伝統と革新を理念とし、卓越した技術で数々の傑作時計を輩出してきた【ブランパン(BLANCPAIN)】は、現存する世界最古の時計ブランドという特別な存在だ。そんな歴史深きブランパンは、社会貢献の一環として海洋環境の保全を目的とした活動を以前から行っている。海に囲まれたここ日本だからこそ、その貢献度についていま一度振り返ってみたい。
↑右のダイバーが、「ブランパン オーシャン コミットメント」の支援を受けてシーラカンスの生態を研究する「ゴンベッサ・プロジェクト」のリーダー、ローラン・バレスタ氏。長時間の潜水を可能とするリブリーザーを使うプロフェッショナルダイバーで、海洋研究科のほか水中写真家としても活躍。©️ BLANCPAIN
ラグジュアリーブランド随一の規模を誇る海のエコロジカルな活動
現在のダイバーズウオッチを形作ったベンチマークモデル「フィフティ ファゾムス」を、ブランパンが発表したのが1953年のこと。フランス海軍の特殊潜水部隊向けに開発されたことをルーツとするが、ダイビングが海のレジャースポーツとして広がりつつあった時代背景や、ダイビングツールとして市販化されたこともあって「フィフティ ファゾムス」は普及した。そのような経緯により、ブランパンは70年以上も前から海に関するコレクションを展開してきたのである。
そしてブランパンは、海への敬愛を表すアクションとして2014年に「ブランパン オーシャンコミットメント」を提言するに至った。海洋保全の活動を行う団体とパートナーシップを結び、それらへの支援、生態系の保護から自然に対する啓蒙、さらには470万㎢に及ぶ「海洋保護区」の設置まで、海に思いを巡らせながら包括的に取り組んでいる。
ここで、「ブランパン オーシャンコミットメント」の実績についてひとつ紹介したい。昨年9月には、フィフティ ファゾムス開発70周年を祝うイベントの一環として、「ブランパン オーシャン コミットメント」パネルディスカッションが開かれたのだ。この場には、ブランパンの社長兼CEOであるマーク A. ハイエック氏、水中写真家にして海洋研究者のローラン・バレスタ氏らが登壇し、海洋保全の重要性とブランパンの長年にわたる取り組みについて熱い議論が交わされた。ブランパンだけではなくパートナー企業などを良い意味で巻き込み、海洋保全のための具体的なアクションの必要性をそれぞれが訴え、未来志向のムーブメントを起こすことが約束された。
↑2023年9月にフランスのカンヌで開かれた「ブランパン オーシャン コミットメント 」のパネルディスカッションの様子。©️ BLANCPAIN
なお今回、新たに英字のみだが「ブランパン オーシャン コミットメント」の専用サイトが開設された。海とそこを棲家とする生物を守りたいと願う、強い志を持ったキーパーソンが熱っぽくディスカッションした内容を、オンラインで全文読むことができる。(詳細はコチラ>>>)
その他、「ブランパン オーシャン コミットメント」は2024年1月8日にはメキシコ政府による「バホス デル ノルテ国立公園」の創設に携わり、ダイビング教育機関「PADI」とブランパンのパートナーシップ延長に関与。さらには、ブランパンが支援する海洋保全団体「UNSEEN Expeditions」により、インドネシアのモルッカ諸島で実施された「The Deep Reefs of the Far East Expedition」(極東地域の深海サンゴ礁探査)プログラムを成功に導くなど、その活動はさらに高みを目指して進行している。
ラグジュアリーブランドのブランディングプランのひとつとして、確実に浸透しつつあるエコロジーな活動。両者は無縁のように見えるが、「ブランパン オーシャン コミットメント」のような持続的な行動がより良い社会を構築し、ブランドの知名度上昇にも繋がっている。時計界のこうしたアクションは、今後さらに加速してゆくことだろう。
海とブランパンを紐付けるフィフティ ファゾムスの最新作
ブランパン「フィフティ ファゾムス オートマティック」 Ref.5010-12B30-B64B 272万8000円/自動巻き(自社製Cal.1315)、毎時2万8800振動、約120時間パワーリザーブ。グレード23チタンケース(シースルーバック)、ラバーストラップ。直径42.3mm、厚さ14.3mm。30気圧防水。
ブランパン オーシャン コミットメント公式サイト(https://www.blancpain-ocean-commitment.com/en)
時計に問い合わせ先:ブランパン ブティック 銀座 TEL.03-6254-7233 https://www.blancpain.com/ja ※価格は記事公開時点の税込価格です。
Text/山口祐也(WATCHNAVI)
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