<取材協力>
やぶ内時計舗
腕時計ほど多様な分野はないだろう。スペック、デザイン、プライスなど、選ぶ基準は多岐にわたり、そのため迷ってしまう人も少なくない。だからこそ専門店によるアドバイスには耳を傾ける価値がある。今回は、心斎橋(大阪府大阪市中央区)で1872年(明治5年)から続く腕時計・宝石店「やぶ内時計舗」の5代目店主、藪内正己さんに注目モデルを挙げてもらった。
デイリーユースにも寄り添う、「ボール ウォッチ」の機能と信頼性
藪内さんが先ず提案してくれたのが、ボール ウォッチの最新作「エンジニア ハイドロカーボン ネドゥ G5 ジャパン リミテッド」。見るからにタフなダイバーズクロノグラフに、マザー オブ パール(真珠を作る母貝。白蝶貝やアコヤ貝など)から作った文字盤を組み合わせた日本限定モデルである。
(藪内さん)「マザー オブ パールは光の加減で様々な表情を見せることから、レディスウオッチに使われることがほとんどでした。ですが近年では、他と差をつけるためにメンズウオッチにも散見されるようになっています。また、ドレッシーなモデルだけではなくスポーティなモデルにも採用される例が増えており、特別感を出したい限定モデルに使われる傾向にあります」

マザー オブ パール文字盤のメンズウオッチは、とくに日本のマーケットで受け入れられていると聞く。各ブランドからマザー オブ パール文字盤のモデルが生まれているが、今回の「エンジニア ハイドロカーボン ネドゥ G5 ジャパン リミテッド」のように、本格的なダイバーズへの搭載はめずらしい。“海からの贈り物”と“海に潜れるダイバーズ”の合作からは、ロマンが感じられる。
「かつて中東の紅海周辺はヨーロッパ向けの真珠やアコヤガイの一大生産地だったようで、男性が素潜りでそれらを採取していたそうです。ですから、マザー オブ パール文字盤とダイバーズは意外に親和性があるといえますね。また、マザー オブ パールは定番カラーのホワイトからブラック、ピンクなどもありますが、このエンジニア ハイドロカーボン ネドゥ G5 ジャパン リミテッドは海をイメージさせるエレガントなブルーで、そのスポーティなデザインとの組み合わせがポイントとなっています。インダイアルを同色に揃え、統一感と視認性も両立させていることからお客様の反応も上々です」
さらにボール ウォッチは、ユーザビリティの高さで抜きん出るブランドと藪内さんは評する。
「ボール ウォッチのコストパフォーマンスの高さは広く知られたところで、たとえば軽量でサビに強いチタンのケースは定評があります。サテン仕上げまたはポリッシュ仕上げの使い分けも明確で、デザインのメリハリを生んでいます。もちろんこのモデルも採用しています。また、軽量化や耐久性のうえでメリットの高いセラミックをベゼルのスケール部に使用し、ブランドの技術力や先進性をアピールしています。こちらのセラミックトップはブルーとブラックの二色があり、合計で50ピースの限定となっています」

サプライズ的なキャンペーンも、ボール ウォッチが選ばれる理由であるようだ。
「ダイバーズは防水ケースで気密性が高いぶん、定期的な点検やパーツ交換が長く使ううえでの条件となります。そして潜水などでアクティブに使っていると、細かいキズがつくこともあるでしょう。そこでボール ウォッチでは、ダイバーズ(品番の頭文字がDC/DM/DGで始まるモデル)向けのメンテナンス支援プログラムが無料となるキャンペーンがスタートしました。こちらの内容は、通常では有料となる防水検査、ケース外装のライトポリッシュ、ピックアップサービスなどが、最大4回まで受けられるリフレッシュ サービス・クーポンチケットとなっています。キャンペーンは今年の 9月15日(月・祝)まで実施中です。ぜひ、この機会のご利用いただきたいサービスです」
さらに8月17日(日)までは、「エンジニア ハイドロカーボン ネドゥ G5 ジャパン リミテッド」を含める「NEDU G5」シリーズを購入した際、オリジナル・ワインダー(非売品)がもらえるプロモーションも実施中。ボール ウォッチによるWのサプライズの恩恵を受けられるのは、まさに今だけとなっている。


