1846年にスイスのル・ロックルで創業し、現在もマニュファクチュール(自社一貫生産が可能なメーカー)体制を続ける高級時計ブランド【ユリス・ナルダン(ULYSSE NARDIN)】。その革新性を象徴するコレクションである「フリーク」より、独特な煌めきで人々を魅了するアベンチュリン文字盤の新作「フリークX アベンチュリン」が発表された。価格は456万5000円(税込)。99本製造される限定モデル。
フリークXをパワーストーンとして人気のアベンチュリンで装飾
2001年に初めて世に登場した「フリーク」は、ムーブメント自体が回転することで時・分を表し、リューズを持たないという革新的なメカニズムで当時話題をさらった。その後も進化を遂げてきた本コレクションは、2019年発表の「フリークX」で初めてリューズが搭載され、今年2022年はこのフリークXに希少で美しいアベンチュリンを文字盤に使った新バリエーション「フリークX アベンチュリン」が追加された。
ディープブルーのアベンチュリン文字盤は星が瞬き煌めく夜空、そして船乗りが満月の夜の暗闇の中で観察する海面の輝きをイメージし、デザインされたもの。優雅で気品に満ちており、美術工芸品ともいえる。アベンチュリンは半透明水晶の一種で、その名称はイタリア語で“幸運”を表す“a ventura”に由来する。また、“冒険を始めよう”という意味もあるため、進化や革新をコンセプトとしているフリークと相性抜群のマテリアルなのだ。
ユニークなカルーセル式ムーブメント「キャリバーUN-230」
本機はシリシウム(シリコン)製のテンプ、アンクル、脱進機を使っている自動巻きムーブメント「キャリバーUN-230」を搭載している。ユリス・ナルダンが自社開発した「キャリバーUN-118」と「キャリバーUN-250」を組み合わせたUN-230は、1時間に1回転して時刻を示すカルーセル式ムーブメントであり、ニッケル製慣性モーメントブロックを備える大型ながら超軽量なテンプ(3Hz/1秒間で3回転往復)と一体化したパーツが分針の役割りを果たしている。視覚的に興味深いこのメカニズムが、アベンチュリンプレート上を移動する姿は、まさに夜空に浮かぶ宇宙船を見ているかのようである。
ケースやストラップも文字盤と見事に調和
ブルーPVD加工のチタンと5Nローズゴールドから構成される43mmのケースも実にユニークで、緩やかな丸みを帯びた個性あるフォルムを形成している。ストラップはライトグレーのポワン・ド・ブリッド(points de bride)ステッチを施したブルーのアリゲーターレザーだ。ケースもストラップも、ディープブルーカラーのアベンチュリン文字盤とのベストなコーディネートを検討した末のセレクトといえる。
問い合わせ先:ソーウインド ジャパン TEL.03-5211-1791 https://www.ulysse-nardin.com/jp_jp/
Text/三宅裕丈
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