スイスの独立系高級時計ブランド【クロノスイス(CHRONOSWISS)】が最新コレクションを発表した。ブランド史上初めてとなるケース一体型ブレスレットを導入した「パルス GMT シルバー ギョーシェ」が世界限定200本で発売され、価格は418万円。さらに。伝統技法のパイヨン・エナメルを採用した「パルス GMT エナメル スカイゴールド」も世界限定50本で発売となり、価格は1980万円。
往年の傑作モデル「Tora」を現代的にアップデート
今回発表された2モデルのルーツは、1999年に誕生したアイコンウオッチ「Tora(トラ)」にまで遡る。「今」を意味するギリシャ語を冠した「Tora」は、水平に配置されたレギュレーター式機構と独創的なデュアルタイム表示を備えたタイムピースとして、当時の時計界に大きな衝撃を与えた。その革新的な精神を継承しつつ、現代のスタイルへと昇華させたのが「パルス」だ。ブランドのアイデンティティであるオニオンリュウズやコインエッジベゼルといった伝統的な意匠を組み込みながらも、その建築的で力強いコンテンポラリーなデザインは、まるで特別な芸術品のような存在感を放っている。
まず、「パルス GMT シルバー ギョーシェ」は、ブランド史上初となるケース一体型のインテグレーテッド・ブレスレットを導入したモデルである。素材には彫刻的なケース構造を可能にし、かつ軽量で高い耐食性を誇るグレード5チタンを採用。文字盤にはルツェルンのアトリエに眠る100年前の手動旋盤を用い、職人が手作業で精緻なギョーシェ模様を刻み込んでおり、光の当たり方で表情を変える様は圧巻の一言に尽きる。直径41mm、厚さ13mmのラウンドケースには10気圧防水が備わり、その内部にはラ・ジュー・ペレ社と共同開発したGMT機能を備える自社製の自動巻きムーブメント「キャリバーC.6002」を搭載。文字盤の9時位置に第2時間帯を表示する24時間計、3時位置にホームタイムを表示するカウンターを配し、所有者は異なる二つの地域の時間を即座に把握可能だ。なお、本作はレギュラー展開ではなく、世界200本の限定生産となっている。
クロノスイス「パルス GMT シルバー ギョーシェ」 Ref.CH-4223TM-GR 418万円/自動巻き(Cal.C.6002、自社製)、毎時2万8800振動、約55時間パワーリザーブ。グレード5チタン製ケース(シースルーバック)&ブレスレット。直径41mm、厚さ13mm。10気圧防水。世界限定200本。
パイヨン・エナメル技法が描く幻想的な表情
一方、「パルス GMT エナメル スカイゴールド」の最大の見どころは、時計製造において最も歴史深く、かつ困難とされる装飾工芸のエナメルにある。本機では極めて繊細な「パイヨン・エナメル」技法を採用し、ホワイトゴールド製の文字盤にハンドギョーシェを施した後、半透明のブルーエナメルを幾層にも塗り重ねて高温で焼き上げることで、深いネイビーの夜空を表現した。さらに、拡大鏡を駆使して極薄の金箔を切り出した小さな「星」を一つひとつ手作業で配置し、再び半透明のエナメルでコーティング。これにより、星々がガラスの中に浮いているかのような幻想的な深みを生み出している。直径41mm、厚さ13mmのケース素材には重厚な5Nゴールドを採用し、10気圧の防水性能も確保。時計の心臓部には、「パルス GMT シルバー ギョーシェ」と同じく自動巻きムーブメント「キャリバーC.6002」を搭載している。こちらは世界50本の限定生産だ。
クロノスイスがルツェルンへ移転し、エナメル焼成やギョーシェ彫刻のアトリエを再興してから数年が経過した。小ロットかつ高品質なモノづくりを貫くクロノスイスが、年間わずか1500本という限られた生産本数の中で紡ぎだすこれらの時計は、現代的なデザインと卓越した職人技のコンビネーションで、真の「モダン・メカニカル」を体現した逸品といえる。熱心な時計愛好家であれば、ぜひその手に触れて、唯一無二の魅力を堪能してほしい。
クロノスイス「パルス GMT エナメル スカイゴールド」 Ref.CH-4221REM-GRBL 1980万円/自動巻き(Cal.C.6002、自社製)、毎時2万8800振動、約55時間パワーリザーブ。5Nゴールド製ケース(シースルーバック)&ブレスレット。直径41mm、厚さ13mm。10気圧防水。世界限定50本。2026年7月発売予定。
問い合わせ先:栄光時計 TEL.03-3837-0783 https://chronoswiss.com/ja/JP ※価格は記事公開時点の税込価格です。限定モデルは完売の可能性があります。
Text/三宅裕丈
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