腕時計はもっと自由に。そう訴えかけてくる「アジムース」のオリジナリティ
実用的な腕時計の候補として挙がった「エンジニア ハイドロカーボン ネドゥ G5 ジャパン リミテッド」に対し、趣味のブランドとして挙げてくれたのが「アジムース」だ。
「スイスのヌーシャテルで、伝統的な製造技術をベースに、遊び心を利かせたユニークな時計作りをしているのがアジムースです。2003年に設立された新興ブランドですが、伝統と革新の融合をテーマに、“The Toy Watchmaker(おもちゃの時計屋)”と例えられるようなコレクションを揃えています」
腕時計を個性の延長として捉え、アヴァンギャルドな精神で常識を覆すインタラクティブなタイムピースを創造する。そのようなアジムースの特異性から大量生産は行われておらず、それぞれが希少だ。「やぶ内時計舗」ではアジムースのような小ロット生産のブランドも取り扱う正規店であり、こうした独自性が高い腕時計をオーダーできることも特色のひとつとなっている。

「AUTOMOBILE SP.SS.CRは、1960年代の映画『イージー・ライダー』の大胆不敵さと自由というメッセージにインスパイアされたタイムピースです。左右非対称のケースはブラックPVD加工を施した316Lステンレススチール製で、時針を備えたチェーンが文字盤を24時間で一周する構造になっています。分針は、右側のスケルトンのホイール型歯車にセットされています。まるでモーターバイクのエンジンの断面を見ているようで、そのメカニズムを覗き込んで楽しむことができます。バイクをこよなく愛される方に所有いただきたい一本です」


もうひとつの代表作「AUTOMOBILE SP.SS.TT」は、個性的なシルエットで存在感を放つ。
「1960年代に活躍したヴィンテージレーシングカーのような、クルマ好きなら見ているだけでワクワクするフォルムが魅力です。この年代の手巻き式オールドムーブメント(Cal.ETA2512-2)を2個搭載しており、ヴィンテージスピードメーターにヒントを得たデザインの文字盤を備えています。文字盤はそれぞれ独立しており、異なるタイムゾーンを表示します。針を調整する際は、クルマのボンネットを開いてエンジンを見るように、ケース上部を開くことでリューズが操作できるようになっています。クルマ好きの方、誰も持っていないような腕時計をお探しの方にお薦めします」


今回の取材は、腕時計のさらなる多様化を実感する機会となった。それは腕時計が単に時刻を表示する道具から進化し、ライフスタイルを語るツールという役目を担っていることを示している。とはいえ、腕時計こそ実機に触れて、装着してこそ、その良さを把握できる。そして藪内さんのように機能からデザイン、ブランドの歴史にまで精通するアドバイザーのサポートを受けることができれば、日々の暮らしに彩りを与えてくれる最適な一本と出会うことができるはずだ。
やぶ内時計舗キャンペーン&フェアNEWS「ボール ウォッチ」・大切なダイバーズウオッチを長く安心して使うサポート「リフレッシュサービス・キャンペーン」(〜2025年9月15日まで) ・プロフェッショナル ダイバーズクロノグラフをお得に手にいれる「NEDU G5 キャンペーン」(〜2025年8月17日まで) 「アジムース」・“おもちゃの時計屋”のコレクションを購入するチャンス「アジムース フェア」(2025年9月19日(金)〜10月2日(木)まで) |
【やぶ内時計舗】大阪、心斎橋の時計・宝石専門店
住所:大阪府大阪市中央区博労町4-3-12
TEL:06-6253-6110
営業時間:11:00~20:00
定休日:水曜
https://www.yabuuchi.co.jp/
Text/山口祐也(WATCHNAVI) Photo/鈴木謙介