伝統のなかに息づくジュネーブを拠点とする時計。愛用する人だからこそわかるその価値があります。服食通が一目を置くテーラー「バタク」代表・澤田洋史さんにお話を聞きました。
現代に残る古き良きものには、特有の気品がある
「テーラーとしての個人的な意見ですが、スーツ姿ではジャケットとシャツの袖があるぶん、残された腕元の面積は少ない。だから華奢な日本人には小ぶりの時計のほうが似合うと思います。いま、(自分の手元に)結果的に残っているのは、アンティークばかり」
サイズは30㎜台前半がお好みで、 現在所有するアンティーク4本のなかでも50代になってから出番が増えているのが、こちらのカラトラバ 「Ref.2545」だそうです。通称“クンロク” =「Ref.96」の防水タイプで31.5㎜径とお眼鏡にも適っています。
「現代にも残る古き良きものには、 特有の気品がありますよね。この時計も小ぶりだけど主張がある。購入した40代には、そこが年齢的にマッチせずに登板機会が少なかったんですが、ようやく似合うように感じます。本当は60代からがちょうどいいのかもしれませんが(笑)」
「ウンチクは、物選びの敵(笑)」と 語る中寺さんは、客観的に見て自分に似合うかどうかを重視するそうです。
「とはいえ、ドレスウオッチなら、 ジュネーブ系に軍配が上がるでしょうね。100年ほどの腕時計史においてもエレガンスの根幹は変わっていない。ウンチクなしで選んでも、結果残っているドレスウオッチの2本は、ジュネーブ系ですから」
中寺広吉(なかでら・ひろよし)
服飾通が一目置くテー ラー「バタク」を日本各地に展開。自らもバタク御苑6階のプライベートサロン「中寺創作室」で、ビスポーク・テーラーとしての腕を振るう。時計のほか、サロンに置く北欧の アンティーク家具なども興味の対象。
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