腕時計の発展を牽引する現代の優れたクロノグラフを、時計専門誌・ウオッチナビが厳選して紹介する連載企画。今回は、革新的な機構でクロノグラフの新時代を切り開いたモンブラン、ジン、グラハムの新作について解説する。
世界初のインク式クロノグラフを発明した偉大な時計師に捧げる
1821年にインクを垂らして計時する装置を発明した、ニコラ・リューセックにオマージュを捧げるワンプッシュクロノグラフ。オフセンター文字盤上のシルバーのスケルトン針は、第2時間帯を表示する。60秒計と30分積算計が通常の針表示ではない、ドーム状の回転ディスクで表すユニークなデザインは、世界初のインク式クロノグラフから着想したもの。2世紀前の偉業にしばし思いを馳せたい1本だ。
-45℃でも精度保証される1999年の極地対応ダイバーズがバージョンアップ!
「ジン特殊時計会社」の正式名通り、異分野技術も積極的に導入する姿勢が、1999年にARKTIS(北極圏)の名を持つダイバーズ・クロノグラフを生んだ。北極圏潜水のために開発され、初めて特殊オイル66-228による熱抵抗テクノロジーを搭載。-45℃~+80℃の温度範囲で精度が保証される。それから20年、復刻モデルはクロノグラフの水中操作まで可能になった。
第二次世界大戦時に英国空軍用に開発したクロノグラフがルーツ
“クロノグラフの父”と呼ばれる伝説的な時計師の名を冠し、当時の時計大国に敬意を表す“スイスメイドの英国時計”をコンセプトとしているのがグラハム。クロノファイターは、第二次大戦時のイギリス空軍パイロット向けクロノグラフを基にしたフラッグシップで、左に配した巨大トリガーは、人間工学に基づいた高い操作性を誇る。風防にスカルをレーザー刻印した本機は、英国らしいウィットの効いた世界50本限定モデルだ。
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