【現地取材】自分だけのストーリーを語れる特別な時計に出合える「oomiya 心斎橋店」が提案する気鋭の独立系ブランド3選――H.モーザー/オートランス/ファーラン・マリ

大阪・心斎橋の喧騒の中にありながら、一歩足を踏み入れれば、そこには高級時計が並ぶ静謐な空間が広がっている。そのような魅力に溢れる正規販売店「oomiya 心斎橋店」が、目の肥えた愛好家たちを納得させるブランドを新たにラインナップに加えた。「オートランス(HAUTLENCE)」と「ファーラン・マリ(FURLAN MARRI)」である。同店ですでに人気を博している「H.モーザー(H. Moser & Cie.)」とともに、その魅力を担当スタッフの原さんに尋ねた。

oomiya 心斎橋店といえば、「IWCシャフハウゼン」や「ジャガー・ルクルト」、「グラスヒュッテ・オリジナル」、「ユリス・ナルダン」といったメジャーブランドを扱う有名店であり、各ブースには本国監修の什器が設えられており、それぞれのブランドが持つ世界観を存分に体感できる。定番モデルはもちろん、年間生産数の少ないハイエンドなタイムピースまで揃えていることから、関西圏を中心とした時計愛好家たちから厚い支持を集めている。そんな名門ひしめく同店において、近年ひときわ存在感が増しているのが「H.モーザー」だ。

 

〈H.モーザー〉引き算の美学に隠された、最高峰の超絶技巧

(原さん)「当店には西日本唯一となる、壁面を用いた大型のH.モーザー専用コーナーがあり、年間生産数わずか4000本という希少なタイムピースを常時複数取り揃えています。同ブランドを手に取られるお客様は、極限のミニマリズムと、それを裏打ちする技術力のギャップに惹かれていらっしゃるようです。ロゴすらあえて見えにくかったり、配さない潔い文字盤でありながら、知る人が見れば一目でH.モーザーの時計だとわかる。その唯一無二の個性が、愛好家の方々を中心に浸透してきた実感があります」

そのように熱を込めて語る原さん自身、「エンデバー・センターセコンド コンセプト ブルーラグーン」の愛用者。吸い込まれるような美しいグリーンのグラデーション文字盤や、実用的な3日間のパワーリザーブなど、デザインと機能が高次元で融合された代表的な一本である。それでいて過度な装飾を控えたH.モーザーらしいスタイルに惚れ込み、自身の相棒として迎え入れたという。

「ヒゲゼンマイを自社生産できるなど、ムーブメントの完成度が極めて高いところも、H.モーザーの優れている点だと評価されています。とくにトゥールビヨンに関しては、他社とは一線を画すフライング・トゥールビヨンを、巧みにデザインへと落とし込んでいるのが最大の特徴です。ぜひ店頭でご覧いただきたい2モデルを、今回はご案内いたします」

そう語る原さんが推す1本目は、チョコレートブラウンの文字盤が美しい「ストリームライナー・トゥールビヨン ピエール・ガスリー エディション」だ。

「H.モーザーとF1ドライバーのピエール・ガスリーの対話から生まれたというモデルですが、単なるアンバサダーウオッチの枠を超え、彼個人の美意識が非常に強く反映された一本となっています。

一番の見どころは、ストリームライナー史上初となる5Nレッドゴールドケースとチョコレート・フュメダイヤルの組み合わせです。滑らかな流線型のケースがレッドゴールド特有の温かみのある輝きを纏うことで、大変エレガントな仕上がりです。そして、光の角度で表情を変えるブラウンの文字盤が、6時位置で精緻に時を刻むフライング・トゥールビヨンの複雑さをいっそう際立たせています。

さらに、文字盤の独特なブラウンとカラーマッチさせた一体型ラバーストラップも大きな魅力です。F1の世界で存在感を示し続けるガスリー選手らしいスポーティさを備えつつ、ラグジュアリーウオッチを日常で軽快に着けこなすための実用的な仕様ともいえます」


H.モーザー「ストリームライナー・トゥールビヨン ピエール・ガスリー エディション」 Ref.6805-0410 1633万5000円/自動巻き(自社製Cal.HMC 805)、毎時2万1600振動、約72時間パワーリザーブ。5Nレッドゴールドケース(シースルーバック)、ラバーストラップ。直径40mm、厚さ12.1mm。12気圧防水。世界限定100本。

 

続くもう一方のモデルは、H.モーザーの技術のすべてを結集させたハイエンドな逸品だ。

「もうひとつは、発色の鮮やかさとメカニズムの大胆さから、パイオニア・シリンドリカル トゥールビヨン スケルトン スパイスドアクアを挙げさせていただきます。ターコイズブルーとオレンジ・フュメを掛け合わせた、これからの季節に映えるビビッドなカラーに加え、引き込まれるようなスケルトン加工の美しい文字盤が魅力です。針のほかインデックスにもグロボライト(蓄光素材)をセットしており、暗闇においても個性を放ちます。

そして6時位置には、自社製造のシリンドリカル・ヘアスプリング(筒状ヒゲゼンマイ)を備えたフライング・トゥールビヨンが搭載されています。ユーザーの方は、特殊な形状のヒゲゼンマイが伸縮する様子や奥行きのある建築的な構造を、着用中でもご堪能いただけることでしょう。これほどの超絶的なメカニズムを、あえてスポーティなパイオニアのステンレススチールケースに収めてくるあたりに、H.モーザーならではの余裕と遊び心が感じられます」


