時計界最大の祭典である「ウオッチズ&ワンダーズ」を中心に、各ブランドの2025年新作について取材した。そこから見えてきたのは、「進化する定番」という時計の潮流。ウオッチナビ取材陣が推す、ベスト バイ ウオッチについて紹介する。
“進化する定番”が各社の個性を映し出す
2025年上半期のニューモデルからまず浮かび上がるのは、長年愛される定番モデルが素材・機構・ビジュアルで大胆に刷新を果たしつつ、アイデンティティを堅持する「進化する定番時計」だ。その手法はブランドごとに異なるが、デザインの継承と再解釈を同時に行なった中にシャネルやエルメスがある。それぞれのシグネチャーモデルを華麗にイメージチェンジさせ、時計愛好家たちを魅了している。
セラミックの新局面を切り拓くシャネルらしい比類なきブルー
シャネル「J12 BLEU キャリバー 12.1」 Ref.H10310 413万6000円
傷に強く、耐久性に優れ、高い強度を誇るセラミックをまとい2000年に誕生した「J12」が、25周年の節目に高耐性マットブルーセラミックを初採用。5年かけて腕時計のためだけに開発した特別なカラーで、比類なき高級感と力強さを併せ持つ。ブラックに近いブルー、ブルーに近いブラックともいうべきマットブルーと、シャネルのセンスがうかがえるインデックスのブルーサファイアとの融合によって唯一無二の美しさを獲得。数量限定。
問い合わせ先:シャネル オンライン リペア & ケア サービス TEL.0120-525-519 https://www.chanel.com/jp/
時計の既成概念を揺さぶる独自機構のデザインを一新!
エルメス「アルソー タンシュスポンデュ」 Ref.W408234WW00 663万800円(予価/8月発売予定)
時を忘れ、その瞬間に没頭する大切さを表現するかのように、9時位置のボタンを押すと、時分針が文字盤上部へジャンプし、右下のレトログラード式ポインターデイトの針が隠れ、もう一度押すと正しい表示に戻るメカニズムを搭載。2011年に発表した、このタンシュスポンデュ機構(“保留された時”の意)を2025年、デザイン的に再解釈した。文字盤の透かし加工部からは、モジュールの動きが鑑賞可能だ。エルメスらしい非対称ラグなどのタイムレスなデザインが、遊び心たっぷりの複雑機構をさらに引き立てる。
問い合わせ先:エルメスジャポン TEL.03-3569-3300 https://www.hermes.com/jp/ja/
アンスラサイトカラーが精悍な世界初の全身サーメットモデル!!
パルミジャーニ・フルリエ「トンダ PF スポーツクロノグラフ ウルトラサーメット」 Ref.PFC931-1020021-400182 655万6000円
パルミジャーニ・フルリエのシグネチャーであるローレット加工のベゼルが、他のシリーズより刻みの幅が広く、大胆な印象を与える個性派クロノグラフ。シリーズ最新作となる本機は、ケースやべゼルはもちろん、リューズ、ボタン、バックルまでに、セラミックとチタンの複合素材サーメットを用いた世界初の仕様となった。セラミック由来の高硬度と耐熱性を持ち、ソリッドな金属と同等の質感を備える。そのユニークさと文字盤に施された縦方向のサテン仕上げが好相性だ。直径42.5mm。
問い合わせ先:パルミジャーニ・フルリエ pfd.japan@parmigiani.com https://www.parmigiani.com/ja/
ウオッチズ&ワンダーズとは?
「WATCHES & WONDERS GENEVA」は、毎年春にスイスのジュネーブで開催される世界最大の新作時計ショー。2025年は4月1日~7日に開催され、過去最大となる名門60ブランドが参加。来客者5万5000人、取材者1600人、リテーラー6000人が集結した。
◎本記事は『ウオッチナビ 2025 Summer Vol.98』より抜粋・編集しています。 ※価格は記事公開時点の税込価格です。限定モデルは完売の可能性があります。
Text/WATCHNAVI編集部