<取材協力>
やぶ内時計舗
物価高騰や為替レートの影響により、時計業界全体で価格改定が相次いでいる。良質な時計が手の届きにくい価格帯へのシフトが危惧される中、愛好家の裾野を広げる“ミドルレンジ”のブランドの役割は極めて重要性を増している。スイスメイドの確かなクオリティで定評のある【ボール ウォッチ(BALL WATCH)】は、まさにこのカテゴリーで存在意義を体現しているといえるだろう。その“最前線”を伝えるべく、やぶ内時計舗の藪内正己さんに「エンジニア アウトライアー」に追加された新バリエーションの魅力のほか、昨今のユーザーの購買心理やアフターサービスの変化について話をうかがった。
「アウトライアー(=異端児)」が支持される3つの理由
ボール ウォッチの中核を担うコレクション「アウトライアー」は、これまでもライト層からコア層まで支持を集めてきた。その理由は3つに集約されると、藪内さんは語る。
1. 操作性に優れた実用的なGMT機能
── アウトライアーに搭載されている機能で、まず特筆すべきがシンプルなGMT機能だ。使いやすく、読み取りやすさも特徴である。
藪内さん(以下同)「アウトライアーは、リューズのみで時・分・GMTの針を調整できる機構を備えています。この場合、単独稼動できる時針を現地時間(ローカルタイム)に、GMT針を居住国時間(ホームタイム)もしくはグリニッジ標準時に合わせることで、渡航先での時刻確認や国外在住者との連絡時に役立つ仕様となっています。オーソドックスな機能ではありますが、海外に行かれる機会が多いお客様から好評を得ていますし、24時間表示ベゼルを時差ぶんだけ回転すれば、3つ目のタイムゾーンを示すことも可能です」
2. 暗闇で真価を発揮! 「マイクロ・ガスライト」
── 「マイクロ・ガスライト」は、ボール ウォッチの代名詞ともいえる機能だ。ルミノバ系の一般的な蓄光材とは異なり、光の蓄積を必要とせず、自発光し続けるハイテク技術となっている。
「暗闇で自発光するというギミックが、ボール ウォッチのコレクション共通の特徴です。程よい光量(スーパールミノバのおよそ8割程度)で優しく、そしておよそ20年にわたって続くというのがマイクロ・ガスライトなのです。お客様からの評価として届けられた例としては、なかなか寝付けない時に、何時だろうと時計を確認した際、目に入ってくる光がぼやっと光る程度なのがちょうど良かった、という声がありました。これもマイクロ・ガスライトの実用性を示す一例ではないでしょうか。またアウトライアーならば、海外への渡航においてトランクに長時間収納していて光に当てていなくても、現地で取り出して時刻合わせさえすればすぐに夜間でも使用できます。まさにストレスフリーなトラベルウオッチといえるでしょう」
3. ミドルレンジの価格帯を覆す驚きのスペック
── アウトライアーは、ケース素材に航空宇宙産業でも使用される最高級ステンレススチールを採用し、搭載する自社ムーブメントはスイスメイドの高精度クロノメーター認定を取得している。これほどのスペックを誇りながら、50万円台というチャレンジングなプライスを実現している点は注目に値する。
「世界的有名ブランドも採用する904Lステンレススチールを外装に使用しています。極めて高い耐蝕性と硬度を誇る素材ですが、卓越した研磨技術によって艶と輝きが引き出された美しい表面となっています。そして、スイスの公的なクロノメーター機関が定める日差マイナス4秒 〜 プラス6秒の基準をクリアしており、さらにBALLオフィシャル スタンダードという同検定以上の基準値『日差マイナス2秒〜プラス4秒内』という、機械式時計として極めて高い水準の精度を実現しています。これらがお客様の購入の直接的な理由となることは稀ですが、迷われている場合の大きな決め手となることがあります」
── 併せて、ユーザビリティを向上させる“現代の実用性”も意識した作りも評価のポイントとなっているという。
「機械式時計だとしても、現在では衝撃や磁気に対する耐性も時計選びの基準となるまでになっています。アウトライアーに代表されるボール ウォッチのタフなコレクションは、5000Gsまでの耐衝撃性(高さ1mから木製床へ自由落下させた際の衝撃と同等)や8万A/m(1000ガウス)までの耐磁性能を確保しており、水辺でも安心な200m防水も備えています。アクティブに活動される方でも、きっと頼りにしていただける一本となるでしょう」
カラーバリエーションから読み解く時計愛好家の購買心理
── デザインにおいても、本機はトレンドも的確に捉えている。昼夜を判別しやすい王道の「ペプシカラーベゼル(赤青ベゼル)」に加え、市場を席巻するカラー文字盤「ターコイズブルー」もラインナップされている。