H.モーザー「パイオニア・シリンドリカル トゥールビヨン スケルトン スパイスドアクア」 Ref.3811-1203 1633万5000円/自動巻き(自社製Cal.HMC 811)、毎時2万1600振動、約74時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース(シースルーバック)、ラバーストラップ。直径42.8mm、厚さ15.3mm。12気圧防水。

 

〈オートランス〉既成概念を打ち破る、オートマタのような楽しさが宿る

そのH.モーザーの躍進と歩調を合わせるように、oomiya 心斎橋店では今年1月から“兄弟ブランド”と表現できる「オートランス」の取り扱いをスタートさせた。

「オートランスは、H.モーザーと同じMELBホールディングスに属するブランドです。H.モーザーが極限の“引き算の美学”を貫くのに対し、オートランスは圧倒的な“構造の美学”を体現しています。そのコレクションの共通する特徴は、既成概念を覆すユニークな時刻表示にあります。スピンする球体やチェーンなどを用い、時刻を立体的なメカニズムとして表現しているのです。また、TVスクリーン型のケースを採用していることも、ブランドのアイコンとなっています」


そう語る原さんが、什器の中から丁寧に取り出して見せてくれたのが、ブランドの哲学を凝縮した代表作「スフィア シリーズ 1」である。

「ブルーPVD処理を施した美しい球体が、ジャンピングアワーとして機能する驚愕のタイムピースとなっています。1時間ごとにこの球体が立体的かつダイナミックに回転して次の時刻を知らせるギミックは、多くのお客様の好奇心を刺激するものです。分表示は半円を描くレトログラード式のため、針と球体が重なることなく、時刻の読み取りは思いのほかスムーズです。

さらに、サファイアクリスタル製の風防がドーム状に盛り上がっているため、あらゆる角度からこの球体の動きやムーブメントの奥行きを堪能できるよう設計されています。そしてH.モーザー同様、生産数が極めて少なく、目の肥えたコレクターの方であっても所有している方はごく僅か。オートマタのような楽しさを持つ究極の機械式時計をお探しの方に、ぜひご提案したいです」


オートランス「スフィア シリーズ 1」 Ref.BA80-ST00 1323万3000円/手巻き(自社製Cal.A80)、毎時2万1600振動、約72時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース(シースルーバック)、ラバーストラップ。縦43.0×横50.8mm。10気圧防水。

 

〈ファーラン・マリ〉ヴィンテージウオッチに通じる趣を手の届く価格で再現

オートランスに先駆け、2025年末からoomiya 心斎橋店に新たな風を吹き込んでいるブランドもある。それが「ファーラン・マリ」。2021年に産声を上げたばかりの新たなスイスブランドで、「良いものを適正な価格で」というモットーのもと、手の届きやすいプライスで提供されている。それでいて、独自の時計作りを展開していることから、今後さらに時計好きからの注目を集めることは間違いないだろう。

「ファーラン・マリは、勢いのある気鋭のインディペンデントブランドに数えられます。コレクション全体を通して、1930年代から50年代のヴィンテージウオッチのスタイルを取り入れている点が特徴です。とくに当時の名作クロノグラフにオマージュを捧げたディテールの追求は見応え十分で、たとえばケースの仕上げやステップベゼル、文字盤のタイポグラフィ(書体)、針の立体感に至るまで、ヴィンテージウオッチコレクターの心にも深く刺さる、徹底した美意識が貫かれています」

ヴィンテージモデルの愛好家からも熱視線が送られているファーラン・マリのラインナップから、原さんが選んだのは最もスタンダードなエントリーモデルだ。

「メカクオーツ ネロ・サッビアは、ブランドの原点ともいえるヴィンテージへの深い愛情と、彼らの強みが分かりやすく表現された一本です。ネロ(ブラック)とサッビア(サンドカラー)の絶妙なコントラストが特徴で、往年のフォントやパルスメータースケールをあしらうことで、1940年代の傑作クロノグラフを彷彿とさせる素晴らしい雰囲気を纏っています。

クラシカルな丸いプッシャーが印象的なケースは、直径38mmというトレンドを押さえた小ぶりなサイズ。非常にノスタルジックなプロポーションといえます。ここに、スイスブランドでありながら日本のセイコー製メカクオーツを搭載している点もユニークです。クオーツならではの正確さやデイリーユースにおける実用性の高さを確保しながら、クロノグラフを作動させた時の滑らかな運針、リセット時に瞬時に針が戻る機械式特有の心地よい操作感も併せ持っています。

なお、インダイヤルはスモールセコンドではなくクロノグラフの60分積算計で、センターの細い針はクロノグラフ秒針として機能します。あえて通常の秒針を省き、ヴィンテージスタイルにまとめています


ファーラン・マリ「メカクオーツ ネロ・サッビア」 Ref.NERO-SABBIA-20203 14万6300円/メカクオーツ(セイコー製Cal.VK64)。ステンレススチールケース、カーフストラップ(交換用としてブラックカーフストラップが付属)。直径38mm、厚さ12mm。50m防水。

 

既存のH.モーザーらに加え、オートランスやファーラン・マリといったひと味違う個性を有するブランドを取り揃えるoomiya 心斎橋店。時計に自分のアイデンティティを重ねたいと常々感じている時計好きならば、一度は訪れるべきショップとして提案したい。誰とも被らない、“自分だけのストーリー”を語ることができる一本との出会いが必ずや待っていることだろう。

 

【oomiya 心斎橋店】


TEL:06-6251-0077
住所:大阪府大阪市中央区南船場4-7-6
営業時間:11:00~19:00
定休日:水曜

https://www.jw-oomiya.co.jp

 

※価格は記事公開時点の税込価格です。限定モデルは完売の可能性があります。

Text/山口祐也(WATCHNAVI編集部) Photo/鈴木謙介

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