色褪せることのない、カルティエの角型時計「タンク」。イラストレーター・ソリマチアキラ氏が、同モデルを20年以上愛用し、「いまなお飽きない」というその魅力について語った。
「もはや体の一部のような感覚です」
「当時、タンクといえばフランセーズやアメリカンが全盛で、ルイ カルティエはショーケースに並んでいなかったんです」
約20年前、購入したのは銀座のブティック。イラストレーターとして、活動10年目の節目だった。
「だから、無理やりバックヤードから引っ張り出してもらって。こっちをくださいと(笑)。やはりクラシックウオッチの代名詞といいますか、僕にとってカルティエのタンクといえば、このルイ カルティエでした。普遍的なデザインで、しかもそれが前に出過ぎていない。不思議な力を持った時計です。30代の頃から愛用してもいまだに飽きないから、もはや体の一部のような感覚です。時が経つにつれて、生活に寄り添う自然な美しさに気付かされますね」
イラストレーター的な視点でも、タンクには特別な想いを抱く。
「この時計に惹かれる人は、モノが好きなんだけど、目立つことが嫌いな人だと思っています。実際、そんなイメージの男性を描くとき、タンクを模した時計を腕に巻かせてみたりもしました」
ちなみに、いまでは2本のタンク ルイ カルティエを所有。アンティークのパリ製タンクは現在、奥様が愛用されているとか。さぞかし絵になるご夫婦に違いない。
ソリマチアキラ氏
18歳の頃から古着屋で働き、ファッションに慣れ親しむ。その後、多くの経験を経て1991年からイラストレーターに。スタイリッシュでどこか懐かしい作風から、雑誌の挿絵や広告などを数多く手掛ける。
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