“国民的ウオッチ”と言える【G-SHOCK】は1983年に誕生し、2023年にデビュー40周年を迎えた。この節目を機としたドリームプロジェクトの第2弾として、外装設計に生成AIを活用したヒトとAIが作り上げた18Kイエローゴールド素材の特別なモデルを開発。世界的なオークションハウスにチャリティー出品され、予想を大きく上回る落札価格で競り落とされた。
AIとのコラボレーションによってG-SHOCKは新たなステージへ
G-SHOCKのファーストモデル誕生から40年の節目に、ドリームプロジェクトが再び発動された。これを機に、カシオ開発陣の頭脳と生成AIを融合する新たな試みに着手し、いわゆるジェネレーティブデザインの外装を実現。新耐衝撃構造も創出した。これらを用い、唯一無二の「G-D001」が完成したのである。
↑フェイスには有機形状のバンパーパーツをあしらい、内部のメカニズムを見えるようにしている。ムーブメントは専用設計で、メタル製のメインプレート、シリコン製の歯車、ルビーの軸受などを配置
「G-D001」は、35周年時のドリームプロジェクト第1弾では困難だった緩衝材なしのフルメタル耐衝撃構造を可能としており、ベゼルからバンドまで熟練職人が磨き上げたイエローゴールドを使っている。なおコンセプトモデルとして製作されたためわずか1本のユニークピースとなっており、ニューヨークのオークションハウス「フィリップス(PHILLIPS)」に先月出品。チャリティーオークションの形式が取られ、予想落札価格を大きく超える約40万ドル(1ドル=146円換算でおよそ5800万円)で落札されたのだ。
↑搭載スペックもG-SHOCKらしいもので、世界6局の標準電波に対応し、ソーラー(タフソーラー)で駆動する
カシオが40年間に築いてきた耐衝撃性ほか各種機能の技術に加え、ヒトとAIによるデザインや設計を取り入れた未来のG-SHOCK「G-D001」は、テーマ「BREAK THE BOUNDARY(境界を壊す、超える)」のもとに開発された。この新技術によってG-SHOCKはさらなる進化を遂げるのか!? 今後もその動向に目が離せない。
構成・文/山口祐也(WATCHNAVI編集部)