ムーブメントは時計ブランドの技術力を見極めるうえで、特に欠かせない要素。各社はどんなところに注力しているのか?時計ツウの皆さんであれば知りたいであろう、ムーブメントの個性を探っていきます。前回はハイクラスの完全マニュファクチュールをご紹介しましたが、今回はハイクラスとエントリーの中間に位置する「一部マニュファクチュール」を見てみましょう。
一部マニュファクチュール
効率化と高級化を両立する21世紀型の製造体制
既存のエタブリサージュと新たなマニュファクチュールの体制を使い続け、コレクションの差別化を測る体制。ムーブメント専門メーカーのETA社がエボーシュ(ムーブメントの半完成品)の供給停止を発表以後、増加中です。
<製造体制についてはこちらで解説!>
ブライトリング:クロノマット44(自社製キャリバーCal.01)
「航空時計の雄」ブライトリングの旗艦モデルは、自社製Cal.01を搭載。禁則時間帯のないカレンダー調整機能や70時間パワーリザーブなど、実用性にこだわった設計が光ります。ステンレススチールケース。500m防水。
ブライトリング:アベンジャーⅡ(ブライトリングキャリバーCal.ブライトリング13)
ベゼル一体成型のライダータブを備えた屈強モデルの最新世代。長くブライトリングを支えているCal.13は、ETA製7750を自社工房「クロノメトリー」で調整したもの。COSC公認の高精度を誇ります。自動巻き。300m防水。
パネライ:ラジオミールブラックシール 8デイズアッチャイオ – 45㎜(自社製キャリバーCal.P.5000)
マニュファクチュールムーブ開発の先陣を切ったパネライが手がけたコストパフォーマンスの高いCal.P.5000を搭載。8日間パワーリザーブを有しながら、圧巻の価格帯を実現しています。手巻き。ステンレススチールケース。100m防水。
パネライ:ラジオミールブラックシール ロゴアッチャイオ – 45㎜(OPキャリバーCal.OPⅡ)
クッションケースが特徴的なパネライの最入門機にして、ロングセラーを続ける一本。手巻き式のベースキャリバーに独自のチューニングを施したCal.OP Ⅱは、COSC認定を受けた高精度仕様です。ステンレススチールケース。10気圧防水。
比較してみると、同じブランドの中でもモデルによってムーブメントに違いがあることが分かると思います。構造の独自性や精度へのこだわり、細部の仕上げなど、手をかければかけた分だけ時計の品格は増していくもの。腕時計の心臓部だからこそ各社がしのぎを削って作り出していくのも納得です。
【合わせて読みたい】ブランドの個性を知るならムーブメントを見よ!(第①回)
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