時間は誰にでも平等。だからこそ1日24時間、その限られた時間をどう使うかが「人生を楽しむ」ための鍵となります。様々な業界で活躍する人物から「時間術」を聞く本連載。第16回は俳優の勝地涼さんにお話を聞きました。
文/赤坂匡介 撮影/高橋敬大 ヘアメイク/小口あづさ(Nanan) スタイリング/網野正和
挑戦し続け、前進したい。今回の舞台はその第一歩
――ご自身も企画から参加している舞台『宇宙船ドリーム号』(2017年に上演。現在DVDが発売中)が9月21日(木)から幕を開けます。昨年30歳(現在32歳)を迎えたことと、今回の挑戦は何か関係がありますか?
あります。僕は14歳でデビューしているんですが、10代で通用したことが、20代で通用しなかったという経験があります。きっとまた、同じ壁にぶつかる。それなら30代は、その前に新しいことにチャレンジしようと思いました。
――今回、幼馴染みの俳優・笠原秀幸氏と組もうと思った理由は?
笠原君は兄の同級生で、ユニット名の通り、【ともだちのおとうと】として僕らは出会いました。10代の頃から『いつか一緒にやろう』と話していた夢に、映画監督の石井裕也さんが賛同してくれたことで、今回の企画が実現しました。
――挑戦すれば、失敗する可能性もあります。2人舞台に対する不安はありませんか?
ないとは言いませんが、いまはワクワクしています。実は何人かの先輩には、事前に舞台のことを相談していたんです。先輩たちは口を揃えて、『同世代の役者との2人芝居なんて止めておけ』と言いました。だからこそ、あえて挑戦してみたいんです。どんな道にもリスクはあります。ただ、それを怖れて立ち止まってしまうのは嫌なんです。それに、文句と言い訳ばかりで生きている人間よりも、何度失敗しても挑戦し続け、前に進もうとしている人間の方が僕は格好いいと思うんです。今回の舞台はその第一歩です。
撮影の待ち時間は本番へと向かう助走の時間
――俳優は待つのも仕事と言いますが、待ち時間の使い方は?
僕にとって待ち時間は、エンジンを温めている時間です。すごく大切にしています。特にドラマは時間のないなかで撮影していくので、待ち時間を上手く活用したい気持ちがあります。とはいえ、共演者に「次のシーン、どんな演技するんですか?」とは聞けないじゃないですか(笑)。だから、あえて「次のシーン何でしたっけ?」と言ってみたりします(苦笑)。すると、その流れでセリフの掛け合いが始まったりするんです。そうやってコミュニケーションを取りながら、本番へと向かう助走の時間です。
――今回の挑戦の先にある40歳。どんな風になっていたいですか?
愛用しているIWCの時計がさらに似合う、魅力的な大人の男になっていたいです。そのためにも今回の舞台、がんばります。
今回勝地さんに身に着けてもらったのは、タグ・ホイヤー「オウタヴィア ホイヤー02クロノグラフ」。1966年製のヨッヘン・リント愛用機の復刻版で、パーツ数233個の自動巻きムーブながら厚さはわずか6.9mm。「第一印象は“かわいいな”と思いました。長く使ったら味が出そうですよね」と勝地さん。
私物のIWC「ポルトギーゼ・オートマティック」にはこんな想い出が…。「テレビ番組でイギリスを訪れた際に購入したものです。イギリスは、蜷川幸雄さん演出の舞台『ムサシ』のロンドン公演で訪れている地ということもあり、この時計には色んな思いが詰まっています。洗練されたシンプルなデザインで、とても気に入っています」
勝地涼(かつぢ・りょう)
俳優
1986年生まれ。2000年に俳優デビュー。以降、数々の映画・ドラマ・舞台で活躍。9月21(木)、ふたり舞台「宇宙船ドリーム号」に出演。
タグ・ホイヤー(問い合わせ先・LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン/03-5635-7054)
シャツ/2万8000円マッシモ ダウグスト(問い合わせ先・ビームス ハウス 丸の内/03-5220-8686)
パンツ/ 3万2000円コノロジカ(問い合わせ先・HEMT PR/03-6721-0882)
靴/スタイリスト私物