経済評論家・勝間和代さんの“時間術”とは? 「いちばんの時間泥棒は、お酒の時間」――MY TIME〜私の時間術〜 Vol.10

時間は誰にでも平等。だからこそ1日24時間、その限られた時間をどう使うかが「人生を楽しむ」ための鍵となります。様々な業界で活躍する人物から「時間術」を聞く本連載。第10回は経済評論家をはじめ、マルチに活躍する勝間和代さんにお話を聞きました。

文/赤坂匡介 撮影/高橋敬大

100年で考えたときに、いちばん最適な睡眠時間を取っている

※本インタビューは昨年、勝間さんにWATCHNAVI Salonがインタビューした記事の再録です。テレビでは「ちょっと怖い人」のように映ることもある勝間さんですが、実際は笑顔あふれるとてもチャーミングな方でした。

経済評論家として著作も多く、マルチに活躍している勝間和代さん。現在は株式会社監査と分析取締役、内閣府男女共同参画会議議員、中央大学ビジネススクール客員教授としての顔も持ちます。さらに2016年には、自身でプロデュースしたゲームカフェ「THE WINWIN(ウィンウィン)」をオープン。

そんな勝間さんに、多忙な日々の時間の中で、どんな風に時間を使っているか聞いてみると、そこには「自分を信じていないからこそ、テクノロジーをフル活用する」という勝間流の時間術がありました。

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――勝間さんの活動は多岐に渡ります。お忙しい毎日の中で、欠かさずしていることはありますか?

欠かさないのは、寝ることですね。1日8時間くらいは睡眠を取りたいと思っているんです。これは自分の時間を1日24時間で捉えるのではなく、100年で考えたときに、いちばん最適な睡眠時間を考えたんです。

睡眠が短くなれば、パーフォーマンスも落ちます。だったら最初から、8時間睡眠を心掛けた方が人生を100年で捉えると効率的なんです。

――他にも、「欠かさずしていること」はありますか?

私はむしろ、意識的にしていないことがあるんですよ。それはお酒を飲まないことです。いちばんの時間泥棒は、お酒の時間だと私は思っているんです。たとえば「どうですか、軽く一杯」なんて会話がありますけど、お酒の仕組みとして、一杯なんてありえないわけですよ。絶対一杯飲んだら、もっと飲みたくなるじゃないですか(笑)。

――そうやって、忙しい中で時間を作っているんですね。

というよりも、私は1日にやることを少なくしているんです。最近だと、ご飯を作るときも稼働しているのはAI家電がほとんどで、私自身が稼働しているのは10分ほどです。しかも、AI家電を使うことで料理の幅が狭くなるかというと、そんなこともないんです。ただ、オムレツだけは、唯一作れないのですが…(苦笑)。

――たしかに簡略化できるものは、簡略化した方が効率的ですよね。

というよりも、私は自分を信じてないんですよ、まったく。たとえば家から歩いて40分の場所があって、バスなら15分、電車なら10分で着くとなれば、公共交通機関を使った方がはるかに効率的ですよね。

それと基本は同じです。頼れるものには頼った方がいいと私は思っているんです。

最近だと、原稿の執筆も音声入力に切り替えました。キーボードだと、どんなにがんばっても分速75文字ほどらしいのですが、これが音声だと分速300文字くらいになるらしいんです。もちろん最後に校正は若干必要ですが、手も疲れませんし、非常に便利ですよ。

iPhoneより、スマートウォッチを忘れる方が困る

――今日着けているのはApple Watchですね。時間を正確に刻む腕時計がお好きなのですか?

そうですね。昔はグランドセイコーとか、絶対に時間がずれないものをしていました。ここ最近はずっとApple Watchをしています。

今しているのは「SERIES2」なんですが、いちばんの魅力はSuica機能を搭載していることです。他にも電子マネー「ID」なども利用できるので、お財布がいらなくなりました。

講演の際にはタイマー機能も利用しますし、iPhoneを出さなくても、Apple Watchで通話できるのも便利です。万歩計の機能もあるので、1日にどれくらい歩いたかわかるのもうれしいですね。

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↑ボードゲームが大好きな勝間さん愛用の「Apple Watch」

――万歩計の機能も使っているとなると、腕時計は1日中しているのですか?

基本的にしていますね。Apple Watchは防水なので、洗い物も着けたままできますし、寝るまでし続けていることが多いです。

スケジュールも見られますし、電車やバスにも乗れる。だから今や、iPhoneを家に忘れるよりも、Apple Watchを忘れる方が困ります(笑)。

――新しいものを取り入れることに不安はないですか?

ないですね。自分に合わなければ、やめればいいわけですから。それに新しいツールに触れることが楽しいんですよね。ネット通販も好きで、よく利用しています。何がいいって、レジに並ばなくていいわけですから(笑)。

――あらゆるものを活用して、毎日を楽しく生きている勝間さん。今後の目標は何ですか?

日本は「枠から外れると、損する社会」という風潮があります。枠の内側にいる人たちも、その価値観を押し付け合っているようなところがありますし。ですが、そんな社会で生きていくことは息苦しいじゃないですか。

だから私はみなさんに、「枠からはみ出てもいいんだよ。枠からはみ出ると、意外と楽しいよ」ということを、もっと伝えていきたいですね。

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勝間和代(かつま・かずよ)

経済評論家・著述家・講師

1968年生まれ。当時最年少の19歳で会計士補の資格を取得し、大学在学中から監査法人に勤務。アーサー・アンダーセン、マッキンゼー、JPモルガンを経て独立。現在は経済評論家をはじめ、株式会社監査と分析取締役、内閣府男女共同参画会議議員、中央大学ビジネススクール客員教授など幅広く活躍中。また著作多数。近著に『勝間式 超ロジカル家事』(アチーブメント出版)がある。さらに2016年には、自身がプロデュースしたゲームカフェ「THE WINWIN」をオープン。

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