「初めてご購入される高級時計は長く使っていきたいということを考えられるため、やはり無難なデザイン、間違いのないデザイン、使い勝手の良いデザインが選ばれる傾向にあります。すると必然的にブラックやホワイト、シルバー系の文字盤が選ばれます。すでにそのような時計をお持ちの方となると、冒険心や遊び心からトレンドに沿ったデザインのものが欲しくなられるようです。今回のアウトライアーのターコイズブルーモデルは、そのような背景があっての新しいバリエーションとして登場しました。夏の腕元を彩る、アクセントとなるダイアルカラーといえます。もちろん、GMTウオッチらしい赤青のツートンベゼルも引き続き人気です」
── GMTウオッチといえば海外渡航用として開発された経緯があるが、現在ではそのデザイン性や知的なギミックを楽しめるとして選ばれる傾向が強まっているという。これに対し、GMTの機能を正しく使ってもらうためになど、やぶ内時計舗では初めて機械式時計を購入するユーザーに対しても丁寧なサポートを行っている。
「実用主義のスマートウオッチの便利さをひと通り経験し、再びアナログな機械式時計の奥深い魅力へと回帰されるお客様も近年は多いです。当然ながら初めて購入される方もいらっしゃり、リューズの扱い方から保管方法、カレンダー変更の禁止時間帯、ねじ込み式リューズの正確な締め方など、時計好きにとっては常識であることをご説明しながら、納品させていただいております」
── メンテナンスも、時計ビギナーにとって懸念のひとつに数えられる。
「どんなに優れた機械式時計でも、長く愛用するには定期的なオーバーホールが不可欠です。その面でも、日本法人にサービスセンターを構えるボール ウォッチは確実な修理が保証されており、安心してご利用いただけます。さらに日本国内の正規店で購入された時計に対しては特典が付与され、通常よりも預け期間が長くなりますが(約3か月)、オーバーホールの基本料金が割引される『ゆっくりサービス』がございます。お客様にはお引渡しを急がれない方もいらっしゃり、大変ご好評を得ております」
── 売るだけでなく、機械式時計の魅力を語り、文化を育む。顧客からの厚い信頼と親しみやすさを併せ持つ「やぶ内時計舗」は、正規販売店のあるべき姿を教えてくれる。
「当店でご購入いただいた時計は、なるべく末永くご愛用いただきたいと考えています。ですから、お買い上げいただいた時点から、正しい使い方やアフターケアのサポートもさせていただいております。アウトライアーに限らず、ボール ウォッチにご興味がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください」
妥協を排した堅実なスペックに、ターコイズブルー文字盤という現代的なエッセンスを掛け合わせることで、実用性と洗練を高次元で両立させた「アウトライアー」。時計ツウの審美眼を満たす実力を持ちながら、多くの人の手に届くミドルプライスを実現している点にこそ、真の価値があるはずだ。こうしたブランドの情熱が息づく本格時計の魅力とともに、時計界の潮流を肌で知るショップのリアルな声を、WATCHNAVI Salonはこれからも“最前線”から発信し続けていく。

ボール ウォッチ「エンジニア アウトライアー」 Ref.DG9000B-S4CJ-TQ 59万4000円
スペック:自動巻き(BALL自社製Cal.RRM7337-C)、スイスC.O.S.C.クロノメーター認定、時分秒針、日付表示、True GMT(短針単独可動)。904Lステンレススチールケース&ブレスレット、両方向回転式ベゼル(ステンレススチール製)、反射防止処理済ドーム型サファイアガラス風防、自発光マイクロ・ガスライト(針・文字盤に搭載)。直径40mm、厚さ13.8mm。耐衝撃性5000Gs、耐磁性8万A/m(ミューメタル製インナーケース内蔵)、200m防水。世界限定1000本。
やぶ内時計舗「ボール ウォッチ フェア」開催「やぶ内時計舗」では、2026年8月末日まで「ボール ウォッチ フェア」を開催。期間中、ボール ウォッチの腕時計の購入者にノベルティをプレゼント。無金利ローンも用意。詳細は06-6253-6110(やぶ内時計舗)まで。 |
【やぶ内時計舗】大阪、心斎橋の時計・宝石専門店

住所:大阪府大阪市中央区博労町4-3-12
TEL:06-6253-6110
営業時間:10:30~19:30
定休日:水曜
https://www.yabuuchi.co.jp/
※価格は記事公開時点の税込価格です。限定モデルは完売の可能性があります。
Text/山口祐也(WATCHNAVI) Photo/鈴木謙介
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