフルな「アベンジャー」の装いを新たにした。シャープなステップドラグにスクエアボタン、「B」ロゴなど、より個性豊かになった新世代コレクションの全容を解明する。また、ブライトリングCEOへのインタビューも紹介。
キャリバー01搭載の屈強パイロットウオッチ
おそらく2023年最後の大型新作となる、新世代アベンジャーが登場した。中でも注目は、キャリバー01を搭載したクロノグラフだ。インダイアルが横並びになり、ボタンはスクエア型へと変更。サイズは先代機の中間をとった直径44mmが採用された。ブラック版の「ナイトミッション」はケースがチタンDLCからセラミックになり、漆黒ボティの輝きをより長くキープする。
ともに生まれ変わったGMTとオートマチックを含め、複数のカラバリを揃え、そのそれぞれにミリタリーレザーストラップを用意。さらにナイトミッションを除くすべてに3連ブレスレットの選択肢もあり、自分好みの一本を選ぶ楽しみは尽きない。もちろん全品COSC認定クロノメーターで、30気圧防水も共通。この信頼感は、ぜひ一度体感してほしい。
「アベンジャー B01 クロノグラフ 44」
Ref.AB0147101L1X1 103万9500円
スポーティ仕上げのブライトリング キャリバー 01を搭載した自動巻きクロノグラフは、スクエア型のプッシャーを採用。屈強な雰囲気が漂うケースで30気圧防水を確保。操作性に優れる大型リューズはねじ込み式だ。
スペック:自動巻き(自社製Cal.ブライトリング01)、毎時2万8800振動、約70時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース(シースルーバック)、カーフスキンレザーストラップ、ドーム型サファイアクリスタル風防(両面無反射加工)。直径44mm、厚さ15.2mm。30気圧防水。
「アベンジャー B01 クロノグラフ 44 ナイト ミッション」
Ref.SB0147101I1X1 123万7500円
ブラックセラミックケースを採用した「ナイトミッション」は、文字盤にカーボンを使ったオールブラックと、鮮やかなイエローダイアルで展開。高硬度素材にもヘアライン仕上げを施すなど、新型のデザインコードに則った。シースルーバックやボタンなどはチタン製で、サイズやスペックはステンレススチールモデルと共通だ。
スペック:自動巻き(自社製Cal.ブライトリング01)、毎時2万8800振動、約70時間パワーリザーブ。セラミックケース(シースルーバック)、カーフスキンレザーストラップ、ドーム型サファイアクリスタル風防(両面無反射加工)。直径44mm、厚さ15.2mm。30気圧防水。
「アベンジャー オートマチック 42」
Ref.A17328101L1X1 59万9500円
ブライトリングキャリバー17を搭載したセンターセコンド仕様は、直径42mmのケースを採用。12.15mmと薄いながらも30気圧防水を有し、いかにも使い勝手の良さそうな一本となっている。象徴的なライダータブが付いた逆回転防止ベゼルはよりスムーズな操作感になった。
スペック:自動巻き(Cal.ブライトリング17)、毎時2万8800振動、約38時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース、カーフスキンレザーストラップ、ドーム型サファイアクリスタル風防(両面無反射加工)。直径42mm、厚さ12.1mm。30気圧防水。
「アベンジャー オートマチック GMT 44」
Ref.A32320101B1A1 73万7000円
ブライトリングのコレクションの中でスリムさが際立つ、厚さ12.05mmのGMT仕様。GMT針を備えた自動巻きのブライトリングキャリバー32を搭載。両方向回転式の24時間ベゼルとの併用で、異なる3つの時間帯がこの時計一本で把握できる。
スペック:自動巻き(Cal.ブライトリング32)、毎時2万8800振動、約42時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース&ブレスレット、ドーム型サファイアクリスタル風防(両面無反射加工)。直径44mm、厚さ12.05mm。30気圧防水。
ブライトリングCEO ジョージ・カーン氏へのインタビューが実現
アベンジャーのリニューアルを受け、ウオッチナビはブライトリングにCEO取材を要請。インタビューで語られた新作の真意と今後の展望とは!?
↑ブライトリングCEO ジョージ・カーン氏/2002年から長らくIWCを率いたのち、2017年からブライトリングCEOに就任。コレクション再編“SQUAD”コンセプトのアンバサダー起用など、全体の再構築を積極的に行い、現在のブランドの地位を築いた。
ミリタリーの要素は残しながら本格的になりすぎない色を追求
新型アベンジャーを最初に見た筆者の感想は、「非常にシンプルでクールな仕上がり」だった。その印象をそのままカーン氏に伝えつつ、話を聞いた。「アベンジャーには過酷な環境下のジェット機のパイロット向けに製作されましたが、新型では多くの人が普段から使えるデザインを心がけました。例えばグリーンの文字盤ですが、軍用という出自を醸し出しつつ本格的すぎない色味を追求しました。ブルーやサンドも同様です。また、ブライトリングは将来的に小型の時計を除き全コレクションにおいてインハウスムーブメントの搭載を目指しています。クロノグラフにキャリバー01を搭載したのは、その一環です。2019年のリニューアルではコルトと統合し、今回の新作で装着感や性能、デザインにおいてより今のブライトリングに相応しいスタイルが完成しました。私は全コレクションの再編に合わせ、よりシックにしていきたかったのです」
↑新型アベンジャーについて、モダンかつ“テイストフル”なパイロットウオッチと語ったカーン氏。緻密な目盛りをフランジに置くことで、カラーダイアルが印象的に映える。この文字盤デザインによりマッチするとの判断から、ロゴは翼からBへと変更となった。
シックなアベンジャーと創業140周年への期待
今回のリニューアルに関して、どれほど意見したのか尋ねたら「a lot(=たくさん)」と答えたカーン氏。まさに陣頭指揮を執るCEOは、これからどのような展望を描いているのか。「ブライトリングは、『ナビタイマー』『クラシック・アヴィ』、そして『アベンジャー』という、テーマの異なる3つのコレクションを持つ航空時計のスペシャリスト。これは事実です。一方で1940年代以降にプレミエやスーパーオーシャンなど、パイロットウオッチ以外も手掛けてきました。その当時から、現在でいうところの陸・海・空、マルチパーパス、プロフェッショナルに近いコレクション区分の考え方はありましたし、歴史的にも飛行士だけのブランドではなかったのです。私はブライトリングは“ジェネラリスト”だと考えています。多くの人に愛されるブランドであるべきだと。今年の9月にはナビタイマーの32mmと36mmを発表しましたが、今後は、様々なコレクションに小さいサイズの選択肢を加えていくプランがあります。……38mmなら誰でも着けやすいサイズだと思いませんか。明言はできませんが、来年は創業140周年という節目ですし、色々な計画が進行しています。楽しみにしていてください」
↑2023年9月に発表になったナビタイマー36と32は、“小さめの腕時計の外観と感覚を好む人向けに”(リリースより引用)開発されたもの。この記載の仕方にも「ジェネラリスト」の方針が伝わる。また、ラボグロウンダイヤや追跡可能なベター・ゴールドの採用などの取り組みも最近のブライトリングの重要なトピックスだ。
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問い合わせ先:ブライトリング・ジャパン TEL.0120-105-707 https://www.breitling.com/jp-en/ ※価格は記事公開時点の税込価格です。
Text/水藤大輔(WATCHNAVI編集部) Photo/山口雅則
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