【H.MOSER & Cie.(H.モーザー)】が、2026年の「Watches & Wonders Geneva」で初めてメインホールに進出する。2016年に独立系ブランド専用エリア「Carré des Horlogers」でデビューして以来、わずか9年で頂点の舞台に立つこととなった。この躍進は、同ブランドの革新性と堅固な成長基盤が国際的に認められた証である。

H.モーザーがWatches & Wonders Geneva 2026 メインホールへ進出
2012年のメイラン家による事業継承を機に、H.モーザーは大胆な再構築を進めた。コンプリケーションと独創的な「ファンキーブルー」ダイアルによる「エンデバー・パーペチュアルカレンダー」をはじめ、ロゴレスの「コンセプト・ウォッチ」、チーズ製ケースの「スイス マッド ウォッチ」、そしてサステナブルな「モーザー・ネイチャー・ウォッチ」など、既成概念を覆す挑戦を続けてきた。2020年の「ストリームライナー」コレクションはブランドの転機となり、以後、世界各地でブティックを展開。生産体制を支えるプレシジョン・エンジニアリング社との連携により、生産本数は10倍、売上は15倍へと拡大した。伝統と前衛が共存するモーザーの哲学は、真の独立性に裏打ちされた自由な発想にある。2026年、メインホールでの新たな挑戦は、その精神がいよいよ時計界の中心に到達したことを示す象徴的な一歩である。
レッドゴールドケースにガスリー氏こだわりのブラウンダイアルをセット
H.モーザーが新作を発表した。レーシングドライバーであるピエール・ガスリー氏のディテールへの飽くなき探求心と、物事の本質を見抜く審美眼に敬意を表し、2つのバージョンからなる「ストリームライナー・トゥールビヨン ピエール・ガスリー」を創り上げた。ガスリー氏が全工程に関わり、1ミリ単位でデザインを監修。単なるネームコラボレーションではなく、彼の哲学が宿るタイムピースである。
彼が特にこだわったのは、深く繊細でどこか神秘的なブラウンのダイアル。自ら「チョコレート フュメ」と名づけたその文字盤は、内に秘めた力強さと洗練された控えめな魅力を湛え、彼自身を映し出している。H.モーザーの象徴であるフュメ仕上げに、透明ラッカーのロゴを重ねた表現は、静謐さの中に強い存在感を放つ。5Nレッドゴールド製ストリームライナーケースとのコントラストが、優美な緊張感を生み出している。その中心で時を刻むのは、6時位置に配されたミニッツ・フライング・トゥールビヨンだ。HMC 805自動巻きキャリバーには、姉妹会社プレシジョン・エンジニアリング社が製造したダブルヘアスプリングが搭載され、等時性と精度を高めている。まさに、創意と技術が融合したH.モーザーの真骨頂である。
このモデルは2つのバリエーションで登場する。ひとつは限定100本のチョコレートカラー・ラバーストラップ仕様、もうひとつはわずか10本のみの特別モデルである。「10」はガスリーのレーシングナンバーであり、10時位置には赤いルビーが静かに輝く。彼とこの時計だけが共有する、密やかなシンボルである。
この特別なコラボレーションモデル「ストリームライナー・トゥールビヨン ピエール・ガスリー」は、2025年10月1日、シンガポール・グランプリの舞台で発表された。夜の熱気、エンジンの轟音、そしてその腕に光る一切の妥協なき時計。まさにH.モーザーが体現するエレガンスと情熱が融合した時計が完成した。
H.モーザー「ストリームライナー・トゥールビヨン ピエール・ガスリー エディション」 Ref.6805-0410 1521万3000円/自動巻き(Cal.HMC 805)、毎時2万1600振動、72時間パワーリザーブ。5Nレッドゴールドケース(シースルーバック)、ラバーストラップ、ドーム型サファイアクリスタル風防。直径40.0mm、厚さ10.3mm。12気圧防水。世界限定100本。
問い合わせ先:エグゼス TEL.03-6274-6120 https://www.h-moser.com/ja/ ※価格は記事公開時点の税込価格です。限定モデルは完売の可能性があります。
クレドールがWatches and Wonders Geneva 2026に初参加
セイコーウオッチのドレスウオッチブランド【クレドール(CREDOR)】は、2026年4月14日(火)から4月20日(月)まで開催される、世界最大の時計見本市「Watches and Wonders Geneva 2026」に初めて出展する。
1974年に誕生した<クレドール>は、卓越した技術と繊細な感性を融合させ、最高級の品質を追求しながら、唯一無二の個性を紡いできた。ブランド名「クレドール(Crédor)」には、“黄金の頂き”という意味が込められている。ロゴの一部を成すクレストマークの頂点に輝く三つの星は、それぞれ「感性」「技術」「技能」を象徴し、日本発のドレスウオッチブランドとして、品質と美の頂点を極めるという信念を表している。これまで数多くの名作を世に送り出し、2024年にはブランド誕生50周年を迎えたクレドールは、「The Creativity of Artisans(匠たちの探求と豊かなる創造)」をブランドメッセージに掲げ、次なるステージへと歩みを進めている。
クレドールの出展についてセイコーウオッチの代表取締役社長である服部真二氏は以下のようにコメントしている。
「クレドールが、世界最大の時計の祭典として全世界の注目を集めるWatches and Wonders Genevaに参加することは、私にとって悲願であった。これまで海外では“知る人ぞ知る”存在だったクレドールの魅力を、必ずや来場者が認めてくださると確信している」
問い合わせ先:セイコーウオッチお客様相談室 TEL.0120-302-617 https://www.credor.com/
Text/平野翔太(WN編集部)


















































