希少性のあまり、実物を目にすることも叶わない革新のタイムピースが時計界には存在します。夜の東京で5本の名作の表情を写しました。【HYT H0 BLACK編】
構成/ウオッチナビ編集部 文/小暮昌弘、水藤大輔(時計)
撮影/シバサキフミト スタイリング/石川英治(TRS)
街の灯りに照らされるグリーンのネオンカラーに腕時計の未来像を感じる
1997年10月、世界初の量産ハイブリッドカー「プリウス」が発表。発売時のキャッチフレーズは、「21世紀に間に合いました」でした。
「プリウス」は、エンジンとモーターの2種類の動力源を持ちます。環境に優しい次世代カーとして、いまや「プリウス」を含むハイブリッドカーは、世界中を駆け抜けています。なお「ハイブリッド」という言葉は、異なる要素を組み合わせることを意味しますが、プラスな意味、“良いところを融合すること”を指すケースもあります。
時計にも、“良いところを融合した”ハイブリッドモデルが存在します。「HYT」という名前は「ハイドロ・メカニカル・オロロジスト」の略。液体表示を機械式ムーブメントで駆動させる世界初のハイブリッドモデル「H1」を2012年に発表し、時計好きの度肝を抜きました。
特徴は、6時位置にある2つのふいご(ポンプ)。この部分に入った蛍光色と透明な液体が、インデックスの外周部で境界線を示すことで時刻を表します。液体は機械で動き、午後6時(18時)になると、瞬時に左側の6時位置に戻る「12時間単位のレトログラード式」というのもマニアック。機構もデザインもすべてが独創的です。
ダグラス・マッカーサーは「ルールを守ったことではなく、ルールを破ったことが人々の記憶に残る」と語っていますが、まさに“記憶に残る次世代の時計”といえるでしょう。
問:オールージュ TEL.03-6452-8802
https://hytwatches.jp/
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