時間は誰にでも平等。だからこそ1日24時間、その限られた時間をどう使うかが「人生を楽しむ」ための鍵となります。様々な業界で活躍する人物から「時間術」を聞く本連載。第28回は日本サッカー協会 理事/日本障がい者サッカー連盟 会長・北澤豪さんにお話を聞きました。
文/赤坂匡介 撮影/高橋敬大
世界共通の時間を刻むタグ・ホイヤー
――今日、着用されているのはタグ・ホイヤーのモナコ キャリバー11です。同ブランドとの思い出があれば教えてください。
「僕が初めて手にした高級時計は、20歳のとき、当時の恋人からもらったタグ・ホイヤーでした。成人のお祝いにもらったこともあり、僕にとって思い入れのあるブランドのひとつです(笑)」
――北澤さんとのつながりという意味では、同社はJリーグのトップパートナーでもあります。
「そうですね。タグ・ホイヤーは日本だけでなく、世界中の国とパートナーシップを結んでいます。だから選手交代のタイミングなどでは、審判が持つレフェリーボードに、必ず同社のロゴが〝世界共通〞で表示されるんです。日本でも世界でも一緒というのは、子どもたちが夢を見やすい環境を作ってくれていると思いますし、まさに時間という側面から、“サッカーを支えてくれているブランド”だと感じています」
――“世界”といえば、北澤さんも現役時代は世界を相手に戦っていました。
「はい。特に『ドーハの悲劇』のことはいまでも忘れられません。ロスタイムで同点ゴールを決められた瞬間に、“がんばったつもりだったけど、時間の積み重ね方が間違っていたんだ”と痛感したんです。やはり負けたということは、何かが足らなかったんですよ。1秒1秒の積み重ねが未来なわけですから。以来、時間の大切さは身に沁みて感じています。それはいまも変わりません。50歳を迎え、残された時間のなかで、何を後世に遺していけるか。そのために日々を常に全力で生きています」
――現在は日本サッカー協会の理事など、幅広く活動する北澤さん。今後の夢は何ですか?
「夢は『ワールドカップで優勝すること』。それは選手時代もいまも変わっていません。選手でないからこそできるさまざまな活動を通じて、日本サッカーのために、尽力していきたいです」
北澤 豪(きたざわ・つよし)
日本サッカー協会 理事/日本障がい者サッカー連盟 会長
1968年生まれ。元サッカー日本代表であり、ヴェルディ川崎(当時)の黄金時代を支えた立役者。現在はサッカーの魅力を届けるべく、幅広く活動中。