1868年創業のスイスの名門時計ブランド【IWCシャフハウゼン(IWC SCHAFFHAUSEN)】がニューモデルを発表した。3つの複雑機構を搭載する「ポルトギーゼ・トゥールビヨン・レトログラード・クロノグラフ」は、世界限定100本の希少なマスターピースとなっている。税込価格は2309万4500円。
トゥールビヨンをはじめ、3つの複雑なメカニズムを備える
最新作「ポルトギーゼ・トゥールビヨン・レトログラード・クロノグラフ」は、黄金に輝く優美なケースにフライング・ミニッツ・トゥールビヨン、レトログラード式日付表示、フライバック・クロノグラフという3つの複雑機構を搭載するマスターピースとなっている。まず文字盤6時位置に配されたトゥールビヨンは、その精緻な設計と視覚的なインパクトにより、最も審美的な複雑機構のひとつと評されている。本機のトゥールビヨンは総重量わずか0.675gで、56個の微細なパーツから構成。アンクルとガンギ車を極小のケージに収め、1分間に一度の緩やかな回転を刻み続けることで、時計の振動システムに対する重力の影響を打ち消し、精度の維持に役立つ。またトゥールビヨン停止機構も備えており、完全に静止させ、秒単位の時刻調整も可能だ。
IWCの卓越した技術と創造性が希少なマスターピースを生み出した
文字盤の9時位置に備わるレトログラード式日付表示は、小さな針が弧を描く目盛り上で日にちを指し示し、月末に到達すると、針はスタート位置へと鮮やかにジャンプする。実用性だけでなく、視覚的な驚きをもたらす遊び心ある機構といえる。さらにフライバック・クロノグラフは、計測された時間と分を12時位置の積算計にて表示し、クロノグラフ作動中であってもプッシュボタンひとつで瞬時に針がゼロへリセットされ、新たな計測を即座にスタートする。パイロットが操縦中に複雑な操作を行う困難を解消するために開発された特殊機能だ。これら3つの複雑機構を備えた本機は、IWCシャフハウゼンの卓越した技術と創造性が結実した逸品である。
ケース素材に革新的なゴールド素材を採用
43.5mm径のケース、プッシュボタン、リューズの素材には、従来のゴールド合金よりも優れた硬度を誇る新素材、18ct Armor Gold®を使用している。中央にサファイアガラスをセットしたケースバックも同素材で統一されており、あらゆる角度から華やかな輝きを楽しむことができる。文字盤には、2024年に発表されたIWCシャフハウゼン独自のカラーであるオブシディアンを採用。その艶やかさと3Dのような立体感が魅惑だ。この文字盤の作成は60もの工程を要する複雑な製造プロセスを経ており、透明ラッカーを15層にも塗り重ねることで、他に類を見ない深遠な表情を作り出している。さらに時・分・秒針とアプライド・インデックスをゴールドカラーでデザインし、3つの複雑機構もゴールドを基調にアレンジ。このモノクロームとゴールドが織りなす気品あるコントラストも、本機の見どころのひとつとなっている。またストラップはイタリアの高級レザーブランド、サントーニ社製のブラックアリゲーターを採用している。
自社製造の自動巻きムーブメント「キャリバー89900」
本機の心臓部には、375個もの部品から構成されるIWCシャフハウゼン自社製造の自動巻きムーブメント、「キャリバー89900」が搭載されている。同ムーブメントは複数の複雑機能を備えるだけでなく、18Kゴールド製ローター、コート・ド・ジュネーブ装飾、ペルラージュ装飾といった細部にまでこだわった繊細なディテールも、本機の魅力を際立たせている。サファイアガラスのケースバック越しに、その精緻で美しい作りを鑑賞できるのも本機を所有する大きな喜びとなるはずだ。
IWCシャフハウゼン「ポルトギーゼ・トゥールビヨン・レトログラード・ クロノグラフ」 Ref.IW394009 2309万4500円/自動巻き(自社製Cal.89900)、毎時2万8800振動、約68時間パワーリザーブ。18 ct Armor Gold®ケース(シースルーバック)、アリゲーターストラップ、サファイアガラス風防(アーチ型エッジ、両面反射防止加工)。直径43.5mm、厚さ15.9mm。3気圧防水。世界限定100本。
問い合わせ先:IWCシャフハウゼン TEL.0120-05-1868 https://www.iwc.com/jp/ja/ ※価格は記事公開時点の税込価格です。限定モデルは完売の可能性があります。
Text/三宅裕丈
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