ベル&ロスらしいグラフィックデザインの妙技「BR-03 ヘリパッド」

フランス生まれの高級ウオッチブランド【ベル&ロス(BELL&ROSS)】が最新作を発表。ヘリコプターの機体とヘリポートのグラフィックをデザインコンセプトとした「BR-03 ヘリパッド」が発売となり、価格は70万4000円。世界500本の限定生産となる。

空中のダイナミズムを再現する「BR-03 ヘリパッド」

1994年の創業以来、ベル&ロスは航空機のコックピット計器を腕元へと再解釈するアプローチで、時計デザインに革命を起こしてきた。彼らが貫く「形態は機能に従う」という思想は、2005年の「BR-01」で一つの最高到達点へと至り、現在の「BR-03」へと脈々と受け継がれている。レーダーや高度計など空の記憶を再現してきた同コレクションの最新作「BR-03 ヘリパッド」は、時刻を読み取る道具を超え、わずか数センチの文字盤を舞台に、空中のダイナミズムを完全再現した独創性あふれるタイムピースとなっている。

本機のハイライトは、秒針の円運動をヘリコプターのローターの動きへと重ね合わせた、直感的かつドラマチックなアプローチにある。文字盤を覗き込むたびに、着陸地点であるヘリパッドの上空でホバリングをヘリコプターの緊迫した飛行シーンが、手元で圧倒的な没入感とともに描き出される。 今回、このドラマチックなフライトシーンを現実のものとするために、自動巻きムーブメント「キャリバー BR-CAL.327」の機構を巧みに利用し、ダイアル上のすべての要素に明確な役割を与えた。ベースとなる時表示には、ヘリポートのグラフィックを模したブラックの回転ディスクを採用。そして文字盤の中心に鎮座するヘリコプターの機首が、分を指し示す構造だ。外周のスケールと読み取り位置にグリーン発光の「スーパールミノバX2」を塗布することで、夜間でも一瞬で時間を判別できる卓越した視認性を確保した。

絶え間なく回り続ける秒表示にはローターをイメージした4枚のブレード状の針を割り当てており、レイヤー状に重なる要素が平面のダイアルに立体感を演出。これほどの遊び心を取り入れながらも、計器としての優れた判読性をいささかも損なっていない点は見事というほかない。また、文字盤外周の鮮烈なイエローは、実際の救助や航空の現場において「注意喚起」と「視認性」を象徴する安全コードを再現した配色であり、本物の空のDNAを宿したインストゥルメントであることを静かに主張している。

ブラックセラミックを採用したスクエアケース

確かな存在感を放つ41mm径のスクエアケースの素材には、高い耐傷性と軽量性を誇り、航空宇宙分野でも信頼されるブラックセラミックを採用。表面にマイクロブラスト加工(マイクロビーズ加工)を施すことで、反射を抑えたテクニカルなマット質感に仕上げ、硬質な印象を際立たせた。厚みは10.6mmとスマートながら、日常使いには十分な100メートルの防水性能を有する。さらに、スタイルに応じてキャラクターを切り替えられるよう、質感の異なる2種類のストラップが同梱されているのも本機の特徴だ。ひとつは、エアレスキューを連想させる鮮やかなイエローラバー製で、手元をモダンかつスポーティにアピール。もうひとつは、ミッションの現場をサバイブするための超高耐久ブラック合成ファブリックを用いたベルクロ式でストイックなツール感を漂わせる。ピンバックルには、マットブラックのPVD(物理蒸着)コーティングを施したビーズブラスト仕上げのステンレススチールが採用され、全体のトーンを美しく統一するとともに極上の装着感をもたらしている。

「BR-03 ヘリパッド」は、ベル&ロスが持つ航空へのリスペクトと、既存の枠組みを飛び越えるクリエイティビティが高い次元で結晶化したプロダクトだ。ムーブメントの物理的な機構そのものをヘリコプターの動きに見立ててストーリーを紡ぐ手法は、まさに彼らの独壇場である。プロのツールとしての機能性を担保しながら、大人の遊び心を洗練されたギミックへと昇華させた手腕には脱帽するほかない。世界限定500本という希少性も大きな魅力であり、時計愛好家や航空ファンの心を捉えて離さない特別な一本と言えるだろう。

ベル&ロス「BR-03 ヘリパッド」 Ref.BR03A-HE-CE/SRB 70万4000円/自動巻き(Cal.BR-CAL.327)、54時間パワーリザーブ。ブラックセラミックケース、イエローラバーストラップ(超高耐久ブラック合成ファブリックストラップ付属)。直径41mm、厚さ10.6mm。100m防水。世界限定500本。

 

お問い合わせ先:ベル&ロス 銀座ブティック TEL.03-6264-3989 https://www.bellross.com/ ※価格は記事公開時点の税込価格です。限定モデルは完売の可能性があります。

Text/三宅裕丈

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