9Fクオーツ搭載でスマートにまとめられたGSダイバーズ
国産時計の最上級ブランドとして知られる「グランドセイコー」(以下、GS)は、1960年、セイコーの高級ラインとして立ち上げられた。コンセプトは当時絶対的権威に君臨していたスイスの列強ブランドを凌ぐ、高品位で高性能な腕時計であること。すなわち、機械式時計の可能性を極めることだったが、GSは見事その目的を果たしたのだった。しかしながら、皮肉にも1969年に同社が実用化したクオーツウオッチの台頭によるパラダイムシフトで、GSは休眠を余儀なくされる。それでも1988年、高級時計が脚光を浴び始めたことをきっかけに、GSは鮮やかに復活。その際に採用されたのが、GSとしては初となるクオーツムーブメントだった。
ただのクオーツではない「9Fクオーツ」とは?
その後、1993年から現在までGSの基幹ムーブメントのひとつになっているのが、進化型の「9Fクオーツ」だ。エージングで品質を安定させた選りすぐりの水晶振動子を用い、温度補正回路によって年差±10秒という高い精度を維持する。さらに象徴的な太い針をドライブさせるため、高トルク&省エネルギーの「ツインパルス制御モーター」、保油性を高めて埃や塵の侵入を防ぐ「スーパーシールドキャビン構造」など、従来のクオーツムーブとは一線を画し、多くの特許技術が採用されているのである。
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ニーズの高いジャンルと手の出しやすい価格帯
最新のGSダイバーズ「SBGX337」も9Fクオーツを搭載する一本で、ケース厚が13mmとGSダイバーズ中でもっともスリムだ。ダイバーズらしいアクティブなイメージを強調しながら、ビジネスカジュアルにも馴染みやすい本モデルは、高い精度を誇りながらゼンマイ切れの心配がないというクオーツのメリットと相まって、日常シーンで心強い“オールラウンダー”となる。タフな作りで安心感もある。そのコストパフォーマンスの高さで、注目のダイバーズとしてすでに店頭を賑わす存在となっているのだ。
≪試着レビュー≫
新鮮味ある“ブルー”か堅実な“ブラック”か!?
防水性能を高めるために厚くなりがちなダイバーズだが、クオーツの採用によってスマートな13mm厚に抑えている。ケースの直径は43.6mmと比較的大きいものの、周囲約17.5cmの筆者の手首にピッタリと収まり、思わずこのまま持ち帰りたい衝動に駆られた。ただ悩みが、ブルーダイヤルかブラックダイヤルかの選択。ブルーは光沢感があり、秒針や分表示のイエローとの組み合わせが爽やかな印象。一方のブラックはマット調で、イエローの分表示がよりアクセントとして効いているが全体的にシックだ。堅いイメージの職場ならブラックが無難だが、どちらもオン・オフを問わずに使えることだろう。なお、もう一本試着したのがセイコー独自の機構であるスプリングドライブのGSダイバーズ。コンセプトも価格帯も異なるが、実用性が評価されているロングセラーモデルである。
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「グランドセイコー スポーツコレクション」
26年の歴史を誇る息の長い自社ムーブメント、「9Fクオーツ」の最新仕様を搭載。大型のドットインデックスに加えてイエローの分目盛り&秒針を用いたブルーダイヤルは、視認性に優れるとともにファッション性もアピールする。風防は内面に無反射コーティングを施したサファイアクリスタル。ケースバックにGSの象徴である獅子の紋章をあしらう
問:グランドセイコー専用ダイヤル TEL.0120-302-617
https://www.grand-seiko.com/jp-ja
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